陰部は前部から後部に向かって洗浄し、拭くのはなぜ?|清潔援助

 

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。

 

今回は陰部洗浄の手順に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

陰部は前部から後部に向かって洗浄し、拭くのはなぜ?

前部から後部に向けて洗浄し、同様に前部から後部に向けて拭くのは、大腸菌などによる感染を防ぐためです。

 

陰部の清拭には強い羞恥心を伴いますので、声をかけて同意を得たうえで行います。不必要な露出を避けることも、もちろん必要です。

 

粘膜部分は敏感なので、湯の温度に注意しましょう。絞った脱脂綿を看護師の腕の内側に触れさせ、熱すぎないかどうか必ずチェックしてから行います。

 

また、強くこすらないようにすることも大切です。皮膚の接触部分は丁寧に拭きます。女性は陰唇を開いて、男性は包皮を伸ばして拭き、陰のうの裏も合わせて拭きます。石鹸を使用する時は、石鹸分が残らないように湯をかけて洗い流すか、3回以上きれいに拭き取ります。

 

会陰から肛門に向けて拭き、肛門裂溝(れっこう)に沿って皮膚の密着部を十分に拭きます。

 

図1女性

女性

 

 

図2男性

男性

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

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