口腔内の温度測定時、舌下小帯を避け、水銀部が舌下中央に密着するように挿入するのはなぜ?|体温測定

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は「体温計挿入時(口腔)の注意」に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

口腔内の温度測定時、舌下小帯を避け、水銀部が舌下中央に密着するように挿入するのはなぜ?

安定した状態で、口腔内の最高温度を測定できるようにするためです。

 

口唇の中央から30~40度の角度で、舌の下面の正中にある舌下小帯(ぜっかしょうたい)を避け、舌下小帯を中心にして分割される左右どちらかの舌下の中央に水銀部がくるように挿入します。

 

熱の放散を防ぎ、外気温の影響を避けるために、口唇を軽く結んでもらいます。舌下中央は口唇から入る空気の影響を最も受けにくいので、口腔内の最高温度を測定することができます。

 

また、角度をつけて挿入することで、体温計を固定しやすいという利点もあります。

 

図1口腔内の温度測定

 

MEMO水銀体温計・水銀血圧計の取り扱い

水銀は、ヒトへの毒性をもつ危険な物質です。2013年「水銀に関する水俣条約」が定められ、同年3月に日本も条約に署名しました。これを受けて世界保健機関(WHO)では、2020年までに水銀体温計ならびに水銀血圧計の使用を取りやめる指針を打ち出しています。環境汚染や健康被害の観点から、多くのメーカーで製造中止となっています。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

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