大学病院の看護師とは?一般病院との違い・向いている人・仕事内容まるわかり【就活】 | 看護roo!就活
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大学病院の看護師とは?一般病院との違い・向いてる人・仕事内容

大学病院の看護師とは?一般病院との違い・向いている人・仕事内容まるわかり【就活】

#看護師の仕事 #病院の種類 #働き方

就職活動中に「大学病院で働くって実際どんな感じだろう?」と気になる看護学生さんも多いのではないでしょうか。

大学病院は最先端の医療に関われる反面、忙しそうなイメージもありますよね。

この記事では、大学病院の看護師として働くうえで知っておきたい特徴、一般病院との違い、向いている人のタイプなど、看護学生向けにやさしく解説します。

大学病院と一般病院の違い|5つのポイント比較

就活で多くの看護学生が感じるのが「大学病院と一般病院、どっちがいい?」という疑問です。そこで、大学病院と一般病院の違いを5つの軸でわかりやすく比べてみましょう。

大学病院一般病院
役割・機能高度急性期
研究・教育
急性期〜慢性期
地域医療
診療科多くが細分化、専門性が高い比較的少なめ、幅広く対応
教育体制専門資格取得の支援
院内外研修・学会参加が充実
院内研修中心
現場重視
患者層重症・難病・紹介患者が多い地域住民が中心
急性期~慢性期まで多様
チーム医療多職種連携が多い看護師と医師中心が多い

役割と機能の違い

大学病院は「特定機能病院」として認定されていることが多く、高度な医療技術の提供、臨床研究、医療人材の育成といった役割を担っています。

一般病院は、地域住民の健康を支える身近な病院として、より総合的で柔軟な対応が求められます。

診療科と症例の幅

大学病院では診療科が細分化されており、例えば「心臓血管外科」「小児外科」など、より専門的な分野で経験を積むことができます。難易度の高い症例を学ぶ機会が多いのも特徴です。

一般病院は、診療科がより総合的で、日常的な疾患に幅広く対応することが求められます。

教育体制とキャリア支援

大学病院では、新人教育プログラムに加えて、認定看護師・専門看護師が多数在籍しており、より専門的な指導を受けられるのが大きな特徴です。

また、資格取得の支援制度(費用補助、勤務調整など)が充実しており、学会発表や院外研修参加のサポート体制も整っています。キャリアアップを本格的に目指す人には理想的な環境といえるでしょう。

一般病院でも研修制度はありますが、大学病院ほど専門資格取得のための支援体制は充実していないことが多く、どちらかというと実践重視で現場経験を積む風土のところが多い傾向にあります。

患者さんとの関わり方

大学病院は高度急性期の治療を中心とした対応が多く、1人の患者さんとの関わりは短期間になる傾向があります。

一般病院は慢性期や在宅移行支援もあり、患者さんやご家族とじっくり関わりながら支える場面が増えます。

チーム医療の違い

大学病院では、多職種カンファレンスや合同ラウンドなど、看護師が主体的にチーム医療に関わる機会が豊富です。薬剤師・リハビリ・栄養士などと連携し、複合的な視点で看護を行う場面が日常的にあります。

一般病院では、規模や体制によっては、よりシンプルなチーム編成になることもあります。

大学病院は「専門性を高めたい人」「学びを継続したい人」に向いている環境です。

逆に「幅広い経験を積みたい」「患者さんとの関わりを深くしたい」人は一般病院の方がマッチするかもしれませんね。

大学病院看護師の仕事内容と1日の流れ

大学病院の看護師は実際どんな仕事をしているのでしょうか。 ここでは新人ナースの1日を例にしながら、仕事内容のイメージをふくらませていきましょう。

大学病院の看護師
1日のスケジュール例(日勤)
8:30出勤・情報収集・夜勤看護師から申し送り
9:00ワゴンに必要な処置物品や点滴の準備
10:00午前のラウンド・バイタル測定・観察・点滴施行・医師の回診介助
・処置・検査出し・オペ出しなど
11:00清潔ケア・看護記録
12:00情報共有・引き継ぎをしてお昼の休憩へ
13:00カンファレンス・看護計画の見直し
14:00午後のラウンド・バイタル測定・観察
15:00リシャッフル※PNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)における
チーム全体の業務効率化の目的で、看護師のペアや業務分担を再編成すること
16:30看護記録・夜勤看護師へ申し送り
17:00退勤

このように、チームで連携しながら、患者さんの状態に応じて柔軟に業務を調整していきます。

PNS(パートナーシップ・ナーシング・システム)を導入している病院では、パートナーとペアで業務を進めることになります。

新卒の配属ローテーションってどんな感じ?

大学病院の新卒看護師教育では、入職後3カ月〜1年ほどかけて複数の診療科を経験する「配属ローテーション(ジョブローテーション)」が多く導入されています。

これは、新卒看護師が幅広いスキルと視点を身につけるための制度です。さまざまな病棟を経験することで、多職種連携や重症対応など、多様な看護スキルを習得できます。また、どの科が自分に向いているかを見極める機会にもなります。

ただし、一つの科でじっくり経験を積みたい人にとっては、戸惑いや不安を感じることもあるかもしれません。

入職前に説明会などでローテーションの内容やスケジュールを確認しておきましょう。

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採血できないって本当?

「大学病院だと採血の経験が少ないって聞いたけど、大丈夫?」こんな声も就活中によく耳にします。

大学病院では、配属される部署によって採血の経験に差が出るのは事実です。特にICUや手術室などでは、医師が血管確保を行うことが多いため、看護師が採血する機会は少なくなる傾向があります。

しかし、病棟では看護師が採血を担当する機会も多く、入職後の研修などでも技術を習得する環境は整っています。「大学病院だから採血できない看護師になる」というわけではありません

大学病院の看護師に向いている人・向いていない人

「大学病院、気になるけど自分に合ってるのかな…」と迷っている方へ、向いている人・向いていない可能性がある人の特徴をわかりやすく整理してみました。

大学病院に向いている人の特徴

  • 新しいことを学ぶのが楽しいと感じる
  • 忙しさやプレッシャーがあっても前向きに取り組める
  • 自分の意見や考えをきちんと声に出して伝えられる
  • 高度な医療技術や専門的な看護を経験してスキルを磨きたい
  • 環境の変化(配属ローテーションなど)を成長のチャンスととらえられる
  • 認定看護師・専門看護師など将来のキャリアを考えている
  • 福利厚生が充実している職場で働きたい

上のような特徴が当てはまる人は、大学病院の環境と相性が良いと言えます。大学病院はハードな場面も多いですが、それだけに成長の機会も多く、「しっかり育ててもらえる職場で、自分を高めたい」という人にとってはぴったりの環境です。

また、認定看護師や専門看護師を目指す場合、支援体制やキャリアパスが明確なこともメリット。さらに、大学病院は高度急性期の現場である分、夜勤や業務の負荷も大きくなりますが、そのぶん給与や福利厚生も比較的手厚い傾向にあります。

努力が評価される環境で頑張りたい方にとって、大学病院は学びと挑戦の場になります。

大学病院に向いていないかもしれない人は?

  • 基本的な看護技術(採血・注射など)をたくさん経験することを重視する
  • 患者さん一人ひとりとじっくり時間をかけて関わりたい
  • たくさんの人と情報共有したり、意見交換したりするのが苦手
  • 環境の変化にストレスを感じやすい
  • ワークライフバランスを最優先に考える
  • 研究活動よりも実践重視で働きたい

「大学病院に向いてないからダメ」ではなく、「自分の価値観や目標に最も合致する環境はどこか」を見極めることが大切です。

大学病院で働くメリット・デメリットをリアル比較

ここでは、大学病院で働くことのメリットとデメリットをわかりやすく整理します。どちらが良い・悪いではなく、「自分にとって合っているか」を考えるヒントにしてみてください。

大学病院で働くメリット

最先端の医療・設備に触れられる

高度な手術や新薬の治験などに立ち会う機会もあり、医療の最前線で成長できます。

キャリア支援や研修制度が手厚い

eラーニングやラダー制度、学会参加など、学びの場が豊富です。

教育担当の先輩がいる

プリセプター制度や新人サポート体制が整っており、安心して成長できる環境があります。

ブランド力があり転職にも強い

「◯◯大学病院出身」の経歴はスキルへの信頼感につながる場面も。

大学病院で働くデメリット

異動が多く、慣れる前に変わることも

数カ月〜1年単位で部署が変わるため、環境に順応する力が必要です。

急変対応なども多く、体力的にハード

重症度の高い患者さんが多く、緊張感のある毎日になることも。

研究発表や論文作成のプレッシャーがある

配属先や教育方針によっては、業務外での課題提出が求められることもあります。

どれを魅力と感じるか、負担と感じるかは人それぞれ。だからこそ、自分が大切にしたい働き方や価値観をはっきりさせておくことが大切です。

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大学病院看護師の給料・手当・福利厚生

「大学病院ってやっぱり給料いいの?」と、気になりますよね。ここでは、看護学生が気になる基本的な待遇について、ざっくりイメージできるようにまとめました。

大学病院の看護師
給料・福利厚生(目安)
初任給約28〜31万円(各種手当を含む)
手取り約23〜26万円(控除後の目安)
賞与年2回(合計4〜5カ月分程度)
夜勤手当2交代制:1回あたり9,000円〜12,000円前後
3交代制:1回あたり3,000〜5,000円前後
住宅手当あり(上限あり/一部条件あり)
寮・社宅病院によっては完備されている場合あり

夜勤手当や賞与に加え、大学病院では看護師寮や住宅手当など、生活をサポートする福利厚生が充実していることが多いようです。ひとり暮らしを予定している方や、実家から通いづらい方には心強いでしょう。

高度医療を担う現場であるため、夜勤や業務の負荷は大きいかもしれません。それでも、頑張りがしっかり給与に反映されるのは、大学病院の魅力のひとつです。

就活準備ステップ&チェックリスト

大学病院への就職を目指すなら、早めの情報収集と計画的な準備がとても大切です。特に都市部のブランド病院は、インターンや説明会の応募が殺到する傾向にあり、締切も早めです。

「気づいたら満員で予約できなかった…」という声も毎年あります。低学年のうちから動き出すつもりで、余裕を持ったスケジューリングを心がけましょう!

ステップ1:情報収集から始めよう

まずは、看護roo!就活を使って、気になる大学病院の基本情報を収集しましょう。ちょっとでも興味があれば、まずは資料請求をしてみるのがおすすめです。

ステップ2:インターンや病院見学会に参加しよう

病院見学会やインターンシップなどの新卒向け採用イベントは、現場の雰囲気や働き方を肌で感じられるチャンスです。

都市部の大学病院はすぐ枠が埋まるので、募集開始時期を病院HPやSNSで早めにチェックしておきましょう。

大学病院の採用イベントに参加してみよう

ステップ3:志望動機は「自分の経験×病院の特色」でまとめよう

志望動機はオリジナリティと具体性が大切です。自分の経験・将来像志望する病院の理念・特徴(専門診療科、教育体制、研究活動など)を関連付けて話せると、あなたらしさと説得力が増します。

【例文】
急性期病棟での実習を通じて、重症患者様に対応するには、疾患やケアに関する的確な知識と判断力をしっかり身につけなければならないと実感しました。自分自身の看護師としての成長が患者様を助けることにつながるのだと、意義とやりがいを感じます。貴院では高度急性期病院として最先端の医療を提供すると同時に、看護師の教育プログラムも充実していらっしゃいます。看護師としての基礎を固めるとともに、専門性を高めていける貴院のような環境で働きたいと思い、志望いたしました。

ステップ4:面接でよく聞かれる質問に備えよう

大学病院の面接では、次のような質問が多いようです。回答の例文を参考に、あなたらしいエピソードや志望先の特徴に置き換えて準備しておきましょう。

学生時代は、グループで地域看護プロジェクトに取り組み、リーダーとして調整役を担いました。意見が対立する場面でも、全員の意見を丁寧に聞き、それぞれの強みを活かせる役割分担を提案しました。この経験から得た「多様な意見を尊重し、チームをまとめる調整力」を、多職種連携が活発な貴院の看護現場で活かしたいと考えています。

重症患者さんが多い高度な医療現場で、質の高い看護を実践したいと考えています。貴院の充実した研修制度のもとで学び続け、将来的には専門分野を極め、認定看護師を目指したいです。

患者さん一人ひとりの状況を深く理解し、症状や検査結果などの客観的データや最新の医療情報を活用して、科学的根拠に基づいた看護を提供できる看護師になりたいです。そのために、高度医療の現場で多職種と連携し、患者さんにとって最善のケアを実践できる看護師を目指しています。

このほか、看護観や挫折経験などを問われるケースもあります。エピソードベースで話せるように準備しておくと安心です。

看護師ライター・佐々木
大学病院の新卒採用は附属大学の学生が優先される傾向ですが、「他大学の学生にチャンスがない」ということではありません。

ただし、ハードルは高めです。筆記試験対策に加えて、面接では「なぜこの大学病院を選んだのか」「どんな看護師になりたいのか」を熱意をもって伝えるなど、しっかり準備して臨みましょう!

新卒で大学病院、実際どうでしたか?【先輩インタビュー】 

ここでは、大学病院に新卒で就職した先輩たちにお話を聞きました。リアルな声から、働くイメージをつかんでみましょう。

残業や休みの取りやすさ、実際どうですか?

大学病院 外科病棟・4年目
急変対応や突発的な処置が多くて、月10時間前後の残業はあります。忙しい月は15時間くらいになることも…。業務後に委員会活動などもあるので、プライベートとの両立は工夫が必要ですね。
ただスタッフが多い分、希望休や夏休みの調整はしやすいと思います。

人間関係・指導はきびしい?

大学病院・循環器内科病棟・1年目
スタッフ数が多いので、病棟の師長、主任、先輩たちが見守ってくれていると感じられ、安心して働ける環境だと思います。
仕事に関する指導は厳しいですが、理不尽というわけではなく、私は人間関係で悩んだことは今のところなしです!

まとめ|自分にピッタリのキャリアを選ぼう

大学病院と一般病院、それぞれに向いている人や働き方があります。大切なのは、自分の価値観や将来像に合った職場を選ぶことです。

大学病院は確かに忙しさやプレッシャーもありますが、その分だけ学びや経験の密度も濃くなります。そんな環境で自分を高めたいと感じている人にとって、大学病院は確かな選択肢になるでしょう。

気になる大学病院があれば、ぜひ早めに見学会やインターンシップの情報をチェックしましょう!

大学病院の採用イベントに参加してみよう

佐々木雅子
看護師ライター
佐々木雅子
新卒で大学病院に入職後、看護師として放射線科・整形外科・デイサービス・幼稚園などさまざまな職場を経験。現在は看護師資格を活かしてライター・編集者として活動中。
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