「2交代と3交代、どっちが自分に合ってるの?」
看護学生のみなさんが、就職後の勤務形態について詳しく知る機会は意外と少ないもの。でも、2交代制と3交代制では「働き方」も「生活リズム」も大きく変わります。この記事では、
- 2交代制と3交代制の違い
- 1日のスケジュール
- 1カ月のシフト例
- 2交代制、3交代制のメリット・デメリット
- 先輩たちのリアルな声
などをわかりやすく解説します。自分らしく働ける職場を見つける判断材料にしてください。
知っておこう!看護師の勤務形態とシフトの基本
まずは、看護師の勤務形態の基本や交代制の仕組みについて解説します。
看護師の勤務形態とは?
看護師の勤務形態には日勤だけでなく、夜勤・準夜勤・深夜勤などがあります。夜勤のある勤務形態で代表的なのが「2交代制」と「3交代制」です。それぞれに特徴があり、働く時間も生活リズムも大きく変わります。
| 2交代制 (日勤/夜勤) | 3交代制 (日勤/準夜勤/深夜勤) | |
|---|---|---|
| 勤務の種類 | 日勤/夜勤 | 日勤/準夜勤/深夜勤 |
| 夜勤1回あたりの時間 | 約16時間(休憩・仮眠含む) | 約8時間 |
| 月の夜勤回数 | 4~5回 | 7~8回 |
| メリット | 連休が作りやすい生活リズムが整いやすい | 勤務時間が短く集中しやすいこまめに休みが取れる |
| デメリット | 夜勤の勤務時間が長い仮眠が取れないとハード | 勤務帯の切り替えが多い 生活リズムが崩れやすい |
2交代制と3交代制、どちらが多い?
日本看護協会の調査によると、病院勤務の看護師のうち、約8割が2交代制、約2割が3交代制で働いています。

2交代制が主流となってきている背景には「夜勤の回数を減らせる」「まとまった休みを取りやすい」「3交代制よりもシフト調整がしやすい」などがあるようです。
看護師の2交代制勤務とは?働き方と生活のリアル
2交代制は「日勤」と「夜勤」の2パターンで働くスタイル。夜勤が長時間になる分、休みをしっかり確保できるという特徴があります。
2交代の勤務時間(例)
- 日勤:8:30〜17:00(休憩1時間)
- 夜勤:16:30〜翌9:00(休憩2時間・仮眠あり)
夜勤中の仮眠の取りやすさは、病院・病棟の忙しさや、その日の患者さんの状態などによって異なります。
2交代制の1日のスケジュール例
2交代制勤務で働く看護師の日勤・夜勤、それぞれの1日スケジュール例を見てみましょう。
| 【2交代制・日勤】のスケジュール例 | |||
| 8:30 | 始業・情報収集・夜勤看護師から申し送り | ||
| 9:00 | 午前の病室ラウンド | ||
| 10:00 | 患者さんのケア、検査出し・オペ出しなど | ||
| 11:30 | 配膳・昼食介助・口腔ケア・配薬 | ||
| 12:30 | 休憩 | ||
| 13:30 | 午後の病室ラウンド・患者さんのケア | ||
| 15:00 | 病棟カンファレンス | ||
| 16:30 | 看護記録・夜勤看護師へ申し送り | ||
| 17:00 | 終業 | ||
| 【2交代制・夜勤】のスケジュール例 | |||
| 16:30 | 始業・情報収集・日勤看護師から申し送り | ||
| 17:00 | 病室のラウンド | ||
| 18:00 | 配膳・夕食介助・配薬 | ||
| 19:00 | 休憩 | ||
| 20:00 | 患者さんのケア・就寝前の与薬など | ||
| 21:00 | 消灯・看護記録 | ||
| 23:00~5:00 | 定期的な病室ラウンド、看護記録、翌日の点滴や薬の準備、仮眠など | ||
| 6:00 | 採血・バイタルチェック・病室ラウンド・洗面介助 | ||
| 7:00 | 配膳・朝食介助・配薬 | ||
| 8:00 | 看護記録 | ||
| 8:30 | 日勤看護師へ申し送り | ||
| 9:00 | 終業 | ||
2交代制勤務の1ヶ月シフトパターン例

2交代制のメリット・デメリット
2交代制のメリット
- 夜勤の回数が少ない(月4〜5回程度)
- 明け・休みと公休をつなげて連休にしやすい
2交代制のデメリット
- 夜勤1回あたりの拘束時間が長い(16時間程度)
- 慣れるまで体力的にきつく感じることも
【2交代制】先輩ナースのリアルボイスは?




看護師の3交代制勤務とは?働き方と生活のリアル
3交代制は、「日勤」「準夜勤」「深夜勤」の3パターンで働くスタイルです。1回あたりの勤務時間は短めですが、シフトの切替が頻繁なため、生活リズムの調整が重要になります。
3交代制の勤務時間例
- 日勤:8:30〜17:00(休憩1時間)
- 準夜勤:16:30〜0:30(休憩1時間)
- 深夜勤:0:00〜9:00(休憩1時間)
急性期病棟やICUなどは従来は3交代制が主流でしたが、最近では2交代制が多くなっています。
3交代制の1日のスケジュール例
3交代制勤務でも、日勤の業務内容や時間は2交代制とほぼ同じです。ここでは3交代制の準夜勤・深夜勤のスケジュールを詳しく見てみましょう。
| 【3交代制・準夜勤】のスケジュール例 | |||
| 16:30 | 始業・情報収集・日勤看護師から申し送り | ||
| 17:00 | 病室のラウンド | ||
| 18:00 | 配膳・夕食介助・配薬・口腔ケア | ||
| 19:00 | 休憩 | ||
| 20:00 | 患者さんのケア・就寝前の与薬など | ||
| 21:00 | 消灯・看護記録 | ||
| 23:00 | 病室ラウンド・看護記録 | ||
| 0:00 | 深夜勤看護師へ申し送り | ||
| 0:30 | 終業 | ||
| 【3交代制・深夜勤】のスケジュール例 | |||
| 0:00 | 始業・情報収集・準夜勤看護師から申し送り | ||
| 1:00 | 病室のラウンド・点滴交換・体位交換など | ||
| 3:00 | 病室ラウンド・看護記録 | ||
| 4:00 | 休憩 | ||
| 6:00 | 採血・バイタルチェック・病室ラウンド・洗面介助 | ||
| 8:00 | 看護記録 | ||
| 8:30 | 日勤看護師へ申し送り | ||
| 9:00 | 終業 | ||
3交代制の1ヶ月シフトパターン例

3交代制のメリット・デメリット
3交代制のメリット:
- 1回の勤務時間が短く、集中しやすい
- 日勤帯が多めのシフトにも柔軟に対応できる
3交代制のデメリット:
- 勤務帯の変化が多く、生活リズムが崩れやすい
- 深夜勤に入る前日の休みは休んだ気にならない
【3交代制】先輩ナースのリアルボイス




病院によっては変則交代制勤務も
最近では変則的な勤務形態を導入している病院も増えています。夜勤時間を短くしたり、忙しい時間帯に人手を厚くしたりすることで、看護師の負担軽減と患者ケアの質向上を目指した働き方です。
ロング日勤+短時間夜勤の2交代制
従来の16時間勤務の夜勤を短縮し、負担を軽減したパターンです。
- ロング日勤:8:30〜19:30(10時間勤務・休憩1時間)
- 短時間夜勤:19:00〜翌9:00(12時間勤務・休憩2時間)
2交代制や3交代制に加えて早番・遅番があるパターン
早番・遅番は、朝夕の忙しい時間帯をサポートする役割です。基本的に病棟に1日1人ずつシフトに割り振られ、患者さんを受け持たない代わりにさまざまなフリー業務を担当します。
- 早番:7:00〜16:00(8時間勤務・休憩1時間)
- 遅番:12:00〜21:00(8時間勤務・休憩1時間)
病院によって変則パターンや役割は違うので、就職活動では勤務形態についてしっかり確認してみましょう。
勤務形態はどう選ぶ?就活生に伝えたい2つの軸
2交代制か3交代制のどちらがよいか、正解はありません。大切なのは「自分にとって働きやすいかどうか」。そして、「どんな病棟で、どんな患者さんを看護するか」も含めて検討することが大切です。
ここでは、看護学生のみなさんが就職先を選ぶときの2つの軸をご紹介します。
自分の体力・生活リズムは?
- 長時間集中できるタイプ → 2交代制向き
- 短時間で切り替えたいタイプ → 3交代制向き
- 朝型の人 → 日勤メインや2交代制向きかも
- 夜型の人 → 3交代制の深夜勤務もこなせるかも
休みの使い方・プライベートとの両立は?
- まとまった休みで旅行や趣味を楽しみたい → 2交代制向き
- こまめに働いてこまめに休みたい → 3交代制向き
- 一気に働いて一気に休みたい → 2交代制が向いている傾向
- 家族との時間を重視したい → 連休の取りやすい2交代制向き
- 勉強時間を確保したい → こま切れ時間を活用できる3交代制向きかも

夜勤のない働き方ってあるの?
ちなみに、2交代制・3交代制は主に病棟の勤務スタイルですが、実は看護師の働き方はそれだけではありません。たとえば、次のような職場では「夜勤なし」の働き方も可能です。
日勤のみ(夜勤なし)で働ける職場の例:
- 外来(クリニック・病院)
- 手術室(オペ室)
- 訪問看護ステーション
- 美容クリニック
- デイサービス
新卒では病棟勤務からスタートすることが多いですが、こうした選択肢があることも知っておくとよいでしょう。
まとめ:あなたらしく働ける勤務形態を見つけよう
2交代制にも3交代制にも、それぞれの良さと難しさがあります。大事なのは「どちらがラクか」ではなく、「自分にとって納得できるかどうか」。
就職後の働き方に不安があるのは誰でも同じです。この記事で勤務形態のイメージが湧いたら、ぜひ病院見学や説明会に参加して次のステップへ進んでみてくださいね。

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