「実習先に男性看護師がいなかった…」
「女性が多い職場で本当に自分は大丈夫?」
実習や就活が本格化する中で、そんな不安を抱く男子看護学生は少なくありません。
中には「やめとけ」などの言葉を目にして、不安になった人もいるのではないでしょうか。
男性看護師は少数派ですが、年々、人数は増加しており、さまざまな現場で活躍しています。
この記事では、年収や男女比、現場での強み、病院選びのポイントを分かりやすく紹介します。
男性看護師の実態|割合・将来性・年収
男性看護師は、人数、割合ともに少しずつ増えてきています。
まずは、厚生労働省のデータから男性看護師の現状を見ていきましょう。
男性看護師の割合は?
厚生労働省によると、2024年時点で就業している看護師全体のうち、男性看護師の割合は8.7%です。
一般企業では、正社員全体の男性割合は72.4%となっており、比較すると看護業界の男性比率は低いと言えるかもしれません。
一方で、2014年の男性看護師の割合は6.8%で、10年前より割合は増加。人数で見ても、7万3968人から11万8068人と、1.6倍に増えています。
男性看護師は徐々に増えていることが分かります。
※出典:厚生労働省「令和6年衛生行政報告例(就業医療関係者の概況)」、「令和6年度雇用均等基本調査」

現場でのニーズと将来性
高齢化の進行により医療ニーズは増え続けており、看護職全体の需要は今後も高まっていくと考えられています。
男性看護師の割合も増加傾向にあり、病院や部署によっては男性看護師が多く活躍している場所もあるでしょう。
また、病院によっては男性看護師同士の交流の場が設けられているケースもあり、働きやすい環境づくりに向けた取り組みも行われています。
【年齢別】男性看護師の年収は?他職種・女性看護師と比較
「男性看護師の年収は、女性看護師や他の職業と比べるとどうなの?」と気になる人も多いのではないでしょうか。
厚生労働省の「令和7年賃金構造基本統計調査」によると、男性看護師の平均年収は552万円です。女性看護師の521万1000円、全職種(男女計)の545万6000円と比べると、男性看護師の年収はやや高い水準となっています。
年齢別に見ると、男性看護師の年収が最も高いのは45〜49歳です。40代までは、全職種の平均年収を上回っていますが、50代以降は下回る結果となっています。
男性看護師、女性看護師、全職種の年代別比較は以下の通りです。なお、年収は勤務先や地域、夜勤回数、配属先などによって差があるため、あくまで目安となります。
| 男性看護師 | 女性看護師 | 全職種(男女計) | |
|---|---|---|---|
| 全体 | 552万円 | 521万1000円 | 545万6000円 |
| 20~24歳 | 428万8000円 | 441万7000円 | 361万4000円 |
| 25~29歳 | 501万3000円 | 501万5000円 | 448万2000円 |
| 30~34歳 | 512万5000円 | 485万9000円 | 507万3000円 |
| 35~39歳 | 583万4000円 | 503万3000円 | 556万7000円 |
| 40~44歳 | 601万1000円 | 541万3000円 | 594万7000円 |
| 45~49歳 | 617万9000円 | 553万4000円 | 613万6000円 |
| 50~54歳 | 604万8000円 | 575万2000円 | 633万9000円 |
| 55~59歳 | 590万7000円 | 572万5000円 | 641万4000円 |
| 60~64歳 | 562万3000円 | 499万7000円 | 506万3000円 |
| 65~69歳 | 395万1000円 | 425万7000円 | 401万7000円 |
| 70歳~ | 441万6000円 | 385万9000円 | 352万9000円 |
※データ出典:厚生労働省「令和7年賃金構造基本統計調査」
※平均年収は「きまって支給する現金給与額」×12+「年間賞与その他特別給与額」で算出
※看護師の数値はe-Stat「職種(特掲)第7表」、全職種(一般労働者・男女計)の数値は同調査結果報告の全国・産業計・男女計を参照

男性看護師が活躍している病院を探してみよう
男性看護師のメリットと「やめとけ」の理由

ここからは男性看護師が働く中で感じやすいメリットと、「男性看護師はやめとけ」と言われる理由をご紹介します。
男性看護師ならではのメリットは?
まずは、男性看護師ならではのメリットを見ていきましょう。
- チームにさまざまな視点をもたらせる
看護の現場では、さまざまな年齢や経験、性別などの異なるスタッフがいることで、患者さんへの関わり方や職場内のコミュニケーションに幅が生まれます。男性ならではの視点や気づきは、チームや患者さんにとってプラスになるでしょう。 - 体格・体力を生かしやすい
医療現場では、医療機器の移動、運搬、患者さんの移乗介助や体位変換など、体力が必要になることも少なくありません。そういった場面で、男性の体格が役立つことがあります。 - 男性患者さんに安心感を持ってもらいやすい
男性患者さんの中には、同性のほうが話しやすい、相談しやすいと感じる方もいます。そうした場面で関係性を築きやすいのは、男性看護師のメリットのひとつと言えるでしょう。
このように、女性が多い職場だからこそ、男性の特徴を生かして活躍できる場面があります。
「やめとけ」と言われることのある理由は?
では、「やめとけ」と言われることがある理由はどのようなものなのでしょうか。
- 女性患者さんにケアを断られてしまうことがある
清潔ケアやバルーン交換などでは、羞恥心への配慮から女性患者さんが男性看護師の対応を希望しないことがあります。 - 身近なロールモデルを見つけにくいことがある
男性看護師は、看護師全体では少数派のため、就職先の病院や配属部署によってはロールモデルが見つからず、将来像をイメージしにくいことがあります。 - 配属初期に孤独を感じることがある
職場によっては男性看護師が少なく、働きはじめの時期は悩みを相談できる同性の先輩や同僚を見つけにくいことがあります。
こうした悩みは、個人の能力や姿勢の問題というより職場の環境によって起こるものです。自分を責めず、困ったときに相談できる人やそういった場を持っておくことが大切です。
先輩に聞いた男性看護師「あるある」は?
急性期病棟・3年目
高い場所の備品を取るときや、重いものを運ぶときに真っ先に呼ばれることが多いですね。頼ってもらえるのは嬉しいですが、めんどくさいときもあります(笑)
整形外科病棟・2年目
更衣室が病棟から少し離れた場所にあって、最初は地味に不便だなと感じました。でも、人が少ないぶん落ち着けるので、慣れると逆に気楽でした
内科病棟・4年目
定期的に患者さんから医師と間違えられます
精神科病棟・5年目
女性患者さんに、ケアを断られてしまうことがたまにあります。でも、それはしょうがないことだと受け止めています
急性期病棟・1年目
配属されたばかりの頃は、休憩中の会話に入りづらくて少し孤独を感じることもありましたが、すぐに馴染めました
女性が多い職場で良好な関係を築くには?
女性が多い職場に不安を感じる人もいるでしょう。
ただ、過度に意識して、特別なことをしようとする必要はありません。
それでも、「どうしても心配…」という人に向けて、気持ちよく働くために意識しておきたいポイントを紹介します。
- 清潔感のある身だしなみを意識する
髪型やヒゲ、制服の着こなしなど、身だしなみはしっかりと整えましょう。清潔感があると、患者さんだけでなく、同僚にも安心感を与えられます。 - 性別で壁を作らず、チームの一員として動く
「男性だから」と自分から壁を作らず、一人の看護師としてチーム意識を持って、患者さんのケアに取り組みましょう。 - 相談できる先輩や仲間を見つけておく
配属されたばかりの時期は、誰でも不安を感じやすいものです。同性・異性に関わらず、気軽に相談できる先輩や同期がいると、悩みを抱え込みにくくなるでしょう。 - 陰口やうわさ話には加わらない
陰口やうわさ話を聞くこともあるかもしれません。話に流されず、中立的な姿勢を保つことが、余計なトラブルを避けるポイントです。
男性看護師におすすめな診療科とキャリア

ここからは、男性看護師が活躍しやすい診療科と、考えやすいキャリアアップの方向性をご紹介します。
男性看護師が活躍しやすい診療科
- 救急科・救命救急センター
24時間体制で患者さんの受け入れを行う現場で、迅速な判断力とチームでの連携が求められる部署です。体力と精神力、気持ちの切り替えやプレッシャーの中でも冷静に対応する力が求められます。 - 精神科
興奮が強い患者さんへの安全確保や、男性特有の悩みを抱える方への対応など、さまざまな場面で男性看護師が役割を発揮することがあります。 - 手術室(オペ室)
手術の準備や介助、医療機器のセッティングなど専門性が求められる部署です。長時間の手術や患者さんの移乗など、集中力と体力の両方が求められる場面があります。 - 整形外科・脳神経外科・リハビリテーション科
寝たきりや身体に麻痺がある患者さんがいるため、移乗や体位変換といった介助が必要になりやすい部署です。男性の体格を生かすことで、患者さんを安全に支えられるでしょう。 - 泌尿器科・男性専門外来
泌尿器科や男性専門外来では、排尿の悩みや身体のデリケートな症状など、患者さんが同性に相談したいと感じる内容も少なくありません。男性看護師だからこそ「任せやすい」と感じてもらえる場面もあるでしょう。
おすすめのキャリアプラン
まずは自分の興味がある診療科で経験を積むことが大切です。さらに、その分野の専門性を高めていくと、キャリアプランを考えやすいでしょう。
たとえば、「精神科で精神看護を深める」「救急で急性・重症患者への対応力を磨く」など、特定の分野で知識や技術、経験を積み重ねていくイメージです。
将来的に、専門看護師や認定看護師などを目指せば、専門分野の強みをさらに深めていけるでしょう。
また、「働く環境づくりにも興味がある」「組織の中でキャリアアップしたい」といった人は管理職を目指すという道もあります。
まずは「どの分野に興味があるか」「どんな働き方をしてみたいか」を考え、その経験が積めるかを意識して就職先を選ぶとよいでしょう。
男性看護師の病院の選び方|後悔しないためには?
男性看護師は少数派であるからこそ、自分に合った職場を見つけることが大切です。
説明会や病院見学でのチェックポイント
説明会や病院見学では、次のポイントを意識してみましょう。
- 病院の規模と男性看護師の数
大学病院や大規模な総合病院など、看護師全体の人数が多い病院では、男性看護師も比較的見つけやすい場合があります。同期や世代の近い男性がいれば、同性として悩みを相談しやすいこともあるでしょう。 - 男性看護師がどのようなキャリアを歩んでいるか
男性看護師がどのような部署で働き、どのようにキャリアアップしているかが分かると、入職後の自分が働くイメージもしやすくなります。目標が明確になると、モチベーションの維持にもつながるでしょう。 - 男性看護師の配属状況
「特定の部署だけに男性が固まっていないか」「希望すれば幅広い診療科を経験できるか」を確認しましょう。男性が幅広く在籍しているかは、病院の受け入れ体制を知るポイントとなります。 - 更衣室や休憩室の設備環境
毎日使う場所だからこそ、「居心地の良い環境か」も重要です。男性用更衣室が極端に狭かったり、病棟から遠すぎたりしないか、実際に足を運んでチェックしておくと、入職後のストレスを減らせるでしょう。

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先輩男性看護師は病院をどう選んだ?
精神科病棟・3年目
最初は規模の大きさだけで選ぼうとしていましたが、見学の際に男性の副看護部長さんとお話しする機会があり、キャリアの相談に親身に乗ってくれました。「スタッフに男女間の壁がなく、オープンな環境だと」とおっしゃっていたのが決め手になりました
救急外来・2年目
就業体験で、男性看護師が女性スタッフと生き生きと連携している姿を見て安心しました。更衣室も新しくて綺麗で、休憩時間にリラックスして過ごせている先輩たちの様子が好印象でした
一般外科病棟・2年目
男性が少ない職場だと、教育体制が不安でした。でも、この病院には「男性看護師の会」「院内サークル活動」のような横のつながりがあり、他部署の先輩とも交流できると聞いて入職。実際に、科を超えて相談できるアニキ的な存在がいて助かっています
救急外来・2年目
学生のときから周りには女性ばかりで、特に抵抗感もなかったので、男性看護師の在籍数はあまり気にせず、見学して魅力を感じた病院に入職しました。
大切なのは、あなたが「ここで頑張りたい」と思える職場を見つけることです。先輩の体験談を参考に、大切にしたい軸を検討してみましょう。
まとめ
男性看護師は少数派ではありますが、現場で強みを発揮できる場面も多くあります。
今回紹介した実態やポイントを参考にしながら、あなたが働きたいと思える病院を探してみてください。
実際に働いている先輩男性看護師の志望理由や仕事内容を見ることも、入職後のイメージを固めるヒントになるでしょう。

男性看護師の活躍をチェックしてみよう






