創部感染

『ナスさんが教える! ぴんとくる消化器外科看護』より転載。
今回は創部感染について解説します。

 

著者/ぷろぺら(看護師)

医学監修/平野龍亮
相澤病院外科センター乳腺・甲状腺外科
日本外科学会専門医・日本乳癌学会乳腺認定医・臨床研修指導医

 

 

創部感染とは?

創部感染とは、皮膚を縫合している創部に感染が起こっている状態です。

 

術後2~3日以降に起こり、5〜7日がピークです。

 

時に創が離開してしまうこともあります。

 

看護師顔画像

すぐに生命に直結することは少ない合併症だけど、見える部分の異常なので患者さんが不安を強く感じることも…

 

 

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観察項目

❶創の状態

創部を保護しているガーゼや創部に貼付しているドレッシング材(カラヤヘッシブなど)を剥離し、創部の観察を行いましょう。

 

排膿がみられたり、創部の腫脹や発赤、熱感があれば創部感染を疑いましょう(図1)。

 

生理的でない疼痛がある場合も創部感染を疑い、発熱などの感染徴候に注意します。

 

図1 正常な創部と異常な創部

正常な創部と異常な創部

 

看護師顔画像

異常な創部はこんな感じ!

 

きちんと観察して、異常がないかをチェックしようね!

 

 

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対応

感染と判断されれば医師に報告し、基本的には創部を開放(縫合をとって創部を開く)し、洗浄を行います。

 

ペンローズドレーンを留置し、膿のドレナージ経路を確保することもあります。

 

医師顔画像

創部に感染徴候があるときには、まずは感染源を取り除いてあげることが重要。

 

感染とはその人が外敵と戦っている状況。今まさに戦場、という場で復興作業は進まないでしょ?

 

まずは感染という争いを鎮静化してから、創傷治癒という復興作業を行うイメージだね。

 

看護師顔画像

感染が落ち着くまでは毎日洗浄して、創部を清潔に保つことが基本!

感染が残った状態で安易に湿潤療法を行うと危険です。

 

特にWOCナースには気軽に相談してくださいね!

必要に応じてデブリードマン(壊死組織の除去)や局所陰圧閉鎖療法などを行います。

 

看護師顔画像

創傷治療に関しては、WOCナースや形成外科の協力が必要です!

 

 

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【著者プロフィール】

ぷろぺら@puropera44

看護師。これまでに慢性期病棟、クリニック、消化器外科、HCU、救急病棟、泌尿器科、腎臓内科などを経験。
看護roo!では『マンガ・ぴんとこなーす』を連載中。

 

 

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本連載は株式会社南山堂の提供により掲載しています。

 

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[出典] 『ナスさんが教える! ぴんとくる消化器外科看護』 著者・ぷろぺら/医学監修・平野龍亮/2020年3月刊行/ 南山堂

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