最終更新日 2019/11/01

トファシチニブ

トファシチニブとは・・・

トファシチニブ(とふゃしにちぶ、Tofacitinib)とは、分子標的治療薬の一種である。商品名はゼルヤツ®。主に関節リウマチの治療に使用される。

JAK(ヤーヌスキナーゼ)を阻害する事で効果を発揮する薬剤(JAK阻害薬)であり、DMARDs(疾患修飾性抗リウマチ薬)の一つに位置付けられている。

【作用機序】
サイトカインが炎症細胞のサイトカイン受容体に結合すると、細胞内シグナルが伝達され炎症細胞の活性化やさらなるサイトカインの産生が起きる。抗TNF製剤や抗インターロイキン6製剤など他のDMARDsではサイトカインを標的としており、炎症細胞がサイトカインにより刺激されるのを阻害することで効果を発揮する。
しかし、トファシチニブはサイトカインを標的としておらず、サイトカイン受容体からの細胞内シグナルを伝えるJAKを阻害する。JAKが阻害されることで免疫の活性化を抑え、炎症を抑制する新しい機序の製剤である。

発売前の臨床試験では、MTX(メトトレキサート)や抗TNF製剤が無効であった症例においてトファシチニブが症状の改善や関節破壊を抑制することが示されている。一方で結核敗血症など重篤な感染症が問題になることがあり、MTXが無効な症例などが適応として推奨されている。

また、他のDMARDsと異なりトファシチニブは経口投与が可能な製剤であるため、内服可能な薬剤として利便性が高いことが特徴に挙げられる。

【トファシチニブの副作用】
他の生物学的製剤と同様に感染症や悪性腫瘍の発生が問題となるが、頻度は変わらないとされている。しかし、帯状疱疹についてはトファシチニブで有意に発生頻度が高いため特に注意を要する。

執筆: 井上 彰

明石医療センター 救急科医長 救命救急センター

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