最終更新日 2018/10/25

カットオフ値

カットオフ値とは・・・

カットオフ値(かっとおふち、cutoff value)とは、ある検査の陽性、陰性を分ける値のことである。病態識別値とも呼ばれる。その検査結果によって、特定の疾患に罹患した患者と罹患していない患者を分ける境界値である。

理想的な検査とは、検査陽性者は皆疾患があり、検査陰性者は皆疾患がないと診断できることであるが、実際には疾患があるが陰性の場合(偽陰性)と、疾患がないが陽性の場合(偽陽性)がある。そのため、疾患群と非疾患群を分けるカットオフ値を設定すると必ず偽陽性・偽陰性が生じるようになる(図1)。

また、良い検査とは、感度(疾患があるもののうち検査陽性の割合)と特異度(疾患がないもののうち検査陰性の割合)がそれぞれ高くなるように、カットオフ値を設定できる検査である。すなわち、感度が高い検査とは、偽陰性が少なく、検査が陰性であれば疾患がない可能性が高いといえる検査である。一方、特異度が高い検査とは、偽陽性が少なく、検査が陽性であれば疾患ある可能性が高いといえる検査である。

図1カットオフ値

縦軸を「人数」、横軸を「検査数値」でカットオフ値を表した表。結果が陰性でも疾患に罹患している人、結果が陽性でも罹患指定ない人が一定数いることがわかる。

執筆: 浅香葉子

神戸市立医療センター中央市民病院 救命救急センター副医長

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