看護師派遣とアルバイト・パートとの違い

看護師派遣もアルバイト・パートも、同じ時給制で働くことから、混同されたり、比較されることが多いです。ここでは両者の違いがどこにあるのか、派遣とバイトとどちらの方がお得かを解説します。

この記事のポイント

  • 派遣は派遣会社のスタッフ、アルバイト・パートは勤務先の職員/社員
  • 派遣は時給が高めで休みが取りやすい傾向に
  • 好待遇の理由はアルバイト・パートよりも仕事の専門性が高いから
  • 派遣の看護師になるのは難しくない

派遣とアルバイト・パートでは雇用関係が違う

アルバイト・パートは、勤める医療機関・介護施設の職員として働く直接雇用です。これに対して派遣は、派遣会社に雇用され、医療機関・介護施設に派遣される形態を取ります。

何が違うのかというと、アルバイトやパートの場合は、通常の正職員/正社員のように、福利厚生や待遇・給料などの条件は全て勤務先である医療機関・介護施設のものが適用されます。

ところが、派遣の場合は、派遣会社のスタッフという扱いになるため、福利厚生も待遇・給料なども、すべて派遣会社のものが適用されることになります。

そのため、同じ職場で働くとしても、アルバイト・パートと派遣とでは、働きやすさもお給料も全く違います。

パート・アルバイトよりも派遣の方が時給は高め

勤務地エリアにもよりますが、派遣の平均時給は1200円~2000円以上と、パート・アルバイトより数百円程度高い傾向にあります。その上、派遣は福利厚生が社員並みに充実しており、働き方によっては社会保険にも加入することができます。勤務が半年以上の長期に渡る場合には、有給休暇もしっかり付与されます。

派遣の方が直接雇用よりも休みが取りやすい

勤務先の職員ではなく派遣会社の従業員となるため、職場が休みづらい雰囲気だったとしても、休みを取得しやすい傾向にあります。休みや残業が希望通りに行かない際に、派遣会社が職場との間に立って調整してくれる場合もあります。

同様の理由で職場の人間関係にも巻き込まれにくいですし、万が一、何かトラブルがあった際も、派遣会社の担当者が仲裁や問題解決にあたってくれるため、安心です。

パート・アルバイトよりも優遇されるのは、仕事の専門性が高いから

なぜ、アルバイトやパートと同じ時給制なのに、派遣で働く方が何かと優遇されるのか、疑問に思った方も多いでしょう。

これは、パート・アルバイトに比べて、派遣の看護師の方が、求められる仕事の内容が正職員/正社員寄りだからです。即戦力として、パート・アルバイトよりも専門性の高い仕事を任される対価として、好待遇を得ることができます。

正職員/正社員以外で働きたいものの、仕事のレベルは落としたくない、限られた時間の中で看護師としてのスキルアップは続けたい…という人に、派遣という働き方は選ばれています。

派遣とアルバイト・パートの違い

派遣 パート・アルバイト
給料 時給制 時給制
給与額 1200~2400円以上 800~1800円程度
雇用 派遣会社の従業員 医療機関の職員
専門性の高い仕事
休みの取りやすさ

派遣の看護師になるのは難しくない

派遣の看護師として働き始めるには、

  1. 派遣会社に登録する
  2. 勤務先(派遣先)を決める

の2ステップが必要です。

但し、仕事の専門性が高いからといって、極端に採用が厳しかったり、応募条件が高いわけではありません。求められるのはプロの看護師としての基本的なスキル。つまり、看護師経験がある人なら、派遣登録は可能です。

続いて、勤務先(派遣先)を決める際ですが、派遣には面接での選考はありません。派遣スタッフとして登録している時点で、一定以上のスキルがあるとみなされるため、あとは希望する勤務先との面談・仕事の打合せを行い、派遣就業スタートとなります。

直接雇用に比べると、休みや勤務時間がネックになる度合いも少なく、一般的な看護師の転職よりも採用に至る確率は高いといえるでしょう。条件に折り合いが付かない場合も、派遣会社が派遣先との間に立ち、交渉や調整を行ってくれるメリットもあります。

アルバイト・パートよりも待遇面が充実し、リスクも少ない派遣の看護師。少しなじみのない働き方かもしれませんが、求人も豊富にある今、正社員として勤務が難しくなった場合には、とても有効な選択肢の1つと言えるでしょう。