看護師が派遣スタッフとして働く上で気になること、よくある質問に一つずつお答えしていきます。

目次

看護師派遣のよくあるQ&A

さいごに…気持ちよく看護師派遣で働くための3つのコツ

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看護師派遣のよくあるQ&A

看護師経験が1年でも、登録できる?

もちろんできます。

看護師の資格をお持ちで、看護師として働いた経験のある方ならどなたでもご登録いただけます。

スキルに自信がない場合は、できる業務を元に求人をご紹介しますのでご安心ください。

看護師派遣は違法じゃないの?

2000年代初頭に解禁されました。

以前は禁止されていましたが、2003年から2006年にかけて行われた派遣法改正により、看護師を含む医療従事者の派遣が可能となりました。

2021年(令和3年)からは、離島やへき地の医療機関への派遣、介護施設や社会福祉施設などへの「日雇い派遣」も解禁されています。

看護師派遣のデメリットは?

ずっと同じ職場で働き続けることができないことです。

派遣看護師が同じ派遣先で働ける期間は最大3年と決められているため、ずっと同じ職場でキャリアを積むことはできません

もしも、「派遣で働いて職場のことを気に入ったら、ずっとそこで働きたい」という場合は、派遣期間終了後に正職員/正社員化されることを前提とした「紹介予定派遣」がオススメです。

派遣先で人間関係などのトラブルに遭ったら?

トラブルの詳細を記録し派遣会社に連絡を。

もし職場で人間関係にまつわるトラブルがあった場合、事実関係を正確に伝えるため、「いつ」「どこで」「何があったか」を必ずメモしておきましょう。

その上で、派遣会社の担当者に連絡を。そこから先の調整は、派遣会社に任せましょう。トラブルが悪化しない穏便な方法で、解決を図ってくれるはずです。

職場でサービス残業を求められたら?

「派遣会社との契約上、手当の出ない時間外労働はできない」と伝えましょう。

派遣スタッフに対し、派遣先は残業代などの時間外手当を支払うことが法律で義務づけられています。ですが、中には派遣法にあまり詳しくない人が、知らずにサービス残業をさせてしまうケースも。

事前に残業代が出ない残業を求められた場合も、残業した後でサービス残業にされてしまうような場合も、まず「派遣会社との契約上、手当の出ない時間外労働はできない」と伝えつつ、登録している派遣会社に相談を。

派遣看護師へのサービス残業強要は違法行為であるだけでなく、派遣会社にとっても、医療機関側に契約違反を犯されたことになるため、すぐに改善に乗り出してくれるでしょう。

仕事内容が事前に聞いていたことと違ったら?

すぐ派遣会社の担当者に連絡を。

派遣看護師は、就業条件明示書などで派遣先の業務内容を知らされた上で契約を締結し、派遣就業を開始します。

もしも派遣就業スタート後に契約時と業務内容が異なっていると発覚した場合、それは契約違反に当たる可能性があります。すぐ派遣会社の担当者に連絡しましょう。

多くの場合、派遣先の上司や先輩に派遣契約の内容が知らされていなかったなど、行き違いによって発生するトラブルですので、あとは派遣会社が派遣先と話し合い、解決してくれます。

万が一、派遣会社側に落ち度があった場合には、遠慮なく再発防止と誠実な対応を行うよう、強調して伝えましょう。担当者に相談しても進展がない場合は、派遣雇用契約書に書かれている派遣元責任者に取り次いでもらうと良いでしょう。

派遣先で苦手な仕事を頼まれてしまったら?

「できない」と頭から否定せず「やり方を教えていただけますか」と建設的に。

第一に、苦手な業務や何らかの理由があって行えない業務・手技がある場合、派遣会社への登録時にあらかじめしっかりと伝えておきましょう。派遣会社は、そうした事情を加味した上で、派遣先を紹介してくれます。

登録時に伝え忘れてしまい、就業後に苦手な業務にあたってしまったときは、無理に行って患者さんにもしものことがあっては大変です。

正直に「あまり経験がないのですが」と伝えた上で「やり方を教えていただけますか?」と建設的な態度を示すとトラブルにも繋がりにくいでしょう。健康上・宗教上の理由などでどうしてもできない業務を頼まれた場合は、派遣会社に相談を。

ただし、そもそも派遣は事前に「あなたは何ができるか」「派遣先は何の業務を求めているか」について、双方の意志を確認した上でスタートするのが通常です。

もしも頻繁に、事前に知らされていない業務を依頼されるようなら、派遣会社の担当者に相談してみると良いでしょう。

派遣先から履歴書の提出指示があった…違法では?

派遣会社へまず派遣会社へ連絡を。

原則として、派遣先が受け入れる派遣スタッフを選考することは、法律で禁止されています万が一、派遣就業が正式に決まる前に履歴書を求められたとしても、あなたに提出の義務はありませんすぐに派遣会社に連絡をし、対処してもらいましょう。

派遣で働くにあたって履歴書の提出が必要なのは、派遣会社に登録する際に提出するときだけです。

ただし、紹介予定派遣の場合は例外です。紹介予定派遣は、派遣期間終了後の直接雇用が前提となるため、派遣就業がスタートする前、面談等の段階で、履歴書の提出が必要になります

なお、既に派遣就業がスタートした後に派遣先から履歴書の提出を求められた場合は、選考目的には当たらないため、違法にはあたりません。本人が良いと判断すれば、提出しても構いません。

派遣で働くにあたって履歴書の提出が必要なケースは…

  • × 派遣先への就業決定前の提出
  • 派遣会社登録時の派遣会社への提出
  • 紹介予定派遣の場合の派遣先への提出
  • 就業開始後の派遣先への提出

派遣会社を解雇されることはある?

原則、契約期間中の解雇は認められていません。仮に解雇する場合、30日前までの予告が必要です。

第一に、契約期間中は、たとえ有期雇用の派遣労働者であっても、正当な理由なく解雇することは認められていません。

仮に契約期間中に派遣スタッフとの労働契約を打ち切る場合、派遣会社は解雇日の30日以上前に予告しなければならないとされています。

それができない場合、派遣会社は30日に満たない分の解雇予告手当(平均賃金の100%)を、派遣スタッフに支払わなければなりません。

※ただし「仕事をしない」など、派遣スタッフ側に明らかな落ち度があると認められる場合、契約期間中の解雇が認められる可能性があります。

契約期間満了後に「雇い止め」になることも

契約期間中の解雇とは別に、契約期間満了後に派遣会社から労働契約を更新してもらえないという、いわゆる「雇い止め」というものがあります。

そもそも有期雇用契約は、契約期間の満了によって終了することが予定されているため、これ自体が違法になることはありません

ただし、雇い止めの正当な理由がなかったり、雇い止め以前に何度も契約が更新されており、契約更新への期待が生じていたりといった場合は、雇い止めが無効になるケースもあります

契約満了日よりも早く派遣先から終了を告げられたら、残り期間の日割り給料の6割を受け取る権利がある

派遣看護師の場合、契約の満了日前に派遣先から派遣契約の終了(中途解除)を言い渡されることも。その場合、残り期間の日割り給料の6割が支払われます。また、社会保険も本来の契約満了日まで継続されます。

例えば契約時点では4月1日から6月30日までA病院で派遣として働くことになっていた看護師が、派遣先の事情で契約よりも早い5月31日をもって中途解除を言い渡されたとします。

この場合、看護師を派遣している派遣会社と派遣先の間に取り交わされた派遣契約は前倒しで終了になりますが、看護師と派遣会社の間に結ばれている労働契約は、当初の契約満了日である6月30日まで残ることになります。

この間、派遣スタッフは、労働基準法第26条に基づき、派遣会社から平均賃金の6割以上を休業手当として受け取りながら、すみやかに次の派遣先を探してもらうことになります

また、労働契約が残るため、加入していた社会保険から即外れてしまうようなこともありません。

派遣先との派遣契約が中途解除されても、派遣会社との労働契約は継続する

派遣スタッフは、「派遣会社との間に『労働契約』」を結んでいますが、それとは別に派遣先は「派遣会社との間に『派遣契約』」を結んでいます。

途中で派遣先から終了を告げられた場合、消滅してしまうのは後者の「派遣先と派遣会社の間の『派遣契約』」のみ。看護師と派遣会社の間に結ばれた『労働契約』は当初予定の満了日まで残ることになるのです。

【派遣契約と労働契約は別物】両者は本来であれば2つセットで結ばれており、派遣会社と派遣先の契約期間=派遣会社と看護師の雇用契約期間になる。もし派遣会社と派遣先の派遣契約が中途解除された場合でも、派遣会社と派遣看護師の労働契約は、当初定めた満了日まで継続する。

派遣期間中に妊娠しても、仕事は続けられる?

派遣会社に報告すれば、続けることは可能です。

妊娠した後も、派遣を続けることは可能です。赤ちゃんができたとわかったら、まずは派遣会社にその旨を連絡しましょう。

ごく稀に、妊娠によって契約内容の業務の一部(ベッドから患者さんを車いすへ移すなどの力仕事)ができなくなったことを理由に「時給を下げてほしい」「別の派遣スタッフに変更してほしい」と派遣会社に申し出てくる派遣先もありますが、大抵の場合、配慮の上、継続させてくれる場合が多いです。

健康状態や赤ちゃんを第一に、無理のない範囲で働きましょう

ただし、育休の取得に関しては、注意が必要です。育休の取得には「子が1歳6か月に達する日までに、労働契約(更新される場合には、更新後の契約)の期間が満了し、更新されないことが明らかでないこと」という要件を満たしていなければなりません(※)。

※個別の労使協定で「入社1年以上」「週の所定労働日数が3日以上」などと育休取得の条件を定めている場合もあります。

朝礼や委員会への参加、早出を強要されたら?

ご自分で判断せず、まずは派遣会社に相談を。

そもそも派遣看護師は、朝礼や委員会など時間外に行われる各種業務に参加しなくて良い、とされる場合が多いです。これは、派遣スタッフは時給制で働いているため、委員会や朝礼に参加してもらうことで、その分の給料を支払わねばならないためです。

朝礼や委員会、早出が契約時に取り交わした勤務時間に含まれていない場合は、まず派遣会社に相談してみましょう。ほとんどの場合、派遣先の上司が給与が発生することを知らずに言っていることが多いため、派遣会社から連絡してもらえば、参加せずに済むようになるでしょう。

とはいえ、稀に「その分の給料を支払うから出てほしい」と言われるケースもあります。いずれにせよ、まずは派遣会社の担当者にまずは相談してみましょう。

6カ月以上休まず働いたのに、有給休暇が付かないと言われた!

まずは派遣会社に確認を。納得のいく説明を求めましょう。

まず第一に、雇用形態に関わらず、6カ月在籍し、その間の出勤率が8割以上であれば、所定労働日数に応じた年休を付与しなければならないと、法律で定められています。

契約期間が6カ月以上の長期派遣はもちろん、それ以下の短期派遣でも、同じ派遣会社と継続して契約(※)している期間が6カ月を超え、出勤率が8割以上なら、有給休暇を与えなければなりません。

何かの手違いや間違いの可能性もありますから、まずはすみやかに派遣会社に確認を行いましょう。

中には「給料が高い代わりに有給がつきません」などと虚偽の説明を行う悪質な派遣会社もあると聞きます。6カ月以上継続して勤務し、かつ8割以上を出勤しているにも関わらず「有給は付かない」と言われるようなら、派遣会社ではなく、労働局に連絡を入れ、改善を要望しましょう

なお、雇用主には有給の季節変更権という権利があります。繁忙期に連休を取得したり、契約満了月にまとまって有給消化をしたりなど、派遣先の現場に大きな支障が出る場合は、派遣スタッフは有給取得日を別の日に振り替えなければなりません。有給の取得は、くれぐれも計画的に。

※前の派遣先と次の派遣先の間が1カ月以上空かない程度なら、満了後即就業でなくても継続雇用と見なされます。

さいごに…気持ちよく看護師派遣で働くための3つのコツ

派遣の看護師は、派遣法という法律や派遣会社によって守られているため、直接雇用に比べると、トラブルに巻き込まれにくいと言われています。

ですが、だからと言って慢心は禁物。最低限、次の3つは意識して振る舞うことが、気持ちよく働く上でのポイントです。

1挨拶をする

職場の面倒な人間関係に巻き込まれたくないからといって、いつもぶすっと無愛想にしていては、職場での居心地はよくなりません。

人間関係の輪に必ずしも積極的に加わる必要はないですが、「おはようございます」「お先に失礼します」といった最低限の挨拶や、元気の良い返事など、感じよく振る舞うようには心がけておきましょう。

2職場ではお給料の話をしない

職場では、時給やお金に関する話はしないのが無難です。派遣と正職員/正社員とでは、給与額も待遇も異なります。

「残業もしていないのにあんなにお給料もらってずるい…」など、正職員/正社員から反感を買わないよう、お金の話は万一聞かれても、赤裸々に答えるのは避けましょう。

3時間は厳守する

正職員/正社員の看護師たちは、派遣看護師が時給で働いていることをよく知っています。その分だけ、時間管理に対する目も厳しくなりがち。

勝手に休憩を取ったり、遅刻してきたり…といったことで反感を買わないよう、気をつけましょう。

今まで、看護師として働いてきたあなたなら、決して難しいことではないはずです。上記3つを守って、楽しい派遣看護師ライフを送ってくださいね。

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