最終更新日 2018/12/04

やけど

やけどとは・・・

やけど(burn)とは、火や熱湯など高熱によって生じる損傷のことをいう。熱傷ともいう。比較的低い温度でも持続的に加熱されると、やけどになることもある(低温やけど)。範囲および深さが重症度と深く関係している。
やけどの範囲を判定する方法として、成人では9の法則、小児では5の法則というものがある(図1)。やけど面積が30%を超えると重症となり、全身管理が必要なレベルとなる。

図1やけど範囲の判定

【分類】
また、やけどはその深さによってⅠ度からIII度に分類される。

■I度
やけどの深さは表皮までであり、皮膚には発赤のみを認め、痛い。特に治療をしなくても傷跡を残さずに治癒する。

■II度
やけどの深さが表皮を超えて真皮に至る。発赤や痛みだけでなく水疱を伴う。水疱の底の真皮が赤色を呈し、一般的に1~2週間で瘢痕を残さず治癒が期待できる程度の浅達性II度熱傷と、水疱の底の真皮が白色を呈し、3~4週間で治癒が期待できるが、瘢痕を残す可能性が高い深達性II度熱傷とに分けられる。

■III度
やけどの深さが皮膚全層に及ぶ。皮膚は白色化し痛みを伴わない状態になる。植皮術を行わなければ瘢痕拘縮を残す。

【治療】
受傷したらすぐに冷却する。体の部位や年齢などで一概には言えないが、15~30分ほど冷却することで、やけどの進行を抑え、痛みを軽減してくれる。深部II度熱傷以上になると植皮が必要となる。

執筆: 水 大介

神戸市立医療センター中央市民病院  救命救急センター医長

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