【図解あり】チームナーシングとは？看護方式の仕組み・特徴・他方式との違いをやさしく解説

チームナーシングは、多くの病棟で採用されている代表的な看護方式です。

この記事では、チームナーシングの特徴、ほかの看護方式との違い、メリット・デメリット、就活でのお役立ちポイントまで、図解をまじえてわかりやすく解説します。

チームナーシングってどんな看護方式？

まずはチームナーシングの基本的な仕組みと他の看護方式との違いを解説します。

チームナーシングの基本的な仕組み

チームナーシングは、リーダーナースを中心に複数の看護師でチームを組み、患者さんごとに役割分担をしながら看護を行う方式です。

勤務ごとに、チームのメンバーやリーダーナースが変わるのが特徴です。情報共有や連携を重視し、チームで効率よく看護を提供します。

他の看護方式との違いは？

それぞれの看護方式には特徴があります。代表的な方式をチームナーシングと比較してみましょう。

看護方式	特徴	チームナーシングとの違い
チームナーシング	リーダーナースを中心にチームで分担・協力して看護を提供する。情報共有と連携が重視される。	ー
固定チームナーシング	同じメンバーで固定チームを組み、同じ患者さんを継続的に看護する。	チームメンバーが変わらないため、情報共有がスムーズでチームで統一したケアが提供可能。
プライマリーナーシング	1人の看護師が1人の患者さんの入院から退院まで一貫して担当する。	チームではなく個人が中心で主体性が発揮される反面、責任が重くなりがち。
モジュールナーシング	看護師2〜3人の小グループ（モジュール）で、患者さんを担当する。PNSに似ている。	チームナーシングより小規模で、より密な連携が必要。
PNS（パートナーシップ・ナーシング・システム）	看護師2人がペアを組んで看護を提供する。	ペアは「対等なパートナー」であり、チームナーシングのリーダーとは異なる。

チームナーシングのメリット・デメリットを整理しよう

どの看護方式にも良いところ・難しいところがあります。ここでは、チームナーシングを実践する中でよく言われる「良い点」「注意したい点」を紹介します。

参考：看護roo!アンケート「あなたの病棟の看護方式、実際どう思うか教えて！」（2024年3月）

チームナーシングの良い点

情報を共有しやすい

リーダーを中心にメンバーが役割を分担して動くため、患者さんに関する情報が自然と集まりやすい仕組みになっています。患者さんの状態や変化をチーム全員で把握しやすいのが特徴です。

業務を分担しやすい

担当する役割があらかじめ決まっているので、仕事の抜けや重複が少なく、効率よくケアを進められます。

新人ナースが相談しやすい

複数の先輩看護師が近くにいることで「困ったときにすぐ相談できる」という安心感があります。

視点の違いからミスを防ぎやすい

複数の看護師が関わることで、患者さんのちょっとした変化にも気づきやすくなり、ミスや見落としの防止に役立ちます。

チームナーシングの注意したい点

リーダーの力量に左右されやすい

リーダーはチーム内の業務分担や指示出し、情報共有の中心的な役割を担います。そのため、判断が遅かったり指示があいまいだったりすると、チーム全体のパフォーマンスに影響することもあります。

情報の伝達ミスが起きやすい

チーム内で情報を共有しやすい一方で、関わる人数が多い分、「あの患者さんの薬が変更になったなんて聞いてない」など、報告漏れや伝達の食い違いが起こりやすく、意図しないミスにつながるリスクがあります。

人間関係のストレスを感じやすい

複数のメンバーが関わるため、相性やコミュニケーションの取り方によってはストレスを感じる場面も。チームの人間関係はが仕事のやりやすさに直結します。

患者さんとの関係が浅くなりやすい

チームで分担してケアするため特定の看護師が継続して同じ患者さんを受け持つことが少なく、患者さんが「誰が担当かわかりにくい」と感じたり、看護師が変化に気づきにくかったりすることがあります。

新人看護師の役割って？チームナーシングではどう動く？

「チームナーシングの現場に配属されたら、私はどんな役割？」。チームの中でのそれぞれの主な役割と、新人看護師の動き方について詳しく解説します。

リーダーナース

リーダーは、主に3年目以上の看護師が担当します。患者さんの状態変化に迅速に対応できる判断力と、メンバーをまとめるコミュニケーション力が必要なため、ある程度の臨床経験が求められるからです。

新人看護師は、リーダーの動きを間近で見ることで「情報収集のコツ」や「報告のタイミング」など、現場で必要な感覚を少しずつ学んでいきます。

サブリーダー

サブリーダーは、リーダーを支えながらケアや記録業務を担当します。リーダー業務の一部を代行することもあり、中堅看護師が担当することが多い傾向です。リーダーとメンバーの橋渡し役として、情報のやり取りや指示の伝達にも携わります。

メンバー

メンバーは、複数の患者を受け持ち、観察、バイタルサインのチェック、処置・ケアの実施、記録など日々の業務の中心を担います。

新人看護師は、この「メンバー業務」の一部を任されることからスタートするのが一般的です。先輩のフォローを受けながら、少しずつできる範囲を広げていきます。

新人看護師

新人看護師は、はじめのうちは受け持ちを持たずに先輩に同行して仕事の流れを覚えていきます。清潔ケアや物品準備、環境整備、申し送りの見学など、基本的な業務を通して現場に慣れていくことがメインとなります。

大切なのは「報告・連絡・相談」を徹底すること。わからないことを素直に聞ける姿勢、メモをとって復習する習慣が信頼につながります。また、チームで働くうえでの基本的なコミュニケーション力を磨く時期でもあります。

成長に応じて少しずつ患者さんを受け持ち、やがてメンバーとして独り立ちしていくのが一般的な流れです。

就活で使える！志望動機や自己PRの例文

チームナーシングについて理解を深めたら、就職したい病院の志望動機につなげてみましょう。

例文1：チームで支え合う働き方に共感

例文2：自分の特性と結びつけてアピール

チームナーシングが合う人・向いてる職場とは？

チームナーシングは「連携」「分担」「情報共有」を大切にする看護方式です。特に次のような人に向いています。

「一人より、仲間と支え合うほうが力を出せる」。そんな看護学生さんには、チームナーシングがぴったりです。見学会やインターンシップでは、看護方式にも着目しながら実際の雰囲気を確かめてみてくださいね。