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ICU看護師になるには?看護学生が知りたい向き不向き・やりがい・仕事内容

ICU看護師になるには?看護学生が知りたい向き不向き・やりがい・仕事内容

#看護師の仕事 #診療科 #働き方

「ICUで働いてみたいけど、自分にできるのかな?」「新卒でもICU配属になるの?」と不安や疑問を抱える看護学生は少なくありません。

ICU(集中治療室)は高度急性期の看護を経験でき、看護師として大きく成長できるやりがいのある現場です。

この記事では、ICUの看護師の仕事内容、向き不向き、新卒配属の実情やキャリアパスまで、就活中の看護学生が知りたいポイントをやさしく解説します。

ICUってどんなところ?どんな看護をするの?

ここではICUの基本から、ICUで働く看護師の役割までを解説していきます。

ICU(集中治療室)とは?

ICU(Intensive Care Unit/集中治療室)は、生命の危機にある重症患者さんを24時間体制で治療・ケアする専門病棟です。

救急での初期治療後や大きな手術の直後など、状態が急変するリスクの高い患者さんが対象です。心筋梗塞や心血管疾患、脳出血、大動脈解離など幅広い疾患・領域を扱います。

ICUの大きな特徴として次の3点が挙げられます。

  1. 高度な医療機器を扱う
  2. 少人数体制で密度の高い看護を提供する
  3. 継続的な観察と判断が求められる

たとえば人工呼吸器、輸液ポンプ、モニター機器などを用いながら、心拍・血圧・呼吸状態を厳密に管理します。急変リスクに備え、わずかなサインも見逃さない観察力が必要です。

ICU看護の特徴は?HCUや一般病棟とどう違う?

看護師1人あたりの受け持ち患者数は、通常2人以下(2対1看護)と決められています。4対1が基本のHCU(ハイケアユニット)や、7対1・10対1が多い一般病棟に比べ、手厚い看護体制であることが特徴です。

HCUでも重症患者さんを受け入れますが、ICUはより重症度の高い患者さんを対象にしており、厳密な管理や高度な医療機器の使用が必要です。

また、ICUの看護師は医師・臨床工学技士・リハビリスタッフ・薬剤師など多職種と密に連携します。患者さんの最もそばにいる看護師のアセスメントが重要になるため、日々の業務には高い集中力と冷静な判断が求められます。

さらに、ICUでは患者さんのご家族に対する説明や精神的支援も大切なケアです。突然の入院や手術後の不安で動揺する家族に寄り添う姿勢が大切です。

看護師ライター・榎本
私も新卒で入職した総合病院でICU勤務を経験しました。「ICUはハードルが高そう」と感じるかもしれませんが、確かなやりがいと成長を得られる場所でもあります!

ICU看護師の1日ってどんな感じ?リアルなスケジュールを見てみよう!

ICUは忙しい、緊張感がある、というイメージを持つ学生さんも多いと思います。ICU看護師の業務の一例を日勤・夜勤にわけてご紹介します。

ICUの日勤スケジュール(例)
8:15出勤・担当患者さんの情報収集
8:30申し送り
9:00全身状態の観察、バイタルサイン測定、点滴管理
10:00処置・清潔ケア・家族対応など
12:00昼食介助・記録
14:00カンファレンスやリハビリ調整
16:30申し送り・記録の整理
17:30終業
ICUの夜勤スケジュール(例)
16:45出勤・夜間体制の確認・担当患者さんの情報収集
17:00申し送り
18:00夕食介助
20:00モニタリング・薬剤投与・記録
0:00交代で休憩・ナースコール対応
3:00再度観察・処置・記録
6:00採血・モーニングケア・環境整備
8:00朝食介助
8:30申し送り
9:00終業

患者さんの状態によっては突発的な対応も多く、臨機応変な判断が求められます。ただし、急変やトラブルがなければ、残業は少ない傾向です。

ICUのやりがいとつらさは?先輩ナースの声を聞いてみよう

ICUで働く看護師には、やりがいもあれば悩み・苦労もあります。ここでは先輩ナースが感じているリアルな声を紹介します。

ICU看護師のやりがい、メリットは?

幅広い疾患・病態の知識がつく

ICUでは領域を限定せず、さまざまな疾患にかかわる機会があります。
少人数の患者さんをじっくり観察できるのも、学びを深めるうえでメリットといえるでしょう。

急変対応に強くなる

ICUの患者さんは重症度が高いため、急変のリスクも常にあります。そのため、実際に急変対応にあたる機会も多く、心肺蘇生など緊急時の処置スキルを現場で身につけられるのもICUならではの特徴です。

重症患者さんが日に日に回復していく姿を見守れる

人工呼吸器やモニター管理などを通じて、少しずつ表情が戻ったり、反応が返ってきたりする変化を、日々のケアの中で感じ取れます。意識がなかった患者さんが、最終的に自分の足で歩いている姿を見守っていると「この仕事をしていてよかった」と心から思える瞬間があるでしょう。

看護師ライター・榎本
ICUでの看護は「ハードで過酷だ」「勉強することが多い」と言われるので、怖さや心配が先行してしまいがちですが、その分メリットも大きい!「急変に強くなれる」のはICUならではですし、全身の解剖生理が身につくのでスキルアップにつながります。

ICU看護師のつらさ、大変なところは?

患者さんと直接コミュニケーションをとる機会が少ない

ICUに入院している患者さんはコミュニケーションがとれない方も多く、意思疎通が難しく大変だと感じる場合もあります。

プレッシャーを感じやすい

ICUの患者さんは急変が起きやすい状態であるため、常に高い緊張感の中で働かなければなりません。そのため、一般病棟以上に「命に関わっている」というプレッシャーが大きく、それを負担に感じてしまう看護師もいます。

「先輩に見られている」感覚を強く感じることがある

ICUは多くの病院でオープンフロアとなっており、すぐ相談できる安心感もある一方で常に誰かの視線が気になるような環境です。そのため、とくに新人看護師にとっては「常に見られている」と感じやすく、緊張感を高める原因となりやすいです。

看護師ライター・榎本
ICUでは意識がない患者さんが多く、言葉でのコミュニケーションは少なめ。その分、表情や数値の変化から状態を読み取る必要があり、高い観察力と対応力が求められる環境です。静止に関わるプレッシャーもあり、オンオフの切り替えが大事ですね。

どんな人が向いてる?ICUで働く適性チェック

「自分はICUに向いているのかな?」「新卒でいきなりICUって大丈夫?」という声もよく聞かれます。ここでは、ICU看護師に向いている人の特徴や考え方を整理してみましょう。

ICUに向いている人の特徴とは?

  • プレッシャーに強く、冷静に対応できる
  • 観察力やアセスメント力がある
  • スピード感のある現場でテキパキ働きたい
  • 自己研鑽や勉強するのが好き

すべてが当てはまる必要はありませんが、これらの素質がある人はICUで力を発揮しやすい傾向があります。

「ICUは優秀な人しか無理」って本当?

「ICUは優秀な人しか行けない」というイメージを持つ看護学生さんもいますが、そんなことはありません

確かに専門性の高い職場ではありますが、新卒でICUに配属されて活躍している人もたくさんいます。幅広い疾患・領域を扱うICUで働く上で大切なのは、ICUで学び続けたいという姿勢や意欲です。

「ICUに向かないかも…」と思ったら

「責任が重そう」「ついていけるか心配」と思う学生さんがいるのも当然です。自分に向いていないと決めつけず、いろいろなICUの現場を見てみることをおすすめします

新卒をしっかりサポートするICUも多くあります。病院見学会などで雰囲気を確めてみましょう。

病院の見学会・インターンシップに行ってみよう

ICU勤務の先にあるキャリアとは?

ICUは配属ゴールではなく、看護師としての可能性を広げる出発点です。この章では、ICU経験を生かしたキャリアの広がりを紹介します。

ICUでスキルを積んだ人が選ぶ次の道

  • 「クリティカルケア認定看護師」や「急性・重症患者看護専門看護師」の資格取得、救急(ER)への異動などで重症管理の専門性を磨く
  • 循環器内科や呼吸器内科などの病棟へ異動し、継続的な看護を学ぶ
  • NICUへ異動し、新生児の集中治療に関する知識を深める

ICUでの経験は、高度な判断力や観察力、緊急対応力の土台になります。こうしたスキルは、どんな現場でも役立ち、キャリアの幅を広げる大きな強みになるでしょう。

ICU経験は転職するとき有利?

ICUでの勤務経験があると、転職時にも「即戦力」として期待されるケースがあります。特に急性期医療に強い病院では、ICUでの経験は高く評価されやすい傾向があるようです。

まとめ

ICUでは重症度の高い患者さんをケアするため、緊張感の高い職場です。看護師には冷静かつスピーディーな対応、幅広い知識と観察力が求められ、常に学び続ける姿勢が欠かせません。

大変なことも多いですが、その分、確かなやりがいと成長を感じられる機会もたくさんあります。一般の病棟より看護師の配置が手厚いため、先輩のそばで教わりながら安心して学べるのもICUの魅力です。

病院見学会やインターンシップなどで現場の雰囲気を自分の目で確かめ、納得のいく選択ができるように準備を進めましょう。

病院の見学会・インターンシップに行ってみよう

榎本なつみ
看護師ライター
榎本なつみ
看護大学を卒業後、総合病院のICU・CCUで7年勤務。家族看護の大切さを学んだ経験から訪問看護師へ。地域に根ざしたケアで利用者様・ご家族をサポートしながらライターとしても活動。
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