成人の正常体温が、腋窩温で36~37℃ と決まっているのはなぜ?

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は正常体温に関するQ&Aです。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

成人の正常体温が、腋窩温で36~37℃と決まっているのはなぜ?

 

生命維持をしていくための新陳代謝にとって、37℃前後が適温であるためです。

 

〈目次〉

 

身体の新陳代謝と体温の関係

身体は、生命を維持するために絶えず新陳代謝を行なっています。その新陳代謝は酵素の作用によって調整されており、この酵素の働きを一定に保持し、化学反応を一定に保つには、一定の温度が必要となります。

 

一般に、温度が10℃上昇すると化学反応の速度は2倍になるといわれるように、体温が変われば、体内の化学反応のスピードも大きな影響を受けることがわかります。

 

一定の体温を維持するには

身体の細胞は、34℃以下または40℃以上になると機能に重大な変化をきたし、40~42℃が数時間続くと死に至ることもあります。とくに中枢神経系の細胞は、40℃を超えると正常に機能できないといわれています。

 

したがって、体温を外界気温より高い状態におき、かつ、できるだけ一定の体温を維持することが、細胞活動、酵素活動を能率よくし、生命を維持していくうえで不可欠です。

 

また、ヒトの体温は、たとえ環境条件や生体の活動が著しく変化しても、狭い一定の範囲でしか変動を示しません。その理由は、視床下部にある体温調節中枢が、常に化学的な熱産生量と物理的な熱放散量とのバランスを保つようにして、生体の体温を37℃ぐらいに調節しているわけです。

 

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本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

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