自己PRは、履歴書、職務経歴書、面接などさまざまな場面で必要です。自己PRの書き方と例文、面接での伝え方を紹介します。

目次

履歴書・職務経歴書|自己PRの書き方

経験や強みをアピール

1前職では、小児科・整形外科・消化器内科の混合病棟で勤務しており、多くの疾患の患者様に携わることで、幅広い看護の知識とスキルを身につけることができました。

また、多様な疾患を持つ患者様へ適切な看護を提供するために、根拠に基づいた看護の実践を意識し、業務の際はマニュアルを確認するだけでなく、日々勉強に励んでおりました。

そうすることで、患者様のニーズを捉え、その人らしさを大切にしながら入院生活を送っていただくことができたと思います。

貴院でも、看護の根拠を常に持ち、患者様によりよい看護の提供をしていきたいと考えております。

(259文字 1分程度)

自己PRを書くときのポイントは3つ。それぞれチェックしていきましょう。

自己PRは「結論・エピソード・締め」の3段構成で

自己PRは結論・エピソード・締めの3段構成で書く画像

自己PRは、この3つの構成を守って書くことが大切。

冒頭で結論を一言で述べる

自己PRでは、まず結論として自分のアピールポイントを述べます。

アピールポイントは具体的に、

  • 自分の長所・強み・看護観

協調性/責任感/コミュニケーション能力

向上心/体力/観察力/傾聴力

行動力/柔軟性/冷静さ

  • いままで経験した看護

急性期での看護/慢性期での看護

回復期での看護/クリニックでの看護

などが述べられるとよいでしょう。

長所や強みがわからないときは、周囲の人に自分の長所を聞いてみるのもおすすめです。

簡潔にエピソードを述べる

結論で述べたアピールポイントに関する具体的なエピソードを述べます。

このとき大切なのは「簡潔さ」です。アピールしたいあまりに長くなってしまうのはNG

一文が長過ぎたり、たくさんの話を盛り込んだりするとアピールポイントがぼけて、何を伝えたいのかが採用担当者に伝わりません。

志望先の病院でも意欲的に仕事に取り組む姿勢を伝えて締める

自己PRの最後には、「自分のアピールポイントを生かして長期的・意欲的に働きたい」という意思と姿勢を示すことが大切です。

志望先の病院の理念・方針・特徴を調べる

看護部のホームページなどを確認し、理念・方針・施設の特徴などを調べましょう。

自己PRは自分の良いところをアピールするものですが、その内容が希望先の病院と矛盾してしまうのはNGです。

「病院が求める人物像」と「自分のアピールポイント」がマッチしていることで「うちで長く働いてくれるかも」とプラスの印象を与えられます。

キャリアアドバイザー

急性期病院を志望しているときに

「患者さんとじっくりゆっくり関わることが得意です」

などとアピールしてしまうと、「うちの病院のスピード感にはついてこれないかもしれない…」と思われてしまう可能性があるので、気をつけましょう。

最低でも自己PR欄の8割は埋める

履歴書や職務経歴書の自己PR欄は最低でも8割はうめる画像

履歴書や職務経歴書の自己PR欄は、最低でも8割は埋めましょう

書類のチェックが厳しい病院だと、きっちりスペースが埋まっていないだけで不採用になるケースもあります。

履歴書によって枠の大きさや項目も異なるので、自分に合ったものを選ぶとよいでしょう。

また、自己PRはスムーズに読める大きさの文字で書くこと。

小さすぎる文字でギチギチに書いてしまうと、読みづらく、相手の立場になれない人だという印象になることも。

Point!

看護roo!にはスマホやPCで完結できる履歴書作成機能があります。これから履歴書を作成する方は、ぜひ活用してみてください。

履歴書・職務経歴書の作成機能について

例文集|看護師の自己PR

看護師の自己PRの例文の画像

長所&強み&看護観を軸にしたPR

協調性

前職ではチームの中堅的な立場になることが多かったため、常に全体を見渡して、必要なメンバーに必要なサポートをすることを得意としていました。

自分ひとりだけが動くのではなく、お互い助け合える雰囲気づくりのため、普段の声掛けなどでも気を配るようにしています。

上司にも「あなたがいると病棟がうまく回る」と評価いただけました。

貴院でも、この協調性を生かしてチームワークを大切にし、より良い看護につなげたいと思います。

(202文字)

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責任感

責任感が強く、これまで担当した業務や役割はしっかり取り組んできました。

中でも、看護業務委員会の活動として看護手順マニュアルの見直しを担当した際は、メンバーとともに勉強会を開き、そこで学んだ知識・技術を改訂に反映させることができたと思います。

現場目線でイラストにもこだわり、みなさんに「わかりやすい」と言っていただけて嬉しかったです。

貴院でも与えられた役割は責任を持って全うし、しっかりと成果を残せるように頑張ります。

(208文字)

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コミュニケーション能力

これまで4年間、内科病棟で勤務する中で特に意識していたのは、患者様・ご家族との信頼関係をベースにした看護です。

そのため、患者様・ご家族とのコミュニケーションを日頃から大切にしてまいりました。

忙しい病棟業務の中ではありましたが、患者様と話す時間を少しでもつくるように心がけることできめ細やかな対応ができ、退院時に「あなたが担当でよかった」とおっしゃってくださる方もいました。

今後もコミュニケーションスキルをさらに磨き、貴院の掲げる「思いに寄り添った看護」を実践できるように励みたいと思います。

(245字)

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向上心

私は、常に向上心をもって仕事をするよう心がけています。

「いま行っている看護や業務で改善できることはないか」と考えながら看護をすることが、結果的に患者さんのためになると考えているからです。

例えば、院内外のセミナーなどに積極的に参加し、所属する病棟の患者さんへのケアにその知識を応用できないかとメンバーに提案しました。

その結果、実際に業務フローの改善ができたり、病棟で統一した看護が提供できるようになりました。

貴院では未経験の分野での挑戦となりますが、今後も向上心を持ってたくさんのことを学び、発信していきたいと思っています。

(261字)

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体力

普段から運動と健康管理を徹底しており、体力には自信があります。

そのため、看護師になってからの2年間、一度も体調不良で休んだことがありません。

中学時代からテニスを継続しており、院内のサークルで大会に出場した経験もあります。

そのおかげで、病棟内外の多職種のスタッフとも親交を深めることができ、チーム医療をする上でコミュニケーションがとりやすくなりました。

貴院でも、休むことなく毎日の看護と勉強に励み、たくさんの方とのコミュニケーションを大切にして医療を提供したいと考えています。

(237字)

 

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観察力

私はこれまで「観察力がある」と同僚や先輩から言われることが多くありました。

脳外科病棟に勤めているため、お話をしてコミュニケーションをとることができない患者さんの異常を発見するためには、普段の表情や検査値などのデータを知っておく必要があります。

「何かおかしい」と感じたときにはまず全身状態をチェックし、チームで相談しながら臨機応変に対応しています。

貴院では重症度の高い患者さんが多く入院されているため、観察力を活かして、患者さんにとって安全に過ごせる環境を作りたいと考えております。

(239字)

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傾聴力(寄り添い)

消化器外科病棟で3年間勤務しており、がん患者様の気持ちをお聞きする機会が多かったため、自然と傾聴スキルを身につけることができました。

患者様が話しやすいように、さり気なく言葉を掛けるのが得意で、お話を聞く際は相手の言葉をさえぎらず、まずは患者様の気持ちを受け止めることを心がけておりました

患者様から「あなただから話せた。気持ちが軽くなった」と感謝の言葉をいただくことがよくあります。

貴院でも、傾聴力を生かし、患者様の不安を少しでも和らげられるよう努めていきたいと考えております。

(238字)

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行動力

私の強みは、周囲を巻き込んで行動できるところです。

一番その力を発揮したのは、私から呼びかけて院内コンサートを開催したときです。

楽器を演奏できる人の募集から練習のスケジュール管理、職種や年齢の異なるメンバーの取りまとめまで全て自身で行い、無事に成功させました。

患者様やご家族に喜んでいただけましたし、多職種で協力して一つのことに取り組めたことは良い経験になりました。

貴院でも、行動力を生かし、さまざまなことにチャレンジしていきたいと考えております。

(223字)

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柔軟性

これまで医療安全管理チームで働いてきましたので、自分のやり方にこだわらず、多職種の意見を聞き、実践できる改善策を柔軟に考えるのが得意です。

それぞれの部署で抱えている課題やマンパワーは異なりますので、事情を聞いた上で、どうすれば医療安全を守れるかを一緒に考えるようにしています。

貴院でもこうした柔軟性を生かし、どのような部署に配属されても、さまざまな人の考え方や状況を踏まえながら多職種と協働し、より良い看護の提供に努めていきたいと考えております。

(223字)

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冷静さ

私の強みはどんなときでも冷静に対処できるところです。

たとえば、患者さんの急変に遭遇したとき、医師への報告や必要な物品の準備など、「今しなければいけないこと」を冷静に判断し、慌てず行動に移すことができます。

医師からも「あなたのおかげで助かった」と言っていただいたこともあります。

貴院でも、こうした冷静に対応できる力を活かして、多くの患者様に安心して過ごしていただけるような看護を提供していきたいと思います。

(202字)

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いままで経験した看護を軸にしたPR

急性期での看護の経験

これまで循環器外科3年間勤務しておりました。そこでは、患者さんの状態をいち早く理解し、スピード感を持って仕事をすることが求められていました。

循環器外科では、術後管理を厳密に行う必要がある患者さんが多いため、さまざまなデータからアセスメントする力を磨くことができました。

たとえば、心電図から不整脈の所見が疑われた場合、今後起こりうる治療の選択肢を考えながらメンバーや医師とタイムリーに相談することで、次のケアに活かすようにしていました。

今後も素早いアセスメントと行動力で患者さんに安心して過ごしてもらえるような、質の高い看護に貢献していきたいと思っています。

(278字)

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慢性期での看護の経験

これまで慢性期病棟で日々多くの患者様に向き合ったことで、患者様の小さな異常を機敏に察知することができるアセスメント力が身につきました。

自分からの訴えがあまりない患者さんに対して、検査値データなどの客観的指標はもちろん、普段接している中での些細な行動や「いつもより表情が暗い」といった変化を観察することで、その時々に合った看護が提供できるように心がけていました。

また、慢性期の患者さんといっても急変には常に備えて置かなければならないため、急変時対応の勉強会に参加したり、ICLSを受講したりすることで自己研鑽を欠かさずに行ってきました。

貴院でもこうしたアセスメント力を活かして、常に患者さんの変化をキャッチし、患者様に合わせた看護を行っていきたいと思っています。

(330字)

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回復期での看護の経験

回復期リハビリテーションで2年間勤務し、患者様と根気強く向き合うことを継続してきました。

リハビリに対して消極的な患者様にも「少しずつでもいいから一緒にやってみましょう」と声をかけ続けました。

その結果、徐々にリハビリに取り組んでいただけるようになり、最後には「◯◯さんが励ましてくれたから頑張ることができた」と言っていただき、そのときの嬉しさは今でも印象深く残っています。

貴院でも、患者様自らが積極的に治療に取り組めるよう、精神的にもサポートできる看護師として活躍したいと考えています。

(242字)

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クリニックでの看護の経験

4年間勤めたクリニックでは、地域の患者様と密に接することで、寄り添う看護を実践するスキルが身につきました。

継続した受診行動ができずに入退院を繰り返している患者様がいて、地域医療支援病院と連携して支援をしたことがありました。

その経験から、地域の方々のもっと身近で健康で生活するための支援をしたいと感じるようになりました。

これからは、保健師資格も活かしながら、保健指導などを通じて受診行動の重要性を促したり、不安がある方には丁寧にヒアリングしながら寄り添い、地域の健康づくりを支えていきたいと考えています。

(251字)

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ブランクがある場合

私は、出産・育児を経験したことで、人の命を預かる責任感をこれまで以上に強く持つことができました。

育児中でもできることはなんだろうと考え、育児の合間を縫って専門書を読んだり、親に子どもを預けられそうなときは積極的にセミナーに参加したりと、看護の知識をアップデートするように心がけていました。

これからも、人の命に関わる責任感を持ち、知識をスキルと積極的に得ることを継続し患者様に寄り添える看護師を目指していきたいと考えております。

(213字)

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面接での自己PRはどうする?

面接といえば自己PR!という感じがしますが、実は看護師の面接では「自己PRをしてください」という聞き方はあまりされません。

その代わりに、「あなたの長所と短所を教えてください」「あなたはどんな性格ですか?」「あなたの強みはなんですか?」という聞き方をすることが多いです。

このように質問されたときは「長所・強み・性格≒自己PR」と考えられるので、履歴書に書いた自己PRの内容を思い出しつつ答えればOKです。

答える時間は1~2分程度がよいでしょう。300字程度であれば、1分半ほどで話せます。

面接の自己PRも3段構成で伝えると、伝えたいことをスムーズに理解してもらえます。

  1. 冒頭で結論を一言で述べる
  2. 簡潔なエピソードを述べる
  3. 希望先の病院でも意欲的に仕事に取り組む姿勢を伝えて締める

看護師の転職ガイド 転職活動がぐっと楽になる便利なガイド