最終更新日 2018/06/07

急性骨髄性白血病

急性骨髄性白血病とは・・・

急性骨髄性白血病(きゅうせいこつずいせいはっけつびょう/AML)は、未分化な骨髄系細胞に生じた遺伝子異常により、幼若な骨髄系細胞が増殖する造血系腫瘍である。遺伝子異常には、分化に関わる遺伝子の欠損と、細胞の異常増殖を促進する遺伝子の活性化という2種類がある。
年間10万人あたり3.5人〜4人程度の発症率で、男性に多いといわれている。発症率は年齢が上がるに従って増加し、65歳以上の高齢者が半数以上を占めている。適切な治療を行わなければ、感染症出血により、数日から数週の経過で死亡することが多い。

【症状】
貧血、白血球減少、易感染性、出血傾向などがある。

【検査・診断】
診断は骨髄中の幼若な骨髄系細胞(芽球)の増加があるかどうかで行われる。従来、形態を基本としたFAB分類によりM0~M7に分類されたが、近年は染色体異常遺伝子変異などの病因的な因子を取り入れたWHO分類が用いられるようになっている。

【治療】
寛解導入療法として化学療法を行い、完全寛解を目指す。その後も治療を継続しないと再発するので、地固め療法を行うこととなる。再発した場合や再発のリスクが高いと考えられる場合は適切なドナーが得られれば同種造血幹細胞移植が考慮される。
急性骨髄性白血病の中でも、t(15;17)という遺伝子変異をもつものは、急性前骨髄球性白血病(APL;acute promyelocytic leukemia)と呼ばれ、治療方法が異なる。

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