「看護師って忙しくて、プライベートの時間なんてないのでは…?」そんな不安を抱える看護学生さんも多いでしょう。
確かに、看護師は夜勤があったりシフト制だったりするため、一般的な企業の休み方とは異なります。しかし、休みがとりやすい病院に就職すれば、しっかり休みを確保することは可能です!
この記事では、看護師の年間休日やシフト制度、有給休暇、新人看護師のリアルな休み方、休みやすい職場の特徴など、気になる「休日事情」をまとめて解説します。働き方のイメージづくりや、病院選びの参考にしてみてください。
看護師の年間休日ってどれくらい?

看護師って実際どれくらい休めるの? まずは年間休日数の平均や有給休暇の取得率、一般企業との違いについて見ていきましょう。
看護師の平均年間休日は?データでチェック
看護師の年間休日数は平均で110日〜120日前後です。
多くの病院では「4週8休制」を採用しています。4週8休制とは、4週間(28日)ごとに最低でも8日間の休日が与えられる制度。約半数の病院が、この制度を取り入れています(日本看護協会「2024年病院看護実態調査報告書」)。
「週休2日制」「完全週休2日制」「4週8休制」の違い
| 制度 | 内容 | 主な職場 |
|---|---|---|
| 週休2日制 | 月に1回以上、週2日の休みの週がある | 看護師の職場ではまれ |
| 完全週休2日制 | 毎週必ず2日の休みがある | 外来・ クリニックなど |
| 4週8休制 | 4週間(28日)の中で8日間の休みがある | 病棟勤務で主流 |
完全週休2日制は、毎週必ず2日の休みが確保できますが、週休2日制は毎週2日間の休みが取れるわけではない点に注意です。
看護学生のうちは聞き慣れない言葉かもしれませんが、年間休日数の仕組みは「どれくらい、どんなふうに休めるか」を知るための重要な情報です。
看護師の有給取得率は?実際にどのくらい取れてる?
「休み」と言えば、制度上の休日に加えて気になるのが有給休暇ですよね。有給取得率は病院のホームページなどで公開されていることもあり、働きやすさのバロメーターにもなります。
日本看護協会によると、看護師の有給取得率は平均69.7%となっています。
ただし、職場や配属先によって差があるのも事実。「うちは新人でもちゃんと取れてる」「取りたいときは相談しやすい雰囲気」など、合同説明会や病院見学などで先輩のお話を聞いたり、クチコミも探してみたりするとよいですね。
他職種と比べると看護師の休みは多い?少ない?
一般企業では「完全週休2日制+年間休日120日以上」の職場も多く、「看護師は一般より休みが少ない?」と感じることがあるかもしれません。
しかし、厚生労働省によると、一般企業の年間休日数は平均で約116日となっており、看護師の年間休日数と変わりありません(厚生労働省「令和6年就労条件総合調査の概況」)。
また、シフト制で働く看護師は、平日に自由な休みを取りやすい・夜勤明けで連休をつくりやすいといったメリットもあります。一般企業とは働き方が異なる分、単純な休日数の比較ではなく「自分に合った休み方ができるかどうか」で考えてみましょう。
勤務形態で変わる「休み方」の違いとは?
看護師の働き方は、勤務形態によって大きく異なります。ここでは、シフト制度や配属先による休日の違いを紹介します。
2交代制・3交代制の違いと、それぞれのシフト例
看護師の主な勤務形態は、以下の2つのパターンです。
| 勤務形態 | 勤務時間例 |
|---|---|
| 2交代制 | 【日勤】8:00~17:00 【夜勤】16:30~翌8:30 |
| 3交代制 | 【日勤】8:00~17:00 【準夜勤】16:30~翌0:30 【深夜勤】0:00~8:30 |
2交代制は夜勤の回数が少なくすむ反面、1回の夜勤時間が長くなります。
一方、3交代制は1回の夜勤時間は短いものの、勤務回数は増える傾向にあります。
いずれも夜勤明けの翌日が休みになるケースが多く、連休のように感じられるのがポイントです。体力が続けば、夜勤明けでそのままお出かけしたり、旅行に行けたりするのも魅力の一つです。
土日祝は休めるの?勤務先や配属による違い
病棟は基本的にシフト制で24時間稼働しているため、土日祝日も関係なく勤務します。ただし、以下のような配属や施設形態では土日や祝日に休みが取りやすくなる傾向があります。
- 外来:病棟と異なり、平日中心の勤務
- クリニック:診療カレンダーにもよるが、祝日休みが多い
- 訪問看護:土日祝休みのステーションもある

新卒1年目でも休める?新人ナースの休日のリアル

「新人でも休み希望って出せるの?」と心配な看護学生さんに向けて、新人看護師の休み事情のリアルをご紹介します。
新人でも有給って取れるの?
新人看護師でも有給休暇は取得可能です。次の2つの条件を満たせば、10日間の有給休暇が付与されることが法律で決まっています。
- 入職後6カ月間勤務する
- そのうち8割以上、出勤できている
しかし、実際には、有給の取りやすさは職場の雰囲気に左右されがち。病院見学やインターンシップに参加した際には、職場のコミュニケーションの様子を観察したり、有給休暇の取得状況について質問してみたりするのもよいでしょう。
希望休って通るの?どのくらい希望できる?
多くの職場では、月に2〜3日程度の希望休を提出できます。 「友だちの結婚式」「家族旅行」など、外せない予定があるときは早めに相談すれば、考慮してもらえるケースがほとんどです。
ただし、繁忙期や大型連休、人手不足のときは希望が通りにくいこともあるので、「お互いに協力し合う風土」があるかをチェックすることが大切です。
連休や長期休暇は取れる?
夏季休暇(3〜5日)や年末年始休暇のほか、通常の休みと有給を組み合わせて3〜5連休を取ることが可能な職場もあります。
「推しのライブで遠征した!」「地元にゆっくり帰省できた」など、連休を上手に活用している先輩もいるようです。
夜勤が始まる前後の“休み感覚”のギャップ
入職してしばらく経ち、夜勤が始まるようになると、休みの感覚も大きく変わります。特に夜勤明けは、勤務扱いながらも自由時間があるため、実質的に休みと感じることも多いです。
とはいえ、疲れてそのまま寝て終わることも多く、モヤモヤするという声も。体調と相談しながら、無理のないスケジュールを組むのがポイントです。
看護師の休日、みんなどう過ごしてる?
ここでは、先輩ナースたちのリアルな休日の過ごし方をご紹介します!
リフレッシュ派?勉強派?先輩たちの過ごし方いろいろ
実際の休日の使い方は人それぞれ。たとえば、先輩たちは以下のように過ごしてリフレッシュしています。
- おしゃれなカフェ巡りや映画鑑賞
- 温泉やホテルステイでひとり時間
- 資格取得や勉強会でキャリアアップ
- 看護とは関係ない趣味(推し活・ライブ・ゲーム)に没頭
平日のお休みなら、普段混んでいる人気のテーマパークや施設もお客さんが少なく、スイスイ楽しめるチャンス! 人混みを避けて優雅な時間を過ごせるのは、シフト制ならではの特権ですね。
夜勤明けは「休み」なのか問題
夜勤明けの朝は「勤務は終わっているけど、休日とは少し違う」という独特な感覚があります。
疲れて帰宅し、そのまま寝て終わってしまうといったことも珍しくありませんが、先輩の中には「お昼過ぎからお気に入りのカフェでのんびり」「買い物に出かけてストレス発散」など上手に気分転換している人もいます。

休みやすい病院の特徴は?就活で見るべきポイント3つ
「休みの取りやすい職場で働きたい!」と思ったときに、どんな点を見ればいいのでしょうか? 就活中にチェックしておきたい3つのポイントをご紹介します。
年間休日だけでなく「有給消化率」はどうか
求人票には「年間休日〇日」と書かれていることが多いですが、実際に有給休暇が使えるかどうかも重要な判断材料です。合同説明会、病院見学、面接などで「新人も有給は取れていますか?」とやんわり聞いてみるのもよいでしょう。
シフトの希望が通りやすい雰囲気かどうか
「希望休は出せますか?」という質問をしてみると、シフトの融通が利きやすいかがわかります。また、病院見学では働いているスタッフの表情や空気感を観察するのもポイントです。特に先輩・後輩関係、上司との会話の様子などがおだやかだと、シフト希望が通りやすいかもしれません。
「働きやすい」と感じた先輩が多いか
「この病院はしっかり休めて働きやすい」「プライベートと両立しやすい」といった先輩ナースの評価は何より参考になる情報です。
- 実習先で接した看護師の対応
- 病院説明会やインターンシップで質問した回答や雰囲気
- SNSやクチコミでのリアルな声
こうした「現場の声」は、本当に働きやすい職場を見つけるヒントになるはず。積極的に情報を集めて、後悔しない転職活動につなげてください。
まとめ:自分らしく働ける職場を見つけるために
看護師は夜勤やシフト制ならではの「休み事情」がありますが、職場の選び方次第で、自分に合ったスタイルは必ず見つかります。
休暇制度・シフト・配属先など、さまざまな視点から「どんなふうに働きたいか」を考えることが、後悔のない就活への第一歩。
合同説明会や病院見学・インターンシップに参加して、リアルな情報を集めてみてくださいね。

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