新卒看護師の就活で、聞かれることのある「得意科目」。
病院指定の履歴書・エントリーシートに「得意科目」を書く欄があり、「何を書けばいいの?」「そんなのないよ…」と悩む看護学生さんは少なくありません。
この記事では、得意科目に何を書けばよいか、採用担当者が評価するポイントなど、看護学生のみなさんにわかりやすく解説します。
なぜ「得意科目」を聞かれる?採用担当者が見ている3つのポイント

病院側が「得意科目」を聞く目的は、主に以下の3つです。
面接の際の「材料」にしたい
病院指定の履歴書・エントリーシートでは、得意科目を書く欄が比較的コンパクトなことも少なくありません。これは、面接で詳しく話を聞くことを前提にしているためです。
得意科目の欄は、面接で学生さんの考え方や経験を深掘りするための「きっかけ」として使われることが多いようです。
そのため、履歴書・エントリーシートには要点を簡潔に書きつつ、詳細は面接で説明できるよう、あらかじめ整理しておくと安心です。
人柄や価値観、関心を知りたい
採用担当者は、得意科目を通してあなたの人柄や価値観を知りたいと考えています。
「なぜその科目に惹かれたのか」や「どんな姿勢で学んできたのか」など、得意科目そのものよりも、背景にあるエピソードに注目しています。
そのため、面接で得意科目を聞かれたときは、その科目に興味を持つきっかけとなった講義や実習の具体的な出来事、その科目の学習が成長につながった経験などを積極的に話してみましょう。
仕事に活かせる「強みや適性」を知りたい
得意科目は、「どんな場面で力を発揮しそうか」「現場でどんな役割を担ってくれそうか」をイメージするための材料になります。
根拠を突き詰めるのが得意なのか、関係性を築くことに長けているのかなど、あなたの強みを確認しています。
もし、履歴書・エントリーシートに自己PR欄がある場合は、そこで書いたことと矛盾がないように意識しましょう。
「得意科目」はどう選ぶ?

どの科目を得意科目に選ぶか迷ったときは、以下を参考にしてみてください。
成績の良かった科目を選ぶ
一番成績が良かった科目を選ぶのが、一番シンプルで分かりやすいです。
良い評価をされたということは、あなたがその分野の基礎知識をしっかりと身につけ、真面目に学習に取り組んだ証拠です。そのため、履歴書・エントリーシートでも無理なく説明しやすく、面接でも話を広げやすくなります。
伝える際は単に「点数が良かった」だけでなく、深く理解するためにどんな工夫をして学習したかなどをセットにすると、よりアピールにつながります。
実習での「手応え」から選ぶ
実習での「手応え」も判断材料になります。
実習中に「対応がうまくいった」「指導者に褒められた」といった経験がある科目は、理由を言葉にしやすく、具体的なエピソードも交えやすいです。
大きな成功体験でなくても大丈夫です。自分なりに考えて行動した出来事や学びを実感できた場面を伝えられると、面接官の印象にも残りやすくなります。
病院の特色・希望の配属先から逆算して選ぶ
病院の特色や希望する配属先から逆算して、得意科目を考えてみるのもひとつの方法です。
救急に力を入れている病院であれば「成人看護学(急性期看護)」、あなたが小児科を希望しているなら「小児看護学」など、今後の働き方と関連する学科を挙げると志望動機との一貫性も生まれやすく、活躍をイメージしてもらいやすくなります。
ただ、「なぜその科目に興味を持ったのか」は、自分の経験や考えから話せるようにしておきましょう。
【科目別】看護師の「得意科目」例文9選
得意科目は、「結論・理由(エピソード)・意気込み」の順番を意識すると、伝わりやすい内容になります。
ここでは、履歴書・エントリーシート、面接でそのまま使える9科目の例文を紹介します。
ただ、履歴書・エントリーシートの「得意科目」欄は、書ける文字数が限られていることも少なくありません。
書ききれないときは、得意科目と理由だけを簡単に書いて、あとは面接で補足する心構えでいましょう。
成人看護学(急性期看護)
得意科目は成人急性期看護学です。実習では、患者さんの状態変化への迅速な対応の重要性を学びました。今後も根拠に基づいた判断力を身につけ、冷静に対応できる看護師を目指していきたいと考えています。
成人看護学(慢性期看護)
得意科目は成人慢性期看護学です。実習で、長期的に患者さんの生活や思いに寄り添う看護にやりがいを感じました。患者さんがその人らしく過ごせる支援を行っていきたいと考えています。
基礎看護学
得意科目は基礎看護学です。看護の土台となる知識や技術を学び、臨床判断の基礎が身についたと感じています。今後も基本を大切に、確実な看護を実践していきたいと考えています。
解剖生理学
得意科目は解剖生理学です。身体の構造や機能を理解することで、症状や変化を論理的に考えられる点に面白さを感じました。今後も根拠に基づいた看護を実践していきたいと考えています。
小児看護学
得意科目は小児看護学です。成長発達段階に応じた関わりを考えることにやりがいを感じ、実習では患児・ご家族への声かけを工夫しました。安心して過ごせる環境づくりを大切にしていきたいと考えています。
母性看護学
得意科目は母性看護学です。実習では産褥期のケアや授乳支援を通して、寄り添う姿勢の大切さを学びました。女性のライフステージに応じた支援ができる看護師を目指していきたいと考えています。
老年看護学
得意科目は老年看護学です。認知症の祖父との関わりを通して関心が強くなり、学びを深めました。生活背景や価値観を尊重し、高齢者がその人らしく生活できるよう支えられる看護師を目指していきたいと考えています。
地域・在宅看護学
得意科目は地域・在宅看護学です。住み慣れた場所で療養生活を送る患者さんやご家族を支える視点に興味を持ちました。実習では多職種連携の重要性も実感し、地域全体で支える看護を学んでいきたいと考えています。
精神看護学
得意科目は精神看護学です。実習では患者さんと信頼関係を築く大切さと難しさを学びました。今後も患者さんに寄り添い、安心して関わってもらえるような看護師を目指していきます。

病院の採用情報を見てみよう
これだけは避けたい!損しないための注意点
アピールにつながらない可能性がある書き方を紹介します。
抽象的すぎる
×「看護学全般が得意です」
×「どの科目も興味を持って学びました」
科目を絞れていない印象を与えてしまいます。採用担当者は「この人は何に興味があって、どんな看護をしたいのか」を知りたいので、特定の科目やテーマを選んで書きましょう。
理由がない・志望動機と矛盾している
×「基礎看護学が得意です」(一文のみ)
× 小児科志望なのに「老年看護学」だけを得意科目にする
なぜ得意なのか理由がなかったり、希望配属先と全く関連がない科目だけを選ぶと、説得力が欠けてしまいます。簡単でも理由を書き、志望動機とのつながりも意識しましょう。
「得意科目がない…」と感じたときは?

「どうしても得意と言えるものがない」と感じている人もいるかと思います。
そんなときは、少しハードルを下げて考えてみましょう。
「苦手を克服した科目」もアピールになる
最初は苦手だったけれど、努力して理解を深めた科目も立派なアピール材料です。
【例文】
得意科目は解剖生理学です。最初は覚えることが多く苦手意識がありましたが、図解を使って繰り返し復習することで理解が深まりました。困難なことにも粘り強く取り組む姿勢を、今後の看護にも活かしていきたいと考えています。
このように、成長のプロセスを伝えることで、あなたの学習姿勢や人柄が伝わります。
成績が普通でも「一番興味を持てた科目」でOK
得意科目は、「成績が良かった科目」である必要はありません。
採用担当者が見ているのは成績よりも、「どんな分野に関心を持ち、主体的に学ぼうとしていたか」という姿勢です。
授業を受けていて「もう少し知りたい」と感じた科目や、前向きに学習を進められた科目を理由とともに伝えることができれば、好印象につながります。
実習でやりがいを感じた看護を話す
「得意」と言えるほど自信はなくても、実習の中でやりがいや大切さを実感し、より良い看護を目指して工夫した経験があれば十分です。
実習を通して奥深さに気づき、学習にも熱がこもったという体験は、採用担当者にも前向きに評価してもらえるでしょう。
「患者さんにありがとうと言ってもらえた」という経験も、説得力のあるエピソードになります。
まとめ
履歴書・エントリーシートの「得意科目」は、どんな看護にやりがいを感じたかや、どんな姿勢で学んできたかを伝えるための欄です。
成績の良し悪しに縛られすぎず、あなたらしい考えや体験が話せる科目を、自信を持って選んでくださいね。
得意科目が書けたら、他の欄も埋めてみましょう。履歴書・エントリーシートの書き方については、以下の記事で詳しく解説しています。







