苦しい時、臥位より座位が呼吸が楽なのはなぜ?

 

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は呼吸姿勢に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

苦しいとき、臥位より座位が楽なのはなぜ?

座位や半座位になると横隔膜が下がり、腹部の内臓が重力で下垂するため、横隔膜への圧迫が減少します。

 

その結果、呼吸面積が広がって肺の伸展が容易になり、呼吸が楽に感じられるようになります。

 

また、胸郭が拡張し、横隔膜や側腹筋の運動が、より活発になることも呼吸を楽にする一因です。

 

うっ血性心不全などの心臓性呼吸困難の場合は、座位になると下肢や腹部の静脈に血液が溜まり、心臓に戻ってくる血液が減少するため、肺のうっ血が軽減されます。

 

これによって、呼吸はやや楽になります。

 

※編集部注※

当記事は、2019年2月23日に公開した記事を、第2版の内容に合わせ、更新したものです。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

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