社会人から看護師を目指すのは今さら遅い?
最短で資格を取るにはどうすればいい?
看護師を目指して後悔しない…?
このように、看護師へのキャリアチェンジを考えるうえで、気になることは多いでしょう。
この記事では、社会人から看護師を目指す方に向けて、最短で資格を取るためのルートから、学費の支援制度、後悔しないために知っておきたい注意点まで、徹底解説します。
社会人から看護師を目指す人は少なくない

「社会人経験者が看護系学校に通うと浮いてしまうかも…」と心配する方もいるかもしれません。
しかし、実は、20歳以上の人が看護系学校に入学するケースは決して珍しくなく、30代、40代から看護師を目指す人も少なくありません。
2025年度の看護専門学校(3年課程)の入学者を年代別に見ると、20歳未満が多いものの、幅広い世代が看護師を目指していることが分かります。
看護専門学校(3年課程)の入学者
- 20歳未満:17,311人
- 20代:2,175人
- 30代:927人
- 40代以上:455人
看護専門学校(3年課程)の入学者
- 20歳未満:17,311人
- 20代:2,175人
- 30代:927人
- 40代以上:455人
一方で、看護大学は、入学者のほとんどが20歳未満です。
なるべく同世代と一緒に学びたい人は、看護専門学校(3年課程)の環境が合っているかもしれません。
最短ルートは?社会人が看護師になるための3つの進

社会人から看護師を目指す場合、進学ルートは大きく3つに整理できます。
- できるだけ早く看護師として働きたい
→ 看護専門学校・短期大学(3年)に入学 - 将来のキャリアアップも視野に入れたい
→ 看護大学(4年)に入学 - 仕事を続けながら、段階的に資格を取りたい
→ 准看護師養成所(2年)に入学(准看護師資格を取得)
どのルートを選んでも、まずは看護系学校に入学することになるので、学力試験や面接などの入学試験をパスしなければなりません。
学校によっては、一般の受験生とは別の試験科目で受けられる「社会人入試」を設けています。
気になる学校の候補が見つかったら、「募集要項」を確認してみましょう。
1. 最短で目指す「看護専門学校・短期大学(3年)」ルート
社会人から看護師を目指す人の中で、もっとも多く選ばれているのが3年制の看護専門学校です。
高校卒業以上の学歴があれば受験でき、社会人から看護師を目指すルートの中では最短で、看護師国家試験の受験資格を得られます。
- 特徴
看護師国家試験の合格と、現場で必要とされる実践力の習得に重点を置いたカリキュラムが組まれています。なるべく早期に看護技術を習得することが重視され、カリキュラムのほとんどが専門科目と実習で構成されています。 - メリット
最大のメリットは、最短3年で看護師を目指せる点です。大学に比べて修業年限が1年短いため、1日でも早く資格を取得し、看護師としての収入を得たい社会人にとっては現実的な選択肢といえます。また、大学より学費が抑えられる場合が多い点も魅力です。 - 注意点
多くの看護専門学校は全日制(昼間)で、平日の日中は授業や実習が組まれています。そのため、在学中に仕事を続けるのは難しく、学業を優先する生活に切り替える必要があります。事前に生活費や働き方について計画を立てておくことが重要です。
2. 将来のキャリアを重視する「看護大学(4年)」ルート
看護技術だけでなく理論や背景知識も深く学びたい人・将来のキャリアの幅を広げたい人には、4年制の看護大学が向いています。
専門学校・短期大学と同じく高校卒業以上の学歴があれば受験できます。
- 特徴
看護大学では、実践的な技術の習得に加えて、一般教養科目や看護理論、看護管理学など幅広い知識を学ぶことができます。理論と実践の両面から看護を学ぶため、看護師としての基礎力をじっくり養えるのが特徴です。 - メリット
卒業時には「学士」の学位が得られ、保健師や助産師の国家試験受験資格を同時に目指せる大学もあります。また、病院によっては大学卒のほうが基本給が高く設定されているケースがあるほか、将来的に認定看護師や専門看護師などを目指す際にも有利です。 - 注意点
修業年限が4年と長く、専門学校に比べて学費も高い傾向があります。また、専門学校・短期大学と同じく、働きながらの通学はハードルが高めでしょう。
3. 働きながら段階的に進む「准看護師養成所(2年)」ルート
「どうしても仕事を辞めて学業に専念するのは難しい…」という社会人には、准看護師から正看護師を目指すルートがあります。
- 特徴
准看護師養成所は、授業が週に3日の全日制、平日の午後や夜間に授業を行う半日制の学校があるため、働きながらの通学が可能です。准看護師の資格取得後は、准看護師として働きながら正看護師を目指せます。 - メリット
働きながら通学でき、他のルートより学費が抑えられる可能性もあるため、金銭面の負担を減らせます。また、2年で准看護師の資格を取得できるため、他のルートより早く臨床現場を経験できます。 - 注意点
正看護師を目指す場合、さらに2~3年の通学が必要となるほか、働きながらの通学は体力的な負担が大きくなりやすいです。
准看護師から正看護師になる具体的な方法や進学条件、働きながら目指す場合の注意点については、以下の記事で詳しく解説しています。
看護師になるために必要な費用は?
社会人から看護師を目指す場合の学費や、利用できる支援制度を紹介します。
学費の目安
| 進路 | 学費総額(概算) |
|---|---|
| 看護専門学校 | 約250万〜400万円 |
| 看護短期大学 | 約300万〜400万円 |
| 看護大学 | 約250万〜700万円 |
| 准看護師養成所 | 約100万〜150万円 |
上記はあくまで目安であり、学校や地域によって差があります。
気になる学校の最新の募集要項を調べて、学費以外にも、教科書代やユニフォーム代など諸経費の負担額も確認しましょう。
利用できる給付金・奨学金制度
「看護師を目指したいけど学費が…」と費用面に不安を抱えている人は多いかと思います。
社会人から看護師を目指す場合におすすめなのが、病院の奨学金です。
病院が独自に学費を貸与する制度で、卒業後にその病院で働くことで返済が免除になります。
多くの病院が制度を設けているので、実際に探してみましょう。

奨学金制度のある病院を探してみる
そのほかにも、給付金・奨学金の制度があります。以下もぜひ確認してみてください。
- 専門実践教育訓練給付金(厚労省)
働いている(または離職後1年以内の)方が対象で、条件を満たせば学費の一部(最大で年間64万円まで)が支給される
出典:教育訓練給付制度|厚生労働省 - 看護師等修学資金貸付制度(各自治体)
各都道府県や市区町村が実施する制度で、卒業後に指定された施設で一定期間勤務すれば返済が免除される場合も
出典:看護師等修学資金貸与事業|東京都保健医療局 - 日本学生支援機構の奨学金(JASSO)
幅広い学生が利用できる代表的な奨学金制度で、返済不要の「給付型」と、返済が必要な「貸与型」がある
出典:奨学金制度の種類と概要|日本学生支援機構 - 高等職業訓練促進給付金(こども家庭庁)
ひとり親世帯の方が資格取得を目指して学ぶ際に、月額10万円(住民税非課税世帯の場合)などの生活費が支給される
出典:高等職業訓練促進給付金等事業について|こども家庭庁 - 通信制課程進学者に対する奨学金(日本看護協会)
准看護師を目指す人向けの奨学金制度で、返済は必要だが、無利息で就業先や住まいなどの制限がない
出典:看護師学校養成所2年課程(通信制)進学者に対する奨学金|公益社団法人日本看護協会
社会人から看護師になるメリット

時間や費用はかかりますが、社会人から看護師になることで次のようなメリットがあります。
「国家資格」という安心感
看護師は、専門性の高い「国家資格」であることが一番の魅力です。
景気や業界の動向に左右されにくく、長期的に高い需要があることが見込まれています。
ブランクがあっても復職しやすいケースが多く、将来の選択肢を持ち続けやすい職業といえるでしょう。
年収500万円超の安定した収入が目指せる
厚生労働省の「令和6年賃金構造基本統計調査」によると、看護師の平均年収は519万7000円です。
夜勤手当を含みますが、全職種の女性の平均年収419万4000円と比較しても高い水準といえ、安定した収入につながりやすいです。
ライフスタイルに合わせて柔軟に働ける
看護師の職場は「夜勤ありの病院勤務」以外にも、実は多様な選択肢があります。
日勤のみのクリニック、地域に根ざした訪問看護、企業の健康管理室など、自分のライフステージや体力に合わせて職場を柔軟に選べます。
体力のあるうちは夜勤ありの病院、年齢や経験を重ねたら企業といった働き方が可能です。
後悔しないために知っておきたい3つのポイント
看護師を目指したことを後悔したくないという人に向けて、事前に知っておきたいポイントを3つ紹介します。
学校選びが進学後のモチベーションを左右する
学校選びは、無事に看護師になれるかどうかを左右する大切な選択です。「自宅から近いから」「学費が安いから」という理由だけで決めてしまうと、入学後に「思っていた環境と違う」とモチベーションが続かなくなることがあります。
学校を選ぶ際は、以下の4点もチェックしておけると安心です。
- 社会人比率
周りに社会人経験者がいないと、「自分だけ年上で浮いている」という孤独感を感じることも多いです。同じ境遇の仲間がいると、モチベーションが維持しやすくなります。 - 奨学金制度の実績
病院奨学金が使いやすい環境かどうか、学校独自の奨学金制度はないかなどを確認しておきましょう。経済的な不安が解消されるだけで、学業に集中できます。 - 実習先
実習先がそのまま就職先になるケースも少なくありません。通いやすい場所にあるかどうかも重要です。 - 国家試験の合格率
各校の合格率を比較すると、教育の質が高いかどうかの目安となります。極端に低い学校は避けたほうが無難でしょう。
免許取得はハードな道のり
看護学校での生活は、学ぶことが多くハードです。
専門知識を覚えながら、病院での実習で看護技術を身につけ、その後は国家試験の対策や就職活動が控えています。
働きながら看護師を目指す人は職場、家庭がある方は家族など、周囲からの理解も必要です。
現場の「リアル」に備えておく
看護師は人の命を預かる専門職であり、責任の重さや忙しさから、精神的・体力的に負担を感じることも少なくありません。
病棟勤務では夜勤や不規則なシフト制が基本となるため、これまで日中の仕事をしてきた方は、慣れるまで体調管理に気を配る必要があります。
また、自分より年下の先輩から指導を受ける場面も多くなるため、柔軟に学ぶ姿勢が重要です。
知人に看護師がいる人は、目指す前に一度話を聞いておけると現場のイメージがつきやすく安心です。
後悔しない選択のために情報収集から始めよう
高齢化社会が加速する中、看護師は今後も必要とされ続ける職業であり、安定したキャリアが築けます。
ただ、社会人から看護師になるには強い意志と努力が必要で、簡単な道ではありません。
後悔しないためにもまずは看護系学校や気になる病院の情報を集めて、一歩を踏み出してみましょう。





