看護学生のみなさんは病院実習が終わった後、「お礼状って出したほうがいいのかな?」「どう書けばいいの?」と迷うこともあるかもしれません。
この記事では、病院実習のお礼状を出す意味、出す時期の目安、そのまま使える例文を解説します。ぜひ参考にしてください 。
お礼状を出す理由って?いつ出す?

お礼状は、実習でお世話になった方々への感謝の気持ちを伝えるものです。まずはお礼状のキホンを確認しましょう。
出すタイミングは「できれば3日以内」が基本
基本的には、実習が終わってから「3日以内」に届くように送るのが理想です。遅くとも1週間以内がよいでしょう。
それよりも遅れてしまった場合は、「お礼が遅れて申し訳ございません」などお詫びの一文を入れると印象が和らぎます。
就活的にも出した方がいい?
絶対に「出さなきゃいけない」というルールはありませんが、特に、実習先が将来の就職先になる可能性がある場合、 出しておいて損はありません。
形式的で面倒に感じるかもしれませんが、 「お礼をきちんと伝えられる=人間性・社会性がある」と好印象を残すチャンスにもなります。
お礼状はメールでもいい?
メールがNGというわけではありません。ただ、手書きのお礼状は誠意が伝わりやすく、記憶に残りやすいというメリットがあります。可能なら手書きがおすすめです。
【例文】病院実習のお礼状の書き方
病院実習のお礼状の書き方のポイントと、すぐに使える例文を季節や状況別にまとめました。
この例文を少し自分色に変えるだけで気持ちは十分に伝わります。実習期間中は毎日の記録物と課題でヘトヘト…。無理せず例文を活用してみてください!
基本の構成とマナー
病院実習のお礼状は「前文・主文・末文」の3つの構成で書くとスムーズです。

病院実習のお礼状 3つの構成
- 前文:時候の挨拶+自己紹介(◯月◯日〜◯日まで実習でお世話になった◯◯です)
- 主文:実習で学んだことへの感謝と印象に残ったエピソード
- 末文:今後の決意やお礼の言葉、締めの挨拶、署名など(ご多忙の中〜)
次に、季節や状況に応じて3つの例文も用意しました。
例文①:5月の実習(春〜初夏)
拝啓 新緑の候、◯◯病院の皆様にはますますご清栄のこととお慶び申し上げます。◯月◯日から◯日までの間、貴院で実習をさせていただきました、◯◯看護学校◯年の◯◯と申します。
実習中はご多忙な中、貴重なご指導を賜りまして誠にありがとうございました。 臨床現場での貴重な経験を通じて、看護師としての責任の重さやチーム医療の大切さを実感することができました。特に印象に残ったのは、患者様一人ひとりの状況に合わせた細やかな対応です。皆様の真摯な姿勢から、自身の課題と成長の方向性を見出すことができました。 この実習で得た学びを大切に今後も研鑽を重ね、患者様に寄り添える看護師になれるよう努力してまいります。季節の変わり目、ご自愛くださいませ。
敬具
令和◯◯年◯◯月◯◯日
◯◯看護学校 看護学科
◯◯ ◯◯(氏名フルネーム)
例文②:11月の実習(秋〜初冬)
拝啓 晩秋の候、貴院の皆様にはますますご清祥のこととお慶び申し上げます。◯◯看護学校◯年の◯◯と申します。先日は実習の機会をいただき、誠にありがとうございました。 実習を通じて、患者様一人ひとりに寄り添った看護の重要性や、チーム医療における看護師の役割について多くの学びを得ることができました。特に、指導看護師の皆様の的確なご指導のもと、日々の看護実践の中で患者様の状態を注意深く観察し、個別性に応じた看護ケアを計画・実施することの重要性を深く認識いたしました。 ご多忙の中、◯◯看護部長様をはじめ看護部の皆様に丁寧にご指導いただいたことに心より感謝申し上げます。学んだことを今後に活かし、より良い看護ができるよう一層勉学に励んでまいります。 末筆ながら、貴院の皆様のご健康とご活躍をお祈り申し上げます。
敬具
令和◯◯年◯◯月◯◯日
◯◯大学 看護学科
◯◯ ◯◯(氏名フルネーム)
例文③:志望病院へのお礼状
拝啓 ◯◯の候、貴院におかれましてはますますご発展のこととお慶び申し上げます。◯◯看護学校◯年の◯◯と申します。 このたびは、実習の機会をいただき、誠にありがとうございました。実際の臨床現場での経験を通じて、常に患者様の安全と安楽を第一に考えた丁寧な対応に深く感銘を受けました。特に印象に残ったのは、多職種間での緊密な情報共有の姿勢です。◯◯看護部長様が掲げられている「◯◯◯◯◯」という理念が、病院全体で見事に実践されていると感じました。 私自身、貴院のような環境で成長していきたいと強く感じております。貴院の一員として患者様の早期回復と社会復帰を支援できるよう、残りの学生生活でさらに研鑽を重ねてまいります。日々の業務でお忙しい中、丁寧にご指導いただき、心より御礼申し上げます。
敬具
令和◯◯年◯◯月◯◯日
◯◯看護学校 看護学科
◯◯ ◯◯(氏名フルネーム)
封筒・宛名・送付マナーも確認しよう
意外と迷いがちな封筒や便箋の選び方、宛名の書き方もマナーとして押さえておきましょう。

封筒のマナー
- 白無地の封筒(縦型・長形4号)が一般的
- 住所は郵便番号の下に少し空けて書く
- オモテには正式な法人名で「医療法人◯◯会 ◯◯病院 ◯◯部 ◯◯様」、ウラには自分の住所・学校名・学年・名前を記載
- 封筒の裏面、綴じ目に「〆(しめ)」または「封」と書く
宛名のマナー
- 宛名は中央に大きく
- 個人名がわかっている場合 →「◯◯様」(フルネームで)
- 部署名のみの場合 →「◯◯科 御中」
- 複数人宛ての場合 → 「◯◯科 御中」に統一するか、「◯◯様、◯◯様」と全員に「様」をつける(「◯◯、◯◯様」にはしない)
便箋などのマナー
- 便箋は白系のシンプルなものを使う(キャラものや柄入りは避ける)
- 黒のボールペンか万年筆で、丁寧に手書き
- 折り方は三つ折りで、「拝啓」が上にくるように折る(文字が上下逆にならないように注意)

ありがちNG表現&やってしまいがちなミス
せっかく感謝を伝えるお礼状も、マナー違反や誤解を招く表現があると台無しに。気をつけたいポイントを確認しておきましょう。
NG例と理由
- 「とても楽しかったです!」 → 軽すぎてふざけている印象になる可能性あり
- 「いろいろ勉強になりました」→ 抽象的で印象に残らない
- 「またお会いできると嬉しいです」→ 就職選考を意識していると思われることも
よくあるミス
- 「前文」がなく、いきなり本文から始めてしまう
- 封筒の宛名に「◯◯様 御中」と両方つけてしまう(どちらか一方で)
- 文字が薄い、にじんでいる、封筒がシワくちゃ
まとめ|気持ちが伝わるお礼状で、実習の学びを次につなげよう
病院実習でお世話になった方々に、あらためて感謝を伝えるのがお礼状の目的です。あまり難しく考えすぎず、「感謝の気持ちを、きちんとカタチにする」ことを意識すれば大丈夫。
書き方や形式が不安でも、ここで紹介したようなポイントやマナーを押さえていれば安心です。
丁寧なお礼状は、きっと相手の心に残ります。そして何より、自分自身の成長にもつながる大切な一歩になるでしょう。あなたらしい言葉で、素直に気持ちを伝えてみてくださいね。

でも私の友人は、お礼状の内容を看護部長が覚えていて、採用面接のときに『あの時の学生さんね』と言われたそうです。
実習中は大きなミスをしてしまったそうですが、お礼状に『ミスを通して医療安全の重要性を学びました』と正直に書いたことが、かえって誠実さを伝えられたようでした。お礼状、侮れないですね!

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