髄膜|からだずかん【42】

『ゆるっとポップな解剖生理学 からだずかん』(KADOKAWA)より転載、Web掲載にあたり一部改変。
内容は書籍刊行当時のもの。
今回は4章『・神経系』より、「髄膜」について解説します。

 

著:角野ふち
 

髄膜<Meninges>

脳と脊髄(せきずい)は骨と膜で包まれているつくりとなっています。

脳は、頑丈な球状の頭蓋骨(とうがいこつ)に包まれています(頭蓋腔〈とうがいくう〉におさまる)。

そして、この中では髄膜(ずいまく)という3層の膜に包まれています。

外側から、硬膜(こうまく)・くも膜・軟膜(なんまく)といいます。

 

頭皮から大脳にいたるまでの層構造と髄膜を説明するイラスト図解。表面から順に、皮膚・皮下組織、帽状腱膜(筋や腱膜)、頭蓋骨があり、その下に脳を包む「髄膜」として、硬膜、くも膜、軟膜の三層構造が示されています。くも膜と軟膜の間の「くも膜下腔」は脳脊髄液(髄液)で満たされており、くも膜顆粒が大脳静脈洞(上矢状静脈洞)へ突出している様子が描かれています。また、骨を貫いて頭皮側と静脈洞をつなぐ「導出静脈」の存在も記載されています。

 

髄液

髄液(ずいえき)は、主に脳室内の脈絡叢(みゃくらくそう)という場で血液からつくられる液体です。

脳脊髄液(髄液)の産生と循環経路を説明するイラスト図解。脳室にある「脈絡叢(みゃくらくそう)」で髄液が作られ、モンロー孔、シルビウス水道、マジャンディー孔といった通路を経て、脳や脊髄の周囲(くも膜下腔)を循環する様子が矢印で示されています。最終的には上矢状静脈洞から「血液にもどる」仕組みが描かれています。また、髄液が脳を衝撃から守るクッションの役割を果たしていることが、浮き輪をつけた脳のキャラクターと共に解説されています。

 

髄膜 それぞれどんな膜?

髄膜の3層構造は、それぞれ性状が異なります。

硬膜は丈夫で厚く、脳を区切っているようなつくり。

 

髄膜(ずいまく)を構成する三層の膜の特徴を説明するイラスト。硬膜(こうまく): 一番外側にあり、丈夫で厚いのが特徴。くも膜: 中間に位置し、オブラート状で薄い膜。くも膜の下には「くも膜下腔」がある。軟膜(なんまく): 一番内側にあり、非常に薄く大脳の表面に密着している。これら三つをまとめて髄膜と呼び、脳のキャラクターの上に層状に重なっている様子が描かれています。

 

大脳鎌/小脳テント/小脳鎌

硬膜は髄膜の中でも最も厚く丈夫です。

そんな硬膜は、全体を保護しているだけでなく、一部が脳に食い込むように変形しているという特徴があります。

そのため、左右の大脳(だいのう)半球や小脳(しょうのう)を区切るような役割ももっています。

 

硬膜の特殊な形態と髄液検査について説明するイラスト図解。硬膜の形態: 左右の大脳半球の間に垂れ下がる「大脳鎌(だいのうがま)」、大脳と小脳を仕切る「小脳テント」、小脳の間に位置する「小脳鎌(しょうのうがま)」といった、硬膜が脳の隙間に入り込んで作った構造が示されています。髄液検査(ルンバール): 髄液を採取するために腰椎のくも膜下腔へ針を刺す「腰椎穿刺(ようついせんし)」について解説されています。正常な髄液は「無色透明」であることや、「骨髄穿刺(マルク)」との混同に注意するようポイントが記されています。

 

脳や脊髄は他の臓器と比較すると柔らかい組織で、髄液の中にぷかぷか浮いています。

 

[出典] 『ゆるっとポップな解剖生理学 からだずかん』 (著者)角野ふち (監修)嵯峨 堅、能間 国光/2024年5月刊行/株式会社KADOKAWA

 

著者プロフィール
角野ふちプロフィール

角野ふちXInstagram

看護師、保健師、イラストレーター。

 

人のからだをかわいくポップなイラストで解説するコンテンツ『からだずかん』を、SNSやWebサイトで発信。

イラストを手がけた書籍に『薬メモ!』(大田和季著・じほう)、『みんなの救命救急科』(三谷雄己著・中外医学社)など。

日本メディカルイラストレーション学会会員。

 

webサイト: からだずかん
ショップ: ぞーきーず

 

 

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