最終更新日 2018/12/25

尿路結石

尿路結石とは・・・

尿路結石(にょうろけっせき、ureteral calculus)とは、腎臓、尿管、膀胱、尿道からなる尿路のいずれかの部位に形成された結石により、尿路が閉塞する疾患である。しばしば、激痛などの症状を引き起こす。

尿路が閉塞すると、閉塞部位より上流の尿管や腎盂の内圧が上昇し、腰背部や下腹部に激烈な痛みが生じる。結石ができる要因には、尿中に含まれるカルシウムやシュウ酸などの結晶成分量や尿の停滞が挙げられる。尿中で飽和状態になった結晶成分が尿路で析出を始めることで結石が形成され、尿の停滞はそれを助長する。

尿中の結晶成分が多くなるような代謝障害やカルシウムやシュウ酸を多く含む食品の過剰摂取などがリスクといわれている。

【症状】
腰部~下腹部の痛み、血尿排尿困難感、頻尿排尿痛、嘔気、嘔吐など症状は多岐にわたる。その疼痛は激烈であることが多く、時に失神する人もいるほどであるが、無症状の場合もある。

【診断】
尿路結石の確定診断はCTで行われることが多い。X線検査も行われることはあるが、X線では結石がはっきりと写らないことも多い(X線陰性結石)。

また、水腎症(尿路の閉塞所見)を確認するために超音波検査もしばしば行われる。しかし、水腎症があっても、それが尿路結石によるものとは限らないため、水腎症の存在をもって尿路結石の確定診断とはいえない。

尿検査で血尿を確認することも行われる。しかし、尿路結石でも血尿を認めないことと、尿路結石以外の疾患でも血尿を認めることもあるため、血尿の有無をもって尿路結石の有無を判断することはできない。1)

【治療】
尿路結石は、大きさや存在部位にもよるが、自然排石することがあり、排石するまで鎮痛薬を使用しながら経過を見る方法をとることがある。また、鎮痛薬とともに排石促進薬の併用を行うこともある。
これらを行っても、排石せず、疼痛コントロールが困難になるのであれば、体外衝撃波結石破砕術(extracorporeal shock wave lithotripsy;ESWL)や経尿道的尿管結石砕石術(transurethral ureterolithotripsy;TUL)や経皮的腎結石砕石術(percutaneous nephrolithotripsy;PNL)などで結石を破砕する方法がとられる。

尿路結石は、大きさや存在部位にもよるが、自然排石することがあり、排石するまで鎮痛薬を使用しながら経過を見る方法をとることがある。また、鎮痛薬とともに排石促進薬の併用を行うこともある。1)

 

引用参考文献
1)Graham A.et al.Urolithiasis in the Emergency Department. Emerg Med Clin N Am 29,2011, 519-538

SNSシェア

この単語に関連する記事

用語辞典トップへ