看護師として、どこで、どんなふうに働くか。「看護師のキャリア」には、実はいろんな道があります。あなたは、どんな看護師になりたいですか?
あなたが思い描く看護のイメージ、今の興味・関心、いずれ挑戦してみたいこと—。代表的な看護師のキャリアプランを例に考えてみましょう。
スペシャリスト

スペシャリストとは、特定の分野・領域で専門性の高い看護を提供する看護師のことです。
専門看護師や認定看護師の資格を取得し、専門分野の深い知識・技術・経験を持つエキスパートとして活躍します。
「がん看護を究めたい」「救急看護のプロフェッショナルになりたい」といった看護師像を描く人向けのキャリアです。
専門看護師
専門看護師は、特定の専門分野で水準の高い看護を提供するための知識・技術を深めた看護師です。日本看護協会が認定する資格で、14の専門分野があります。
14の専門看護分野
- がん看護
- 精神看護
- 地域看護
- 老人看護
- 小児看護
- 母性看護
- 慢性疾患看護
- 急性・重症患者看護
- 感染症看護
- 家族支援
- 在宅看護
- 遺伝看護
- 災害看護
- 放射線看護
専門看護師になるには、看護系の大学院(修士)で指定の教育課程を修了し、認定審査に合格する必要があります。2024年12月現在、全国で3473人の専門看護師が活躍しています。
認定看護師
認定看護師は、特定の専門分野で熟練した技術・知識を持ち、水準の高い看護実践ができる看護師です。専門看護師と同じく日本看護協会が認定する資格で、19の認定分野があります。
19の認定看護分野
- 感染管理
- がん放射線療法看護
- がん薬物療法看護
- 緩和ケア
- クリティカルケア
- 呼吸器疾患看護
- 在宅ケア
- 手術看護
- 小児プライマリケア
- 新生児集中ケア
- 心不全看護
- 腎不全看護
- 生殖看護
- 摂食嚥下障害看護
- 糖尿病看護
- 乳がん看護
- 認知症看護
- 脳卒中看護
- 皮膚・排泄ケア
専門看護師も認定看護師も「スペシャリストの看護師」として代表的な資格ですが、専門看護師が臨床現場以外に教育や研究などの役割も期待されるのに対して、認定看護師は「現場での実践」により重きが置かれているのが特徴です。
ジェネラリスト

ジェネラリストとは、特定の分野・領域に限定せず、幅広い看護を経験し、臨床現場の第一線でケアを提供する看護師のことです。急性期~慢性期の病棟、クリニック、在宅など、さまざまな現場で活躍します。
「いろんな診療科で経験を積みたい」「さまざまな患者さんを支えられる看護師になりたい」といった人向けのキャリアです。
管理職(マネジメント)

管理職(マネジメント)とは、看護部長・看護師長・看護主任などの役職に就く看護師のこと。スタッフナースの育成・支援、ベッドコントロール、労務管理など、チーム・組織の運営を通じて質の高い看護を提供する役割を担います。
「看護師が働く環境づくりにも興味がある」「組織の中でキャリアアップしたい」といった人向けのキャリアです。「認定看護管理者」の資格を取得する人もいます。
キャリアプランはこんなふうに考えてみよう
スペシャリストやジェネラリストと言われても、自分がどんな道に進みたいかわからないー。
そんなときは、もっと身近なイメージでキャリアプランを考えるのもOKです。「働く場所や働き方」を軸に、先輩たちの考え方から就活のヒントをもらってみましょう!

・まずは病棟で一通りの経験を積みたい
・実習で興味を持ち、いつか訪問看護をやってみたい
<就職活動では>
・幅広く手技が身につく急性期病院
・訪問看護や介護の系列施設もある法人
を探しました!

・外科系、特に循環器や呼吸器に興味がある
・できれば認定看護師を目指したい
<就職活動では>
・希望する診療科があって資格取得も目指せる病院
・認定看護師が多く在籍する病院
を探しました!

・高度急性期のスピード感は自分には合わなそう
・プライベートを大切にした働き方がしたい
<就職活動では>
・急性期から慢性期まで幅広く経験が積める病院
・ライフステージが変化しても配属先の選択肢が多いケアミックス病院
を探しました!
実際に働き始めたら、目標や関心が変わることももちろんあります。10年後、20年後のキャリアプランまで考えなくても大丈夫!
まずは「看護学生である今のあなた」が描く「こんな看護師になりたい」「こんなふうに働きたい」というイメージを明確にして、就職先を選ぶ手がかりにしてみてください。

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