最終更新日 2018/09/18

自律性膀胱

自律性膀胱とは・・・

自律性膀胱(じりつせいぼうこう、autonomous bladder)とは、仙髄の排尿中枢もしくは末梢神経障害(特に骨盤神経障害)により膀胱~仙髄の求心路と遠心路の両方が障害されることで起こる疾患である。自律性神経因性膀胱、非反射性膀胱ともいう。

【原因】
原因疾患は、脊髄完全損傷(特に脊髄ショック期)、脊髄癆(せきずいろう)、二分脊椎、骨盤内臓器手術後、糖尿病などがある。

【症状】
求心路の障害のため尿意がなく、また、遠心路の障害により排尿反射が起こらず、排尿することができないため膀胱内に尿が貯留し続ける。溢流性(いつりゅうせい)尿失禁と残尿を認める。

【診断】
尿流動態検査所見では、排尿筋低活動、無収縮排尿筋を認める。多くに合併する尿道機能不全をもみられる。

【治療】
高圧排尿による上部尿路障害や、残尿に伴う尿路感染を予防するために、排尿補助手段として清潔間欠的導尿が行われる。

執筆: 上村恵理

長崎大学病院 高度救命救急センター助教

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