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小児科看護師とは?仕事内容・向いてる人・やりがい

小児科看護師とは?仕事内容・向いてる人・やりがいをわかりやすく解説

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就活中、「小児科の看護師はどんな仕事をするんだろう?」「子ども好きだけじゃだめかな?」と悩むことがあるかもしれません。

この記事では、小児科看護師の仕事内容、向いている人の特徴、やりがいまで、就活に役立つ情報をわかりやすく解説します。自分に合う職場選びのヒントとして、ぜひ最後まで読んでみてください。

小児科看護師ってどんな仕事?

小児科看護師には、小児領域の知識やスキルはもちろん、子どもたちの成長に「寄り添う心」が求められます。まずは小児科看護師の役割や仕事内容について見ていきましょう。

小児科看護師の役割

小児科の対象は病院やクリニックによって差がありますが、一般的に「0歳から15歳前後の子どもです。

※日本小児科学会は、小児を「成人するまで」と定義し、青年期(思春期以降)の医療も小児科医が担うべきと提唱しています。

小児看護では、乳幼児から思春期まで、年齢や発達段階に応じたコミュニケーションや接し方が大切です。言葉でうまく症状を伝えられない子も多く、表情やしぐさを観察しながら状態を把握するアセスメント力が求められます。

また、保護者との関係づくりも重要な役割のひとつです。

小児科で扱う主な疾患

小児科とひとくちに言っても、対象となる疾患は多岐にわたります。

小児科の主な疾患

  • 感染症
    :インフルエンザ・胃腸炎・RSウイルスなど
  • 呼吸器疾患
    :気管支炎・肺炎・気管支喘息など
  • アレルギー性疾患
    :アトピー性皮膚炎・食物アレルギーなど
  • 血液・腫瘍疾患
    :小児がん・貧血など
  • 神経・発達関連
    :熱性けいれん・発達障害など
  • 先天性疾患
    :心室中隔欠損症・ネフローゼ症候群など

小児科病棟の患者さんの中には、入退院を繰り返すケースや、長期入院が必要なケースも少なくありません。

小児科看護師の仕事内容

病棟勤務の小児科看護師の仕事は多岐にわたります。たとえば次のようなものがあります。

  • 医師の診療補助
    医師の診察や検査、処置をサポートします。子どもは病院に恐怖心を抱きやすく、泣いたり動いたりすることも多いため、安心できるような声かけや気を逸らしたりする工夫が必要です。
  • バイタルサイン測定
    体温や脈拍、呼吸などから体調の変化を把握し、重症化の予兆を見逃さないよう観察します。
  • 点滴・内服薬の管理
    医師の指示に基づき、投薬や点滴を行い、効果や副作用を観察します。
  • プレパレーション
    注射や検査を前に、不安や恐怖を和らげるよう子どもに説明し、納得・安心できる準備をします。(例:人形を使った説明、絵本での解説、「がんばったねシール」などの工夫)
  • 日常生活の援助
    食事、排泄、清潔ケアなど、年齢に応じて必要なサポートを行います。
  • 遊びや関わりを通じた心のケア
    おもちゃや絵本、会話などを通して、入院生活を前向きに過ごせるよう支援します。
  • 家族への対応・支援
    病気の子どもを見守る保護者は、ちょっとした変化にも敏感で、不安や緊張から感情的になることもあります。その気持ちを受け止めながら、わかりやすく丁寧に説明し、信頼関係を築いていくことも大切な仕事のひとつです。

小児科看護師はどこで働く?

小児科看護師が活躍できる場を紹介します。

  • 小児病棟・混合病棟
    もっとも多くの看護師が勤務する場所で、入院中の看護が中心です。
  • 外来・クリニック
    診察や処置の介助、予防接種や健診の対応などを行います。短時間の関わりの中でも安心感を与える接遇力が求められます。
  • NICU(新生児集中治療室)
    低出生体重児や重症新生児のケアを行う高度医療の現場。専門性が高く、より細やかな観察力やケアが求められる職場です。
  • GCU(新生児回復治療室)
    NICUでの治療後、もう少し医療的サポートが必要な新生児を退院に向けてサポートします。必要に応じて母児同室による退院前トレーニングなども行います。
  • PICU(小児集中治療室)
    重篤な状態にある子どもなどを24時間体制でケアする集中治療の現場。高度な判断力とチーム医療が求められます。
  • 訪問看護・在宅支援
    医療的ケア児などが自宅で安全に過ごせるよう支援します。医療機関や行政、保育施設など多職種との連携が求められます。

小児科看護は、子どもの命と成長に関わる責任ある仕事。だからこそ、大きなやりがいを感じられる現場でもあります。

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小児科看護師の1日のスケジュール例

小児科病棟で働く看護師の1日の勤務例を見てみましょう。

小児科看護師のスケジュール例(日勤)
8:30情報収集・夜勤看護師から申し送り
9:00バイタルチェック・観察・点滴・処置・吸入・おむつ交換など
10:00医師の回診介助・検査介助・プレパレーション
11:00遊び支援(保育士と連携)・入浴ケアなど
12:00食事介助・与薬・看護記録
13:00交代で休憩
14:00バイタルチェック・観察・午前できなかったケアなど
15:00カンファレンス・面会対応(家族への説明や報告など)
16:30看護記録・夜勤看護師へ申し送り
17:30退勤

子どもたちの生活リズムに合わせた柔軟な対応が求められます。

小児科看護師に向いている人・向いていない人

「子どもが好き」という気持ちはもちろん大切ですが、それだけでは続けられないことも。ここでは小児科看護師の適性を考えるヒントを紹介します。

小児科に向いている人の特徴5つ

  1. 子どもと関わることが好きで根気強い
    子どもはすぐに打ち解けてくれるとは限らず、泣いたり反応が薄かったりすることもあります。焦らずゆっくり関わる姿勢が大切です。
  2. 相手の気持ちをくみ取るのが得意(非言語のサインにも敏感)
    子どもは症状や気持ちをうまく言葉で伝えられません。表情やしぐさ、泣き方などから体調や感情を読み取る力が必要です。
  3. 家族との信頼関係を築ける
    保護者の不安に寄り添いながら、丁寧に説明したり、安心感を与える関わりが求められます。
  4. 突発的な状況にも柔軟に対応できる
    子どもの急な発熱や嘔吐など、予期せぬ出来事に落ち着いて対応できる冷静さがあると安心です。
  5. チームで協力しながら働くのが好き
    医師や保育士、リハビリスタッフなど、多職種と連携する場面が多いため、協調性や報連相の意識がとても大切です。

「小児科は向いてない」と感じやすい人は?

  1. 泣き声や騒がしさにストレスを感じやすい
    小児病棟では泣き声や大きな声が日常的です。音やにぎやかさに敏感な人には負担になることもあります。
  2. 子どもと関わることに苦手意識がある
    子どもとの関わりに戸惑いや不安がある場合、最初は働きにくさを感じることも。ただし経験を積む中で変わることもあります。
  3. 感情移入しすぎて引きずってしまう
    子どものつらそうな姿を見ると、自分まで涙が出てしまうー。そんな優しい気持ちはとても大切ですが、感情を引きずりすぎてしまうと心が疲弊してしまいます。セルフケアや気持ちの切り替えも必要です。

ただし、初めは苦手に感じても努力や経験で変わっていくこともあります。上の点を参考にしつつ、自身の興味・関心をあらためて考えてみてください。

自分に向いているか不安なあなたへ

小児科看護の現場でよくある場面を想像してみると、自分なりの考えや気持ちが見えてきて、適性への不安が和らぐことがあります。

  • 不安そうな子どもに接するとき、まず何を大切にしたい?
  • 医療処置を怖がる子どもにどう説明して安心させたい?
  • 保護者が感情的になったとき、自分ならどう対応する?
  • 子どもが退院したとき、どんな気持ちになれそう?

こうした問いに「自分ならこうしたい」と考えてみることが、小児科看護師への第一歩になります。「患児とどう関わりたいか」を考えることで、あなたの「就活の軸」が見えてくるでしょう

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小児科看護師のやりがいと魅力

実際に働く小児科看護師の声をもとに、小児科ならではの魅力を紹介します。

小さな成長に寄り添える喜び

大学病院 小児科病棟・3年目
泣いてばかりだった子が勇気を出して治療に向き合ったり、年下の子に優しく接したり、子どもたちは入院中でも日々成長していきます。その一歩一歩を支えられるのは小児看護ならではの魅力だと思います。

退院の瞬間が心に残る

公的病院 小児科病棟・4年目
子どもたちが元気になって笑顔で退院していく瞬間は、本当に嬉しいです。退院後も『元気にしてるよ!』と手紙や写真を送ってくれたりして胸がいっぱいになります。

幅広いスキルが身につく

小児医療センター・3年目
人の心に寄り添う力が自然と身につく領域だと思います。あとは子どもとのコミュニケーション力、保護者への説明スキル、緊急時の判断力など、他分野でも活かせる力が自然と磨かれます。

小児科看護師の大変なこと・乗り越え方

やりがいが大きい分、小児科看護師には独特の難しさもあります。子どものケアは予測がつきにくく、保護者の感情にも寄り添う必要があります。

子どもだけでなく家族とも向き合う難しさ

PICU/NICU勤務・3年目
不安で感情的になる保護者の方もいて、最初は戸惑いました。でも先輩に『まずは気持ちを受け止めることから』と教えてもらい、丁寧に説明することを心がけるようになってから、信頼関係を築けるようになりました。

感染リスクや繊細な対応が求められる現場

総合病院 小児科病棟・5年目
小児科は、感染対策の難しさがある分野です。子どもは免疫力が弱いので集団生活による感染症の広がりも早い。だから日常のケアにも常に神経を使うし、子どもの心身に寄り添った“やさしくて正確なケア”が求められます。

乗り越えるヒント|先輩の工夫&メンタルケア

大変な場面があるからこそ、気持ちを整理したりリフレッシュしたりする工夫が大切です。

  • 何でも相談できる先輩がいる職場を選ぶ
  • 悩みを話せる同期や友人と定期的に話す
  • 気持ちを切り替えるルーティン(趣味・休息)を持つ

「しんどい」と思ったときに、抱え込まずに吐き出せる場所があること。それだけで安心感が大きく違います。

小児科看護師の給与・待遇とキャリアパス

小児科看護師として働く上で気になるのが給与や待遇。どんな将来像が描けるのかを含めて紹介します。

小児科看護師の給与・待遇は?

小児科看護師の年収は、他の診療科と大きくは変わりませんが、勤務先によって差があります。

  • 平均年収
    およそ400万〜500万円程度(夜勤の有無や地域によって差がある)
  • 勤務先別の違い
    大学病院や大規模病院は各種手当が充実し、年収は高めの傾向。研修制度も手厚いことが多いです。一方、クリニックや保育施設の給与はやや低めですが、日勤のみで生活リズムが安定しやすい特徴があります。

病院見学や説明会では、「休暇制度」「サポート体制」「福利厚生」なども併せてチェックしましょう。

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小児科看護師のキャリアパスは?

小児科で経験を積んだ看護師の代表的なキャリアパスは次の通りです。

小児のスペシャリストを目指す

小児プライマリケア認定看護師小児看護専門看護師を目指し、現場リーダーやマネジメントとして活躍する道です。小児特有の観察力やプレパレーションのスキルが強みになります。

新生児看護に特化する

NICUや周産期母子医療センターで新生児に特化してケアを深める道も。小児科での繊細な観察と緻密なケア経験が生かされ、新生児集中ケア認定看護師も目指せます。

訪問看護師として地域で支える

医療的ケア児や慢性疾患を持つ子どもの在宅療養をサポート。多職種連携や家族支援の経験が地域で活かされます。

ジェネラリストとして幅広く経験する

成人看護も経験し、幅広い年齢層に対応できる看護師を目指すこともできます。将来的に、教育・管理職などへの道にもつながります。

保育園で健康管理や保育にかかわる

子どもの体調管理やケガ対応だけでなく、保育士と連携して日常生活の安心を支える仕事です。

ツアーナース・イベントナースとして活躍する

修学旅行やスポーツ大会、地域イベントなどに同行し、子どもたちの安全を守る役割を担います。一次対応力と柔軟な判断力が求められます。

小児科看護師を目指すあなたへ|就活・志望動機のヒント

「小児科を志望する気持ちはあるけれど、どう伝えればいいかわからない」「面接で何を聞かれるの?」。ここでは、小児科看護師の志望動機の考え方や、よくある質問への答え方のコツなど、就活にすぐ役立つ情報をまとめました。

志望動機のポイントと例文

小児科を志望する動機を書くときに大切なのは、「子どもが好き」だけで終わらせないことです。以下の3つの視点を意識すると、深みのある志望動機になります。

  1. 実習やアルバイトでの具体的な経験
    小児実習で印象に残ったエピソードがあれば、学びや気づきと一緒に伝えると効果的です。
  2. 子どもとその家族にどう関わりたいか
    子どもだけでなく家族も含めたケアを意識しているかが重要なポイントです。
  3. 自分の強みがどう活かせるか
    観察力、共感力、説明力など、自分が持っているスキルや性格を小児看護にどう活かしたいかを伝えましょう。

例文:

実習で小児科を経験した際、不安で泣いていた子どもにプレパレーションを通じて安心してもらえたことが印象に残っています。この経験から、子どもの目線に立って関わることの大切さを学びました。

また、保護者の方がほっとした表情で感謝を伝えてくださったことで、家族全体への支援の重要性も実感しました。

持ち前の観察力と共感力を活かし、子どもとその家族にとって安心できる存在になれるよう、小児科看護師として成長していきたいと考えています。

面接でよく聞かれる質問と答え方のコツ

就活中の看護学生が面接でよく聞かれる質問と、その答え方のポイント・例文をセットで紹介します。自分の体験や考えと照らし合わせて、準備の参考にしてください。

実習で不安そうな子どもに寄り添い、笑顔を見せてもらえた経験が忘れられず、病気と闘う子どもの支えになれる小児看護の魅力を実感し、この分野を志望しました。

Point

実習などの経験や印象的な出来事をもとに、関心を持った理由を具体的に説明しましょう。

まずは安心できるように、子どもの目線に合わせてしゃがみ、気持ちを受け止めます。そして好きなキャラクターの話をしたり、手遊びを取り入れたりして、子どものペースに合わせながら信頼関係を築いていきます。

Point

子どもの不安に寄り添いながら、安心感を与える工夫があるかを伝えましょう。

お子さんを心配するあまりの感情だと理解し、まずは「ご心配ですよね」と気持ちを受け止めます。その上で、現在の状況や今後の見通しをわかりやすい言葉で丁寧に説明し、少しでも安心していただけるよう努めます。

Point

感情的にならず、背景にある不安や心配に寄り添うという姿勢を示しましょう。

 私は観察力に自信があり、小さな変化にも気づくことが得意です。子どもは言葉で症状を伝えるのが難しいため、表情やしぐさ、泣き方の違いなどから体調や気持ちの変化を読み取り、早期に適切な対応ができるよう活かしたいと思います。

Point

自身のスキルや性格と小児科看護の業務を結びつけて説明しましょう。

まとめ|小児科看護師は子どもと一緒に成長できる仕事

小児科看護師は、ただの「子ども好き」では続けられませんが、それ以上に得られるものがたくさんあります。自分の気持ちと向き合いながら、未来の姿をイメージしてみてくださいね。

小児科看護師を目指せる病院の見学会やインターンシップなどを通じて、あなたのやりたい看護を見つめてみましょう!

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佐々木雅子
看護師ライター
佐々木雅子
新卒で大学病院に入職後、看護師として放射線科・整形外科・デイサービス・幼稚園などさまざまな職場を経験。現在は看護師資格を活かしてライター・編集者として活動中。
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