救急外来や救命救急センターで働く「救急看護師」緊張感のある現場でキビキビと動く姿にあこがれるナースも多いかもしれません。

そんな救急看護師の仕事について解説します。

救急看護師のイラスト

救急看護師の仕事内容・役割

救急看護師は、急な病気や事故・災害による怪我など、緊急度の高い患者さんに医療処置やケアを行います。

救急看護師の具体的な仕事内容は、主に次の4つです。

救急看護師の主な仕事内容・役割

  1. 救命・救急処置
  2. 医師が行う処置の補助
  3. 問診・トリアージなどの初期対応
  4. 患者さん・ご家族のケア

1救命・救急処置

心肺停止時の救急蘇生処置、止血・包帯法、採血や点滴といった医療的な処置を実施する場面が多いでしょう。

救急の患者さんは疾患や症状、外傷の程度もさまざま。救急看護師は、患者さんの状態を素早く判断し、対応するスキルが求められます。

2医師が行う処置の補助

重症度の高い患者さんへの処置は医師が対応しますが、救急看護師はその補助を行います。

「医師が次に何をするか」を読みながら動く救急看護師は、臨床推論の力が磨かれます。

3問診・トリアージなどの初期対応

初期の問診やトリアージを救急看護師が担当する病院も多いでしょう。

事前に得られる情報が限られている中で、必要な情報を引き出し、優先度を判断する初期対応は、看護師の情報収集力・アセスメント力の見せ所です。 

4患者さん・ご家族のケア

突然の病気・怪我に気持ちの整理が追いつかず、不安や恐怖で取り乱す患者さん・ご家族も少なくありません。そうした患者さん・ご家族の心理的なケアをすることも、救急看護師の大切な役割です。

患者さん・ご家族の心情に寄り添いつつ、状況や今後の見通しを説明したり、家庭での生活の情報収集をしたりするコミュニケーション力が救急看護師には期待されます。

キャリアアドバイザー

病院によっては、救急外来の看護師が「一般外来のヘルプ」を行うことも。

午前中の早い時間など「救急外来が比較的すいていて、一般外来が混み合う時間」には、救急看護師が一般外来で採血や患者対応を手伝ったりします。

救急看護師はどこで働く?

救急看護師が働く場所は「地域の中核として2次救急を受け入れる病院」または「より高度な救急医療に対応する3次救急の病院」が多いでしょう。

3次救急の病院の中には、一定の要件を満たして「救命救急センター」「高度救命救急センター」の指定を受けているところもあります。

それぞれの施設によって、ICUや救急病棟を併設しているかどうかER型救急(1次~3次の区別なく受け入れ、ER専門医が初期診療を行う体制)かどうかなど、特徴が異なります。

転職先を探すときには救急搬送件数などと合わせて、こうした体制についても確認しておきましょう。

救急看護師の1日

24時間切れ目なく対応する救急看護師は、病棟と同じく夜勤があります

感染症の流行期、熱中症が相次ぐ夏季、心筋梗塞や脳卒中の多い冬季など、救急外来の「繁忙期」には慌ただしい1日が続くでしょう。

救急外来で働く看護師の1日のスケジュール例(日勤)を見てみます。

【8:30】始業・情報収集・申し送り

目まぐるしく患者さんが入れ替わる救急部門。治療・ケアが滞りなく進むように、スタッフ間で情報を共有します。

【9:00】救急外来での患者対応・処置

救急外来で患者の対応をする看護師のイラスト

救急搬送されてくる患者さんに対応していきます。午前中は比較的、救急搬送の少ない時間帯ですが、気は抜けません。一般外来が混み合っているときはヘルプに出ることも。

【12:30】休憩

いつ、どんな患者さんがやってくるか、予定の立たない救急外来では休憩時間がずれ込むこともあります。

【13:30】午後の業務開始

搬送されてきた患者さんの対応をおこなう救急外来の看護師のイラスト

午後も、搬送されてくる患者さんや、徒歩・自家用車などで来院するウオークインの患者さんに対応していきます。合間を見て看護記録の記入もこなします。

【17:30】申し送り・終業

夜勤スタッフに申し送りし、終業します。

キャリアアドバイザー

救急外来は2交代制の病院が多めですが、3交代制の病院、日勤のみの求人がある病院もあります。夜勤の働き方に条件がある方は、エリアを広げて探してみると良いかもしれません。

救急看護師になるには?未経験は厳しい?

救急看護師になるのに特別な資格は必要ありません。

ただし、救急外来は幅広い疾患・症状の患者さんを扱う上、緊急度・重症度も高いことが多い現場です。看護師にも幅広い知識やスキル、スピーディーな動きが求められます。

そのため、新卒の看護師がいきなり救急外来に配属されることはあまり多くありません。

救急看護師になるには、まずは外科系の病棟などで一定の経験を積むことが必要でしょう。

その後、院内の異動や転職で救急看護師を目指すという道が一般的です。

キャリアアドバイザー

救急外来の求人では経験者が優遇される傾向にありますが、積極的に未経験者を受け入れている病院もあります。

転職で救急看護師を目指す方は、病院の教育・フォロー体制などをチェックする一方、救急領域への意欲や学ぶ姿勢をアピールできると良いですね!

救急看護師が目指せる資格って?

救急看護師になることを想像する看護師のイラスト

救急看護師が目指せる資格として、日本看護協会による「認定看護師」「専門看護師」があります。

そのほか、各種学会・協会などが認定する資格や研修制度なども多く、「災害支援ナース」「フライトナース」を含め、クリティカル領域のスペシャリストを目指すことが可能です。

 

救急看護師の年収・給料

救急外来看護師の平均年収:410万円~550万円

救急外来で働く看護師の平均年収は、およそ410万~550万円が相場となっています(常勤)。

准看護師の場合は1割ほど低くなる傾向です。

夜勤のある救急外来は、病院の部署の中でも給与水準は高め。同じく夜勤のある病棟と同様に、年50万~70万円ほどの夜勤手当が含まれます。

突発的な対応がメインとなる救急外来は「予定を見通せないから残業が多い」というイメージがありますが、一方で、病棟に比べると患者さんの情報収集・申し送り・記録などにかかる時間が少なめで、「むしろ残業が少ない」という声も。

残業代がどのくらいつくかによって、年収の額も多少、変わってくるかもしれません。

救急看護師のメリット・デメリット

救急看護師として働く上で、どんなメリット・デメリットがあるのでしょうか?

それぞれ3つのポイントをまとめました。

救急看護師のメリット3つ

救急看護師のメリット。1:幅広い疾患・患者さんを看る力が身につく・2:救命の現場ならではのやりがいがある。3:給料・年収が高い

幅広い疾患・患者さんを看る力が身につく

救急看護師は、幅広い疾患・症状の患者さんに対応できる知識・スキルが身につきます

循環器や呼吸器、脳血管疾患、小児、整形外科……と、さまざまな診療科の患者さんを看るため、全身の解剖生理に詳しくなれるのは、救急看護師として働く魅力のひとつ。

勉強が好きで、スキルアップを目指したい!という方におすすめです。

救命の現場ならではのやりがいがある

救命救急の現場は、「適切な処置ができた」「命を救えた」といった手応えのある職場です。日々の仕事に達成感ややりがいを感じる看護師さんは多いでしょう。

また、患者さんの問診・アセスメントから隠れた疾患に気づく、動転している家族をケアするなどは、「救急外来の看護師だからこそできること」と言えます。救急看護師として誇りをもって働けるでしょう

3給料・年収が高い

24時間体制で救急患者の搬送・来院に備えるため、救急看護師は夜勤もこなします。ハードな仕事ですが、病棟と同じく夜勤手当がつくので、給料・年収は看護師の中でも高めです。

救急看護師のデメリット3つ

救急看護師のデメリット。1:幅広い疾患を勉強しなければならない。2:忙しく、ハードな業務。3:緊張感が高くストレスを感じやすい

1幅広い疾患を勉強しなければならない

さまざまな診療科の患者さんに対応する救急外来では、看護師も幅広い疾患の知識・スキルが求められます

一刻を争う緊急度の高い場面で、イチから調べている余裕はありません。特に救急看護師になって初めのうちは、たくさんの勉強が必要になるでしょう。

救急領域は、勉強へのモチベーションが高い人も多く、ちょっぴりプレッシャーを感じるかもしれませんが、ステップアップする上で良い刺激が得られる環境です。

2忙しく、ハードな業務

救急看護師は忙しく、業務内容もハードです。

感染症が流行する時期、熱中症が多発する夏場、脳卒中や心筋梗塞が増える冬場、一般外来が閉まる年末年始など、救急外来の「繁忙期」には多忙な日が続くかもしれません。

テキパキと業務をこなすことが得意な方体力に自信のある方に向いているでしょう。

3緊張感が高く、ストレスを感じやすい

救急外来は単純な忙しさに加えて、生死を分ける救命の現場という特性上、緊張や責任を感じやすい職場です。やりがいは大きいものの、こうした点にストレスを感じる救急看護師も多いようです。

また、患者・家族にとっても不安の大きい状況で、クレームが発生しやすい面があります。

オンオフを切り替えることが救急看護師には大切です。

救急看護師はこんな人におすすめ!

救急外来・救命救急センターで働く救急看護師は、次のようなタイプ・特徴の方に向いています。

救急看護師がおすすめな人

  • 救急領域に興味・関心がある
  • 勉強するのが好き
  • テキパキと仕事するのが好き
  • フットワークは軽いほうだ
  • チームワークを意識した行動ができる
  • アセスメントや医療処置のスキルを磨きたい
  • オンオフの切り替えができる

救急外来・救命救急センターは、病院の中でもやや特殊な領域です。「救急看護師になるのが夢だった」というナースも多く、救急領域に高い関心を持てる方のほうが向いているでしょう。

幅広い疾患に対応する救急看護師には、常に勉強する姿勢が欠かせません。新しい知識を学ぶのが好き・知識をアップデートするのが好きという方に向いています。

一方で、1つの診療科で知識を深めていきたいタイプの方には、不向きかもしれません。

多忙かつハードな救急看護師は、独特の緊張感があり、テキパキとした行動が求められます。フットワーク軽く、スピーディーに動けるタイプの方のほうが馴染みやすい環境です。

また、救急の現場はチームプレーで動く現場です。救急看護師は、その要となる存在。多職種の橋渡し役となったり、病棟や手術室などとの調整役となったり、チーム医療を円滑にすすめるコミュニケーション力もポイントです。

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