聴いたり話したりするとき、体のなかでは何が起きている?|大脳皮質の働き

『からだの正常・異常ガイドブック』より転載。
今回は「脳の機能」に関するQ&Aです。

 

山田幸宏
昭和伊南総合病院健診センター長

 

聴いたり話したりするとき、体のなかでは何が起きている?

大脳皮質には、聴いて、見て、嗅いで、話して、感じて、動かしてと、私たちが生きていくために必要な中枢が点在していますが、これらの中枢は、それぞれ独立しながらも密接に連携し合って活動しています。

 

図1大脳の区分と大脳皮質の機能局在

大脳の区分と大脳皮質の機能局在

 

例として、こんにちはと声をかけられてから、挨拶を返すまでのプロセスをみてみましょう。

 

街中でこんにちはと声をかけられると、まず聴覚器(耳)から内ないじ耳神経(第8脳神経)を介して側頭葉にある聴覚野に伝わります。しかし、この段階で音は電気的な信号にすぎず、意味のある音として認識することはできません。 

 

この雑音のような音が、次に神経線維によって伝わる部分が、頭頂葉にある感覚性言語中枢(ウェルニッケ中枢)です。感覚性言語中枢には複雑で高度な神経回路網があり、単なる雑音にすぎなかった音をそれまでの記憶と照らし合わせ、言葉や文章として意味づけします。ここで、やっとこんにちはという音が意味のある言葉として理解できるのです。 

 

では、次にこんにちはと挨拶を返すプロセスをみてみましょう。

 

返事をしようという意思は、神経回路網を通じて前頭葉にある運動性言語中枢(ブローカ中枢)に伝わります。この神経伝達によって言語運動が生じ、声を出すために必要な口や舌、喉などを動かす神経細胞から順次指令が出ていきます。すると、こんにちはという発声がなされるのです。

 

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『看護のためのからだの正常・異常ガイドブック』 (監修)山田幸宏/2016年2月刊行/ サイオ出版

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