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2016年10月27日

「何のためにその報告をしているのか?」を考える|新人ナースのホウレンソウ[4]

これまで、どのような報告の仕方があるか、また報告時のポイントについて紹介してきました。今回は、その中で紹介した「SBAR」についてさらに説明し、「何のためにその報告をしているのか」を改めて確認していただきたいと思います。

川原千香子
愛知医科大学医学部シミュレーションセンター講師
急性・重症患者看護専門看護師/救急看護認定看護師

 

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〈目次〉

 

 

SBARからI-SBAR、I-SBARCへ

SBARを思い出してみましょう(SBARの使い方)。

S;Situation(状況、状態)
B;Background(背景、経過)
A;Assessment(評価)
R;Recommendation(依頼、要請)


SBARは緊急時、簡潔にもれなく報告を行うためのツールです。そのため、“Situation(状況)”から報告をするようになっていますが、一般的には最初に「自分が何者」で「誰(何号室の○○さん)」の報告をしたいかを宣言することが安全面からも求められます。

そこで、近年では“Identify(報告者、対象者の同定)”が追加され、「SBAR」 ではなく「I-SBAR」が用いられてきています(1)

 

I:Identify(報告者、対象者の同定)
S;Situation(状況、状態)
B;Background(背景、経過)
A;Assessment(評価)
R;Recommendation(依頼、要請)

 

また、患者安全の視点から口頭指示、特に電話での報告などでは指示内容を復唱し、複数者で確認することが求められるため、“Recommendation(依頼、要請)”の後に、“Confirm(口頭指示の復唱確認) ”が加えられ、「I-SBARC」に発展しています(2)(3)

 

I:Identify(報告者、対象者の同定)
S;Situation(状況、状態)
B;Background(背景、経過)
A;Assessment(評価)
R;Recommendation(依頼、要請)
C;Confirm(口頭指示の復唱確認)

 

ミニ知識

SBARは、米国で医療安全と質の管理を目的に開発されたteamSTEEPSというチームワークトレーニングで用いられている報告のツールです。
teamSTEPPSは、チームとして安全で有益な知識・考え方、態度、成果が得られる戦略で、航空乗務員のための「Crew Resource Management」の原則や米国防省の事故対策の実績をもとに作成、実践された世界標準の行動規範を示しています(4)

 

 

I-SBAR、I-SBARCで考えてみましょう

前回の東京子さんの事例を使って、I-SBAR、I-SBARCを用いた報告例を考えてみましょう。

I-SBARで考えてみましょう

新人看護師の赤坂るう子さんが東さんの病室を訪れた後、ナースコールでリーダーに報告する場面です。

ここの“Recommendation(依頼、要請)”は、なかなか言いにくいかもしれませんが、まず一人では対処が難しいと判断したら、いろいろと説明に時間をかけるより、「応援をお願いします!」と、しっかり伝えることが望まれます。

また、今回のように、同室の患者さんからのナースコールで訪室した場合、様子を見るつもりで何も持ってないことも珍しくありません。そのため、報告の際にはバイタルサイン測定用具や、緊急カートなどの物品も依頼しましょう。
もちろん報告を聞いた人たちが、気を利かせて持ってきてくれることもあると思いますし、逆に訪室したのがリーダーで、あなたが必要なものなどの指示を受けることもあると思います。 この“Recommendation(依頼、要請)”の部分を常に考えておくことは、次の行動への予測にもつながりますので、日々I-SBで終わらないように習慣づけてみましょう。

I-SBARCで考えてみましょう

では次にI-SBARCです。直接、当直医師に報告の電話をした場面です(点滴ラインはすでに確保されていると仮定します)。

ISBARC

(医師からの指示を聞いた後)
ISBARC

 

第1回にも書いた通り、報告は、事実のみを伝えることとは異なります
何のためにその報告をしようとしているのかが大切です。自らの考えや、依頼したいことを伝えるのは、最初は難しいことですが、ぜひ訓練してほしいと思います。

 

 

自分の考えを持つことは「患者さんにどうなってほしいのか」「何が必要なのか」を考えること

筆者が新人のころ、よく先輩や医師に報告した後、「で、どう思うの?」と返されて絶句したことが思い出されます。
自分の考えを持つことは、患者さんにどうなってほしいのか、何が必要なのかを考え、ケアを追加修正することにつながります。「今、何が起きているか?」「今後どうなることが予測されるか?」「何を必要としているか」を考えるようになりましょう。

I-SBARCは、基本的な報告の手順と内容であり、医師―看護師間をはじめとする患者を中心とした医療者のコミュニケーションに欠かせないツールだと考えます。

 

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Illustration:かげ Twitter


 

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