訪問看護師が働く「訪問看護ステーション」ってどんなところ? ステーションの規模や設置主体による違い・特徴などを解説します。

訪問看護ステーションの画像。訪問看護ステーションは、全国に1万1000カ所あります。(2019年)その数は10年間で2倍以上に増えました。

訪問看護ステーションとは

訪問看護ステーションとは、病気や障害のある方が住み慣れた自宅・地域で療養生活を送れるように、訪問看護サービスを提供する地域の拠点です。

訪問看護師の多くは、訪問看護ステーションに所属・勤務しています。

訪看ステーション数は1万カ所を突破!

訪問看護ステーションの数は、およそ1万1000カ所に上っています(2019年)。この10年で2倍以上に増えました。

特に増えたのは2012年以降です。

訪問看護に対する診療報酬・介護報酬が手厚くなったことで民間企業による開設が増え、その伸びは勢いを増しています。

〈訪問看護ステーションの数の推移〉2019年時点でおよそ11,000カ所。10年間で2倍以上に増えました。

出典:全国訪問看護事業協会

ちなみに、病院は全国におよそ8400カ所です。

コンビニは5.5万店舗、郵便局は2万カ所、中学校は1万校。「訪問看護ステーションの数は、中学校の数と同じくらい」という感覚ですね。

在宅医療が推進される中、訪問看護師の働く場所はどんどん増えているのです。

看護師5人未満のステーションが4割

訪問看護ステーションは小規模な事業所が多く、「看護職員が5人未満」のステーションが全体のおよそ4割を占めています。

〈訪問看護ステーションの看護職員数(常勤換算)〉2.5~3院未満:10.1%、3~5人未満:32.6%。5人未満のステーションが全体の約4割を占めています。

出典:厚生労働省「訪問看護のサービス提供の在り方に関する調査研究事業(平成29年度調査)

ステーションを選ぶときには、小規模か大規模かはチェックしておきたいポイントです。

小規模なステーションの特徴は?

小規模な訪問看護ステーションは、次のようなメリット・デメリットが特徴です。

  • スタッフ間のコミュニケーションが取りやすい
  • 看護の理念を共有しやすく、自分の意見も反映されやすい
  • 病棟で起こりがちな人間関係のトラブルが少なく、アットホームな雰囲気

  • 働き方や休日取得に融通がききにくい、オンコール対応など1人にかかる負担が大きい
  • 受け入れられる利用者さんの人数・病態が限られ、経営効率が低い
  • 職場の人間関係がうまくいかなかったときの逃げ場がない

また、たとえば看護職員3人前後のステーションでは、1人が退職・休職してしまうと、訪問看護ステーションの人員基準「2.5人以上の看護職員」を満たせなくなるリスクが高くなります。

そうなれば、ステーションは休止・閉鎖せざるを得ません。

大規模なステーションの特徴は?

大規模な訪問看護ステーションは、次のようなメリット・デメリットが特徴です。

  • 働き方や休日取得に融通がききやすい、オンコール対応など1人にかかる負担が軽減される
  • 幅広いニーズの利用者さんを多く受け入れられ、経営が安定している
  • 教育・研修体制が比較的手厚い、他スタッフからの学びの機会も多

  • 24時間対応で利用者さんの数も多いため、夜間対応が多く発生する
  • 組織的になるため、自分の意見が反映されにくい
  • 職場の人数が増える分、人間関係のトラブルに気を遣う

国は、高度な機能を安定して担える大規模な訪問看護ステーションを増やそうとしています。

しかし、看護職員が10人以上の大きなステーションは全体の15%ほどで、まだあまり増えていません。

どんなところが運営しているの?

訪問看護ステーションの設置主体は、数年前までは医療法人が大部分でしたが、近ごろは、営利法人(株式会社など)が経営するステーションが増えていて、全体の4~5割を占めます。

ほかには、社会福祉法人医師会・看護協会などの社団法人や財団法人自治体が運営しているステーションがあります。

〈訪問看護ステーションの設置主体は?〉営利法人:42.4%、医療法人:27.5%。企業経営が増えてきています。

出典:厚生労働省「訪問看護のサービス提供の在り方に関する調査研究事業(平成29年度調査)

営利法人が運営する訪問看護ステーションは、医療や福祉分野以外の業種からの参入も少なくありません。

その企業がもともと持っている強みを生かしてサービスを展開しているステーションが多い一方で、安易な開業で短期間のうちに撤退・廃業してしまうケースも指摘されています。

転職先を選ぶ際には、設置主体についてしっかりとした情報収集が大切です。

 

訪問看護ステーションには「単独型」と「病院併設型」がある

訪問看護ステーションには「単独型か、病院併設型か」という分け方もあります。

単独型訪問看護ステーションと、病院併設型訪問看護ステーションのイラスト

「単独型」とは、地域の中に事業所を構えているタイプ。訪問看護ステーションのほとんどは、この単独型です。

「病院併設型」は、病院の敷地内にある・隣接しているタイプ。訪問看護ステーションの2割ほどが病院併設型に当たります。

単独型か病院併設型かで大きな違いはありませんが、

病院併設型のほうが…

  1. 看護師数がやや多い
  2. 利用者数・訪問回数が多い
  3. 重症の利用者の受け入れが多い
  4. 緊急訪問が多い
  5. 医師が院内に入るため連携しやすい

といった傾向がみられます。

病院併設型の場合、法人内の人事異動(病院との異動)で看護師が配置されることも多いようです。

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