新卒で就職する病院は、看護師としてのスタートを切る大切な場所。
後悔しない就職先を選ぶために、どんな基準で病院を見ればいいのか、「病院選びのポイント」のポイントを解説します。
あなたが特に重視したいポイントは何か、優先順位を考えてみましょう。
「やりたい看護」で選ぶ

病院選びでまず考えたいのは、「どんな看護がしたいか」という軸です。
- 高度医療を提供する現場で学びたい
- 急性期で幅広く経験を積みたい
- いつか在宅にも挑戦しやすい環境のある病院が良い
興味・関心にマッチする病院を選ぶことで、やりがいを持って働き続けられます。
「やりたい看護」の病院選びのヒント
- 希望の診療科がある病院か
- 診療科がどのくらい細分化・専門特化しているか
- 病院の種類、医療機能による特徴は?
病院ごとの看護の特徴を知っておこう!
病院には、医療機能や開設主体、病院の役割などの違いがあります。
これらの違いによって提供する看護の特徴も異なるので、知っておくことで、あなたの「やりたい看護」に合った病院が見つけやすくなります。
医療機能
| 特徴 | |
|---|---|
| 高度急性期機能 (看護配置:2対1、4対1、7対1) | ・診療密度※が特に高い医療を提供 ・患者さんの重症度・緊急度が高い ・緊張感のある現場で、冷静な判断力やアセスメント力が求められる |
| 急性期機能(看護配置:7対1、10対1) | ・全国の入院ベッドの半数に当たり、看護師の働く場所としては一番メジャー ・急性期患者さんの早期安定化に向けた医療を提供 |
| 回復期機能(看護配置:13対1、15対1) | ・在宅復帰に向けた医療、リハビリテーションを提供 ・退院後の生活を見据えた関わりが多い |
| 慢性期機能(看護配置:20対1) | ・ADLや認知機能が低下した高齢者など、長期的な療養や介護が必要な患者さんに対応 ・日常生活の援助がメインで、突発的な対応は少ない環境 |
開設主体
| 特徴 | |
|---|---|
| 大学病院 | ・専門性の高い高度 ・先進医療を担う ・多くが特定機能病院に指定 ・教育や研究にも力を入れている ・国公立大学の看護師は「みなし公務員(準公務員)」となり、公務員と同じ待遇が適用 |
| 国立・公立病院(ナショナルセンター、〇〇県立病院など) | ・国や自治体が運営 ・国立は特に高度な医療の研究・提供を担う ・公務員と同じ待遇が適用 |
| 公的病院(日本赤十字、JA厚生連、済生会など) | ・国公立の病院以外で公的な役割を担う団体が運営 ・グループ病院が全国にあることが多い ・救急・災害・へき地医療など政策医療に関する役割も担う |
| 民間病院(医療法人、企業など) | ・全国にある病院の約8割に当たる ・都市部に集中 ・病院ごとに規模や方針が異なり、働き方は法人それぞれ |
病院の役割
| 特徴 | |
|---|---|
| 特定機能病院(400床以上) | ・高度な医療や研究を行う ・大学病院が多く含まれる ・最先端の医療と高度な専門性を学べる ・慌ただしさやプレッシャーを感じる場面も |
| 地域医療支援病院(200床以上) | ・地域のかかりつけ医を支援する役割を持つ ・地域の中核病院として紹介患者や救急患者を受け入れる ・バランスの良い規模で、研修体制が整っていることも多い |
| 一般病院(20床以上) | ・地域密着型の医療を提供 ・ほとんどの病院が分類される ・専門病院から総合病院まで幅広く、規模は病院によってさまざま ・大学病院ほど診療科が細分化されていない傾向 |

機能別やこだわりの特徴別に病院を探してみよう
「勤務地・通いやすさ」で選ぶ
「どこで働きたいか」という地域・エリアというポイントも、病院選びでは重要です。
- 自宅から通える距離で働きたい見出し
- 東京や大阪などの大都市で働きたい
- Uターンで地元に帰って就職したい
自分の希望に合うエリアから就職先の候補を絞りましょう。
「勤務地・通いやすさ」の病院選びのヒント
- 就職をきっかけに1人暮らしをする場合
→ 看護師寮のある病院がおすすめです。病院見学会などで看護師寮についても確認しましょう。 - 通勤距離を広げて探す場合
→ 通勤時間の上限を決めておきましょう。選択肢を広げるうちに通勤距離が遠くなり、入職した後に「やっぱり通勤が大変だった」というケースも。 - 東京や大阪など大都市圏を希望する場合
→ 選考時期に注意しましょう。都市部では、新卒の選考が年々早まっており、3~4月などの早い時期に終了する病院もあります。
「キャリアプラン・教育体制」で選ぶ

やりたい看護と合わせて、「将来どんな看護師になりたいか」というキャリアプランも病院選びの大切な基準です。
- 認定看護師の資格を取り、スペシャリストを目指したい
- 急性期から慢性期まで幅広く対応できる看護師になりたい
- いずれ訪問看護に挑戦したい
新人教育や2年目以降にどんなステップアップができるのか、教育・研修制度も確認したいポイントです。
「キャリアプラン・教育体制」の病院選びのヒント
- スペシャリストを目指すなら
→ 専門・認定看護師が多くいる病院、資格取得支援制度がある病院などをチェックしましょう。 - ジェネラリストを目指すなら
→ 幅広い診療科がある病院、急性期と回復期や慢性期など複数の医療機能が経験できるケアミックス病院などをチェックしましょう。 - 教育体制を重視するなら
→ 新人研修プログラムやクリニカルラダー研修の整った病院をチェックしましょう。あなたの学習スタイルと合いそうかもポイントです。
「人間関係・雰囲気」で選ぶ

職場の人間関係や雰囲気は、働きやすさを大きく左右する要素です。人間関係のストレスが理由で離職する看護師も多く、病院選びで見落とせないポイントと言えます。
看護師同士のコミュニケーションが取りにくい環境だと、新人看護師にとっては「先輩に相談しづらい」と感じるかもしれません。
人によって合う合わないは異なるので、インターンシップや病院見学会などで実際の雰囲気を確かめておくのがおすすめです。
「人間関係・雰囲気」の病院選びのヒント
- インターンシップや病院見学会で感じた看護師の表情・コミュニケーションの様子は?
- 同じ学校出身など先輩看護師のクチコミは?
- 新卒の離職率は?(平均は9~10%)

病院の見学会・インターンシップに行ってみよう
「待遇・福利厚生」で選ぶ

看護そのものの「やりがい」だけでなく、給料などの待遇面や福利厚生の充実度も、働くモチベーションを維持するうえで重要です。似た条件の病院で迷っている場合、最終的に収入が良い方を選ぶという考え方もあるでしょう。
努力に見合う給料が得られるか、休日数や残業時間は希望する働き方に合うか、結婚・出産などのライフイベントがあっても働き続けられる環境があるかなど、しっかり検討しましょう。
「待遇・福利厚生」の病院選びのヒント
- 初任給の金額と内訳(夜勤手当の金額など)
- 年間休日数や有給取得率は?
- 看護師寮、院内保育所、保養施設などの福利厚生は?

看護師寮のある病院を探してみよう
病院選びで迷ったらどうする?
病院選びの軸で迷ったときは、自己分析をして自分の価値観を見つめ直したり、先輩看護師に意見を聞いたりするのがおすすめです。
自己分析してみよう
病院選びで迷ったときは、自己分析を通じて自分の考え方や大切にしている価値観を言葉にしていくことが大切です。
- STEP1:実習・学生生活をふりかえる
- STEP2:印象に残った場面から「価値観」を見つける
- STEP3:「強み」と「弱み」を言葉にしてみる
- STEP4:「自分にとっての看護」を考える
- STEP5:自分に合う病院を分析する
これらのステップを踏んで自分自身を深く知ることで、判断がしやすくなります。
先輩たちはどうやって病院を選んだ?
実際に病院を選んだ先輩たちの声も、迷ったときのヒントになります。
看護roo!のアンケートによると、先輩たちが病院選びで重視していたポイントは以下の通りでした。
先輩看護師が就活で1番重視したポイントは?(投票数3,912票)
- 立地・通いやすさ(39%、1527票)
- 給与・待遇・福利厚生(15%、610票)
- 人間関係・職場の雰囲気(9%、377票)
- やりたい看護・やりがい(7%、278票)
- 実習先だった(6%、248票)
- 教育・研修体制(6%、238票)
- 休み・勤務体系(3%、141票)
- 規模・設備(2%、108票)
- その他(9%、385票)


このような理由から、立地・通いやすさを重視する人が多いようです。
出身校から探せる各病院の先輩看護師のインタビューもぜひ参考にしてみてください。
まとめ│納得のいく選択のために
看護学生が就職先を選ぶときは次の5つがポイントとなります。
- やりたい看護
- 勤務地・通いやすさ
- キャリアプラン・教育体制
- 人間関係・雰囲気
- 待遇・福利厚生
すべてが希望通りの職場はなかなかありません。
どれを優先したいのか、自分にとって働きやすい環境はどんな場所なのかなど、少しずつ絞り込んでいくことが病院選びで後悔しないコツです。
そのためにも、気になる病院の見学会・インターンシップには積極的に参加して、判断材料となる情報を集めておきましょう!

病院の見学会・インターンシップに行ってみよう




