透析技術認定士とは？看護師が資格を取るメリットや勉強方法を解説

 

透析技術認定士とは、透析技術の向上を目指せる資格です。透析に関わる看護師や臨床工学技士が挑戦しています。

 

この記事では、透析技術認定士を取得するメリットや取得までの流れ、勉強方法についてご紹介します。

 

 

透析技術認定士とは    

透析技術認定士は、透析に関わる医療スタッフの専門知識と技術の向上を目的とした資格です。

 

透析に関わる看護師や臨床工学技士などがスキルアップのために取得に挑戦しています。

 

1980年に創設されてから、第44回（2023年）までに、延べ23,000人以上の透析技術認定士が誕生しています。

 

 

透析技術認定士の役割

透析技術認定士の役割は、腎不全や透析に関わる知識・技術を常に研鑽し、技能向上をし続けることです。

 

人工透析となった患者さんは、その後生涯にわたり透析を受け続けなければなりません。週に数回、透析治療を行う時間的な負担に加え、日々の食事や運動など、生活上の負担もかかります。

 

そのような患者さんの負担を少しでも軽減し、生活の質（QOL）を高めてもらうために、透析技術認定士には、日々の研鑽が求められています。

 

 

看護師が透析技術認定士になるメリット  

看護師が透析技術認定士になるメリットは、次のとおりです。

 

 

1透析技術の専門性が高められる

透析技術認定士になる一番のメリットは、透析技術の専門性を高められることです。

 

取得の際に改めて、透析技術について体系的な学習ができることは、スキルアップのよい機会となります。

 

また、取得時や5年ごとの更新時には学会や講習会への出席、論文発表が求められるので、最新の知識をアップデートできるでしょう。

 

 

2患者さんとの信頼関係構築につながる

資格取得を通して専門性を身につけ、自信を持って日々の業務を行えば、患者さんとの信頼関係構築にもつながります。

 

透析患者さんは、高い頻度で透析クリニックに通い、同じ医療スタッフと交流するため、コミュニケーションの頻度も多く、医療スタッフとの信頼関係を築くことはより重要になってきます。

 

そのような患者さんにとって、自身が通うクリニックに高い専門知識と技術のある看護師さんがいることは、大きな安心感につながるでしょう。

 

 

3透析看護でのキャリアアップにつながる

資格を取得していることで、自身のキャリアアップにつなげることができます。

 

日本の慢性透析患者の数は35万人（2020年）で、2030年には約38万人になるという推計があり、今後さらに透析の専門知識を持つ看護師の需要が高まるでしょう。

 

透析技術認定士の資格があれば、透析治療への興味・関心や、専門知識があることを転職の際にアピールできたり、職場によっては資格手当が出るといったケースがあったりと、有利に働くことが多くあります。

 

 

透析技術認定士になるには

透析技術認定士になるまでの流れは、以下の通りです。

 

出典：医療機器センター「これから透析技術認定士を目指す方」

 

年に1度の試験なので、機会を逃さないよう注意しましょう。9月に申し込みがスタートするので、スケジュールをチェックしておくと安心です。

 

 

透析技術認定士の受験資格は？

透析技術認定士試験は、資格の登録日から試験申請日までに、透析医療で一定の実務経験を積んでいることが条件です。

 

 

また、実務経験は常勤での経験のみであり、アルバイト経験は認められません。

 

 

「認定講習会」とは

透析技術認定士の試験を受けるためには、事前に「認定講習会」を受ける必要があります。

 

認定講習会の内容は、以下の通りです。透析療法の知識といった実践的な内容から、血液浄化療法の歴史、倫理的問題といった内容まで学習分野は多岐にわたります。

 

出典：医療機器センター「これから透析技術認定士を目指す方」

 

認定講習会はeラーニングで開講されており、自宅からでも受けることができます。例年3月ごろに約4週間ほど開催されます。

 

開催期間外では視聴できませんので「うっかり見忘れてしまった」ということがないよう注意しましょう。開講期間中は何度でも視聴が可能なので、スケジュールや理解度に合わせて学習を進められます。

 

 

透析技術認定士の試験会場や受験費用は？

透析技術認定士の認定試験は、毎年東京都内の会場で行われます。詳しい会場の場所は、1月〜2月ごろに決定されます。

 

また、透析技術認定士になるための費用は、以下の通りです。

 

 

透析技術認定士の合格率や難易度

公式の医療機器センターのWebサイトによると、ここ5年の透析技術認定士の合格率は68％台～71％台となっています。

 

例年70％で推移しており、特別難易度が高いとは言えません。

 

ただし出題分野は幅広いので、しっかり受験勉強をすることが必要です。

 

 

透析技術認定士の試験内容と勉強方法

透析技術認定士試験を受けるにあたって、どんな対策をすればいいのでしょうか。ここでは試験の内容やおすすめの問題集を紹介します。

 

透析技術認定士の試験内容

透析技術認定士試験はマークシート方式で100問です。

 

事前に参加する認定講習会の講義内容に沿って出題されます。

 

何度もeラーニングを視聴したり、自分なりに要点を整理するなどして内容をしっかり頭に入れて試験に臨みましょう。

 

 

予想問題集で対策

透析技術認定士試験は、毎年、「血液浄化療法ハンドブック」（透析療法合同専門委員会企画・編集／協同医書出版社）から出題されます。

 

このテキストは認定講習会で郵送されますので、試験までにしっかりと見返しましょう。

 

また、過去問は公開されていませんが、予想問題集なら発売されています。こうした問題集で対策するのも有効な勉強方法です。

 

 

まとめ

透析患者の数が年々増える中、高い透析技術を持つ看護師さんの需要は今後も高まっていくでしょう。

 

スキルアップしてよりよい医療を提供したいと考えている看護師の皆さんは、受験を考えてみてはいかがでしょうか。

 

執筆：看護roo!編集部

 

 

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