点滴静脈内注射が血管外に漏れるとどうなるの?

『根拠から学ぶ基礎看護技術』より転載。
今回は点滴静脈内注射に関するQ&Aです。

 

江口正信
公立福生病院診療部部長

 

点滴静脈内注射が血管外に漏れるとどうなるの?

 

注射部の腫脹や周囲に広がる浮腫、疼痛などがおこります。

 

〈目次〉

 

点滴静脈内注射が漏れると

点滴静脈内注射時に薬液が血管内に入らず、皮下の周囲組織に漏れた状態では、注射部に腫脹が起こり、当該肢全体に広がる浮腫が生じます。また、注射部の冷感や疼痛、不快感も発生します。

 

これらは、静脈針が確実に血管内へ入っていない場合と、静脈針が血管壁をつき抜けてしまった場合とが考えられます。

 

点滴静脈内注射が漏れた場合は

点滴静脈内注射が漏れたときには、点滴静脈内注射をただちに中止し、静脈針を抜きます。さらに、薬液が漏れてから30分以内で腫脹が軽度の場合は局所を冷やし、薬液漏れが始まってから時間が経過した場合は温湿布を行ないながら同肢部を挙上します。

 

また、薬液によっては(とくに抗がん剤など)、血管外に薬液が漏れて、周囲組織の壊死をまねくことがあるので、注意が必要です。

 

点滴静脈内注射を行う時のポイント

点滴静脈内注射を行っている際には、患者さんの全身状態や点滴ラインなど観察し、異常がみられたら早期に対処する必要があります(図1)。

 

図1点滴静脈内注射を行っている患者の観察ポイント

点滴静脈内注射を行っている患者の観察ポイント

 

 


本記事は株式会社サイオ出版の提供により掲載しています。

 

[出典] 『新訂版 根拠から学ぶ基礎看護技術』 (編著)江口正信/2015年3月刊行/ サイオ出版

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