新卒看護師の就活では「単願(専願)のみ」「実習先の内定辞退NG」など、学校が特別なルールを設けるケースがあります。
「内定を辞退したいけど、学校に迷惑をかけてしまうかも…」
「どうしても併願で受けたいけど、やっぱりダメかな?」
などと悩んでいる人もいるかもしれません。
この記事では、そんな不安を抱えるみなさんに向けて、看護学生の就職活動で内定辞退はできるのか、どのように対応するべきなのかを解説します。
なぜ看護学生の就活は学校の「ルール」があるの?

看護学生の就職活動では、学校から
- 採用試験は単願(専願)のみ
- 実習先の病院から内定をもらった場合は辞退NG
といったルールが設けられることがあります。
「後輩」への影響を心配している
学校が単願(専願)を薦める理由は、翌年以降に採用試験を受ける「後輩」への影響を心配しているためです。
内定者の中から辞退者が出れば、病院は追加採用などの対応が必要になります。そのため、「できるだけ辞退の可能性が低い学生に内定を出したい」という思いが当然あります。
これまでの実績から、内定辞退の少ない学校の学生を積極的に採用する病院もあるようです。
そのため、学校としては、「ここの学生は内定を辞退する」という印象にならないように、単願(専願)での応募を薦めることが多くなります。
実習先の病院との関係を継続したい
実習先の病院は、看護学生のために貴重な教育の場を提供してくれる存在です。学校側としても、そんな実習病院との関係を大切にしたいと考えています。
もし自校の学生から内定辞退が相次ぐなどがあれば、学校側としては、今後の実習の受け入れに多少とも影響が出てしまうのでは…、と心配せざるを得ないでしょう。
このように実習先の確保という点からも、実習病院は内定を辞退しないよう薦める事情があるようです。
単願(専願)は就活で有利?
採用する側の立場からすると、やはり併願よりも単願(専願)の方が「志望度」が高く映るのは間違いありません。
単願が必ずしも有利とは限りませんが、病院側が複数の候補者で迷った場合、一般的には、志望度が高く、入職してくれる可能性の高い単願の学生を選びやすいだろうと言えます。
学校側としては、学生が少しでも内定をもらいやすくなるよう考慮しているということも考えられます。
もし、「単願と言われているけどどうしても併願したい」などの思いがある場合は、応募前に学校に相談して熱意を伝えてみましょう。
事前にコミュニケーションをとっておくことで、後々のトラブルを防ぐことにつながります。
看護学生の就活で内定辞退はNG?

看護学生の内定辞退は、一般の就活生と比べてハードルが高いと感じる方も多いでしょう。
ここでは、辞退を考えたときに確認しておきたいことをまとめました。
単願指定がない場合
応募の際に、単願(専願)などの指定がなく、複数の病院を受けて両方から内定をもらった場合、どちらかを辞退することは流れとしてはあり得ることです。
ただし、辞退は病院側の採用計画に影響を与えます。決断したらできる限り早く連絡し、誠実に対応しましょう。
単願(専願)・実習先のルールがある場合
単願(専願)や「実習先は辞退NG」などのルールがある場合は、学校や後輩、実習先の病院との関係に影響が出る可能性があるため、まずは学校に相談した上で慎重に判断することが大前提です。
また、面接で「専願です」「必ず入職します」と伝えた後での辞退であれば、その影響はより大きくなりがちです。
自分だけで判断せず、先生と相談しながら慎重に進めましょう。
法律上はどうなの?
法律上は、内定承諾後であっても、入職2週間前までに辞退を伝えれば違法ではないとされています。ただし、法的に問題がないこととマナーは別の話です。
周囲の支えがあって今の内定があることも忘れてはいけません。後悔のない選択をするからこそ、周囲への誠実な配慮を忘れずに、責任ある判断・行動を心がけましょう。
辞退を検討するなら、まず自分の気持ちを整理しよう
いろいろ考えた末に、それでも「内定はもらったけど、やっぱりここじゃないかも…」と迷ったときは、次のような視点を参考に、あらためて自分の気持ちを冷静に整理してみましょう。
- はっきりした理由はある?
「なんとなく」などではなく、「〇〇という理由で、どうしても△△病院で挑戦したい」というはっきりした理由があるかを考えてみましょう。具体的に説明できる理由が見つかれば、先生への相談もスムーズになります。逆に、うまく言葉にできない場合は、もう少し冷静に考える時間を取るのも一つの方法です。 - その病院では理想の看護師になれない?
「この病院では、目指したい看護師像に近づくのが難しそう」と感じるポイントはどこでしょうか。たとえば、教育体制や診療科、働き方などを考えたときに、自分の希望と大きくズレている点があるかを、あらためて書き出してみると、気持ちが整理しやすくなります。 - その「心配」は病院を変えれば解消できる?
内定をもらうと、その病院で働く自分を具体的に想像する分、不安や気になる点が目につきやすくなることがあります。それは、入職する病院を変えれば解消できそうなのか、それともどの病院でも感じ得る「新卒ならでは不安」なのかを考えてみると、決断しやすくなるでしょう。
迷ったときは、一人で抱え込まずに相談を
辞退を考え始めたら、一人で結論を出さずにまず先生や信頼できる人に相談しましょう。
「辞退したい」という結論ありきで相談するのではなく、自分の気持ちや不安を率直に打ち明け、アドバイスをもらう姿勢が大切です。
先生や周囲の意見を聞いた上で、最終的には自分自身が納得できる選択をしてください。
内定を辞退する方法は?

看護学生の就活に限らず、そもそも内定辞退はビジネスマナーに違反します。だからこそ、なによりも「早く」伝えることが大切です。
病院側は採用に向けた手続きをすでに始めていて、連絡が遅くなればなるほど、採用計画に影響が出て迷惑をかけてしまいます。
「どうしても内定を辞退したい」と決断したときは、速やかに以下の手順で進めましょう。
まずはいち早く学校に連絡【例文あり】
病院へ内定辞退を連絡する前に、まずは学校に報告することが大切です。
病院側から先に学校へ連絡が入ってしまうと、学校側も対応に困ってしまうため、必ず事前に報告しておきましょう。
学校への連絡手段はメールや電話ではなく、担当の先生やキャリアセンターの窓口に直接出向くのがベストです。
直接会って話すことで、真剣に考えた上での相談なのだと伝わりやすくなります。
【先生への伝え方例文】
先日内定をいただいた〇〇病院の件でご相談に伺いました。実はその後、自分の将来について深く考え直した結果、〇〇病院の内定を辞退し、△△病院に進みたいという結論に至りました。学校にご迷惑をおかけしてしまうこと、本当に申し訳ありません。
理想の看護師になるために、納得して最初の一歩を踏み出したいと考えています。今後の対応について、ご相談させていただけないでしょうか。
強く引き止められたとしても感情的にならず、冷静に自分の考えを伝えることが大切です。学校側の意見や懸念点にもしっかり耳を傾け、一方的に押し通すのではなく、話し合いを重ねる姿勢を忘れないようにしましょう。
学校の指示や助言に従って病院に連絡
学校側の納得が得られたら、病院に内定辞退の連絡を入れます。
学校によっては、「まずは学校から連絡を入れる」などの対応を取る場合があるので、学校の指示に従って動きましょう。
基本的には電話で連絡を入れることになりますが、「直接病院に出向く」「詫び状を書く」などの指示が出ることもあるようです。
翌年以降の後輩の採用に影響を出さないためにも、学校の指示に従い、しっかりと誠意を見せることが重要です。
内定辞退の電話・メールの例文
学校の指示に従って、病院に電話やメールで内定辞退を伝える際は、以下の例文を参考にしてみてください。
電話で辞退を伝えるときの会話例


内定のご連絡をいただいております件でお電話しました。
お忙しいところ恐れ入りますが、採用ご担当の〇山様はいらっしゃいますでしょうか?



実は、大変申し上げにくいのですが、慎重に検討した結果、内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。






(通話が切れたことを確認したら、電話を切る)
【電話連絡のポイント】
- 最初に学校名とフルネームを名乗り、「内定者」であることを伝える
- 内定のお礼を忘れない
- 「辞退」をはっきりと伝える
- 辞退の理由は聞かれるまで言わなくてOK
- 理由は「個人的な事情」「適性を再検討した」など、失礼のない表現に
- どこに就職するかは答えなくて良い
- 電話は午前10~11時/午後2~3時ごろがベスト(朝夕の忙しい時間帯は避ける)
- 迷惑をかけたことを丁寧に謝罪する
採用担当が不在だった場合は、無理に用件を伝えず、「内定をいただいた件でご連絡したいことがあり、改めてお電話します」と伝えてかけ直すようにしましょう。
メールで辞退を伝えるときの文例
差出人 〇〇〇〇@xxxx.jp
宛先 △△△△@xxxx.com
件名:【内定辞退のご連絡】◎◎大学〇〇〇〇(フルネーム)
医療法人〇〇〇会〇〇病院
人事課 〇山 △郎 様
お世話になっております。
先日、面接の機会を頂戴いたしました◎◎大学4年の〇〇〇〇(フルネーム)と申します。
先ほどお電話を差し上げましたが、ご不在でしたので、取り急ぎメールにてご連絡させていただきます。
このたびは内定のご連絡をいただき、誠にありがとうございました。
ありがたいお知らせをいただきながら大変恐縮ではございますが、
内定を辞退させていただきたく、ご連絡いたしました。
個人的な事情もあり、このような決断となりましたが、
貴重なお時間をいただいたにもかかわらず貴院にご迷惑をおかけする形となりましたこと、
心よりお詫び申し上げます。
本来であれば直接お伝えすべきところ、メールでのご連絡となりましたことを重ねてお詫び申し上げます。
何卒ご了承くださいますようお願い申し上げます。
末筆ながら、貴院のますますのご発展と皆様のご健勝をお祈り申し上げます。
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〇〇〇〇(フルネーム)
◎◎大学看護学科4年
住所:〒000-0000
○○県○○市○○町0-0-0
電話番号:090-0000-0000
E-mail:〇〇〇〇@xxxx.jp
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宛名(法人名・病院名・部署名・担当者の名前)は間違いがないよう、よく確認してください。
末尾に自分の連絡先を記載することも忘れないようにしましょう。
まとめ
看護学生の内定辞退は、学校や病院への影響に配慮しながら慎重に進める必要があります。
その上で、最終的にはあなたが納得して看護師の道を歩み始められるかどうかが、何よりも大切です。
どうしても辞退が必要な場合は、周囲への影響を最小限にするよう、誠意ある行動を心がけましょう。
あなたが納得できる場所で、看護師としての第一歩をスタートできるよう願っています。




