体温の測定部位によって温度差があるのはなぜ?|体温測定

『看護技術のなぜ?ガイドブック』より転載。
今回は「体温測定部位の温度差」に関するQ&Aです。

 

大川美千代
群馬県立県民健康科学大学看護学部准教授

 

体温の測定部位によって温度差があるのはなぜ?

測定部位ごとに温度差が生じるのは、外気温や動作などの影響を受ける部位か受けない部位かの違いによります。

 

最も影響を受けないのが直腸で、ほぼ完全な体腔の温度を得ることができます。直腸温は、平均すると37.5℃程度です。

 

口腔は、飲んだり食べたり、話したりすることで、多少影響を受けますが、粘膜腔であるため腋窩よりも体腔温を作りやすくなります。口腔温は、平均して37.2~37.3℃です。

 

腋窩の皮膚温は約30~33℃ですが、腋窩を閉じることで体内の温度が伝わり、皮膚からの熱の放散を防いで体腔温に近い温度が得られるようになります。平均すると、腋窩温は36.5℃です。

 

図1測定部位ごとの温度

 

MEMO体温の正常値

東京大学医学部第一内科で東京在住の青年男女の多数を対象に実験した結果、日本人の腋窩温の平均値は、36.89℃±0.342℃であったといいます。

 

体温は、年齢によっても変化します。新生児は新陳代謝が盛んなために体温は高く、体温調節機能が不安定であるうえに外界の影響を受けやすく、37℃以上あります。やがて生後100日頃には37℃を下回るようになり、成人とほぼ同じ体温になるのは10~15歳です。

 

高齢になると体温が低くなってきますが、体温そのものが低いのではなく、皮膚の熱伝導の低下、腋窩の筋肉の収縮などが原因と考えられています。

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護技術のなぜ?ガイドブック』 (監修)大川美千代/2016年3月刊行/ サイオ出版

SNSシェア

看護知識トップへ