タブーなのに、患者さんにビビビときてしまった話（前編）｜マンガ・看護師のリアル恋愛レポ（27）

2022/03/02

入院してきた患者さんに感じた、突然の感情！

整形外科病棟で働いているY子さん(26)。脛骨骨折の手術目的で入院したRさん(24)を担当することになりました。「こんにちはー。初めまして…」とY子さんがカーテンを開けてRさんを見た瞬間、ビビビと雷が落ちたような衝撃を感じました。

Y子さんは（えぇ!?何今の!!あれが噂のビビビ!?）と驚いていると、Rさんが「あのーすみません。オレの彼女来てないっすか?」とY子さんに聞きました。Y子さんは（彼女持ちか…ビビビってきたけど彼女持ちならないかぁ）と軽くショックを受けましたが「いや、見てないですよ」と言いました。Rさんはそれを聞いて、「やっぱあいつ怒ってるのかな」とため息をつきました。Y子さんは「何かあったんですか?」と聞きました。

「実はおれ彼女といったスノボーで骨折したんですけど‥」とRさんは話し始めました。ある日彼女のM美さんから「ねーねーR君!スノボー行こうよ!」と誘われましたが、「え～オレ滑ったことないからなー」と乗り気ではありませんでした。しかしM美さんが「付き合う前にM美のいうこと何でも聞いてくれるって言ってたのにー!!嘘つき!」と拗ねると、「わかったよ行くよ。怒った顔も可愛いなぁ～」とRさんはすぐに折れました。スノボー当日。M美さんは毎年行ってて上手ですが、Rさんはボロボロ…。（くっそーM美に良いとこ見せたいのに…）とフルフルしながらも何とか滑るRさん。

すると、坂が見えたので、（よし!あそこでジャンプ決めてやる!）と意気込み、「M美－－－!!」と坂を滑ってジャンプしました。（どうだ?オレ、かっこいいだろ?）と決めたつもりでしたが、「R君!!前!!前!!」とM美さんが叫びました。「え?」と気づいたときにはすでに遅く…

目の前の木に衝突、足を骨折してしまったのでした。「ってことでこんなことに…」「めちゃくちゃベタな展開ですね」とRさんとY子さんが話しました。「次の日彼女の大好きなアーティストのライブを見に行くはずだったのに行けなくなっちゃって。すごい楽しみにしてたからきっと怒ってるんです」とRさんは言いました。

Y子さんは「ライブは残念でしたけど命に別条がなかっただけでもよかったですよ。彼女さんもきっと気持ちが落ち着いたらお見舞いに来てくれますよ」と慰めました。Rさんは「看護師さん…優しいっすね。オレの彼女もこんな人だったらなー」と笑って言い、Y子さんはドキッとしてしまいました。（え、なんかドキドキしてしまう。いやいや彼女とラブラブだしダメダメ!なにより患者さんに恋するなんてタブーだしね）と必死に自分の気持ちを押し殺しました。「彼女さんに元気な姿見せるためにもリハビリと手術頑張りましょう!私もしっかりサポートするので何でも相談してくださいね!」と笑顔を作って言いました。

Rさんは「弱ってる時にそんなに優しいこと言われたら、オレ気持ち揺らいじゃうじゃないですかー」と言い、Y子さんは（こ、これはきっとからかって言ってるんだよね）と勘違いしないように必死です。Rさんの手術当日も彼女はお見舞いに来ず、ひどく凹んでいました。「きっと仕事が忙しかったんですよ」と慰めるY子さんに「いや、SNS見ると友達と飲みに行ってるみたいなんですよね」とRさんが言いました。「あ、ちなみにこれオレのアカウントです。暇なとき見てください」「へーおしゃれな感じだね」とY子さんはRさんのSNSを教えてもらいました。

帰宅後、「どれどれR君のアカ見てみるか」とSNSをチェックするY子さん。そこには彼女との写真も上げていました。「わ～彼女かわいい!ラブラブですやん。彼女のアカも見てみるか」と何気なくM美さんのアカウントも覗いてみると、「女友達とかき氷に行ったよ」と写真を上げていました。「へーすごいおしゃれー。ん?」写真のM美さんが持っているスプーンに反射して誰か写っているのを見つけたY子さん。（これって…男じゃないか?）と気づいてしまったのでした。