看護学生のみなさんが就職活動をしている中で、「看護師の就活って落ちることあるのかな?」「面接で落ちたらどうしよう」と心配になることはありませんか?
また、なかなか希望の内定がもらえず、「就活で落ちているのは私だけ?」「このまま就職が決まらないかもしれない…」と焦り、悩んでいる方もいるかもしれません。
この記事では、そんな心配や不安に向き合い、これからできる面接対策をお伝えします。もし就活に自信をなくしかけていても、この記事を読んで、ちょっとずつ前を向く元気を取り戻していきましょう。
「就活で落ちたのは私だけ…?」と不安なあなたへ

就活が思うように進まないと「周りはうまくいっているのに、なぜ?」「自分には何か欠けているのではないか」と不安な気持ちにもなるでしょう。
でも、まず知ってほしいのは、「就活で落ちる=自分がダメ」というわけではないということです。
看護師は人手不足が続いており、「就職しやすい」「すぐ決まる」といったイメージもたしかにあるでしょう。
ただ、新卒採用では人気病院に応募が集中する傾向があり、実際には、倍率が高くなるケースもあるのが現実です。
さらに、最近では入職後の早期離職を防ぐために「うちの病院に合う人かどうか」をしっかり見極めようとする病院も増えてきました。そのため単にスキルや成績だけを基準にするのではなく、個人の価値観や志向なども重視されるようになっています。
つまり、不採用になったからといって「あなたがダメ」なわけではありません。病院側の選考基準が多様化している中で、たまたまその病院とマッチしなかっただけなのです。実際、複数の病院に落ちた後に志望度の高い病院に内定した学生も少なくありません。
先輩たちの体験談


先輩たちも同じような経験をして、最終的には納得できる就職先を見つけています。なぜうまくいかなかったのかを振り返り、次につなげることで必ず道は開けるはず。まずは、よくある「うまくいかない理由」を確認してみましょう。
就活で不採用になる看護学生 5つの特徴

面接で不採用になる看護学生に多く共通する5つの特徴をまとめました。あくまで「よくある傾向」であり、どれかに当てはまったからといってダメということではありません。大切なのは、気づいて修正することです。
自己分析が浅く、志望動機や自分の強みが伝わらない
自己分析が足りないと、あなたの熱意や良さがいまひとつ伝わりきらないことがあります。
たとえば、なぜ看護師をめざしたのか、どんな看護をしたいのか、自分が看護師に向いていると思えた瞬間はー。こうした問いに向き合ってみることで、あなただけの想いや経験が志望動機に深みを与えてくれます。
病院の理念や看護方針に共感したポイント、実習で印象に残ったケアの場面、自分が大切にしたい看護観など、自分の言葉で語れるエピソードを用意しておくと、説得力がぐっと増します。
自己分析のやり方の記事もぜひ参考にしてみてください。
面接での表情や態度が硬い・会話が続かない
緊張してしまうのは当たり前ですが、笑顔がない・面接官と目を合わせない……といった態度は、面接官に「この子、コミュニケーションは大丈夫かな?」と不安を与えてしまうことも。
模擬面接などの練習で、非言語の印象もチェックしておくのがおすすめです。
病院研究が足りず、志望度が低く見える
面接で「うちの病院の特徴は何だと思いますか?」と聞かれて答えられない……というのは意外と多いミスです。パンフレットやHPを見るだけでなく、説明会・病院見学・実習などで得たリアルな実感も踏まえて準備しておきましょう。
基本的なマナーや言葉遣いに不安がある
基本的な敬語の使い方や立ち居振る舞いは、たとえ短い面接でもしっかり見られています。「~させていただく」「貴院」といった言葉遣いが自然に使えるか、自分でも練習しておくと安心です。
自信のなさが伝わってしまっている
自己紹介で声が小さい、質問に対して否定的な言い方が多い、うつむきがち……。こうした印象が続くと、あなたの本来の魅力が正しく伝わりません。
完璧でなくても、「これは頑張ってきた」という自分の強みを素直に伝える姿勢が大切です。下の記事で紹介している「好感度がアップする話し方」もぜひ意識してみてください。
もしも就活で落ちてしまったら|気持ちの切り替え3ステップ

面接で不採用の連絡が来たとき、落ち込むのは当然です。でも、その経験を次につなげることができれば、就活は必ず前に進みます。
ここでは、落ち込んだ心を整えながら、次に向かうための3ステップを紹介します。
ステップ1:まずは落ち込んでも大丈夫
就活がうまくいかないとき、「なんて自分はダメなんだろう」「もっと準備すればよかった」と落ち込んだり、後悔したりするのは当然です。
実習や課題で忙しい中、あなたが就活にも懸命に向き合ってきたからこそ、余計につらい気持ちになるでしょう。
すぐには立ち直れず、とことん落ち込んでしまったとしても大丈夫です。気持ちに蓋をせず泣いたり、誰かに気持ちを吐き出したりするのも、また次のチャレンジに向かうために意味のあることです。
落ち込んでいる自分を責めてしまう人もいますが、無理やり前向きになる必要はありません。ちょっと疲れてしまったなと感じたら、いったん就活のことから離れて、自分のための時間を過ごすのも一つの方法です。
ステップ2:面接内容を振り返ってみる
少し気持ちが落ち着いてきたら、できるだけ記憶が新しいうちに、面接の様子を振り返ってみましょう。
- どんな質問があったか
- 自分の答え方に迷いはなかったか
- 表情や態度はどうだったか
思い出して簡単にメモするだけでも考えが整理され、次回の改善につながります。
もし自分だけで振り返るのが難しければ、学校の就活指導の先生に相談してみるのもおすすめです。面接官の視点や、どんな部分が評価につながるのかアドバイスをもらえることもあります。
ステップ3:次の準備を始める
次に受ける病院に向けて、志望動機を見直したり、模擬面接をお願いしたり、できることから少しずつ準備を始めてみましょう。
このとき、「自分に合った病院ってどんなところだろう?」ともう一度、立ち止まって考えてみるのも大切です。自己分析を深めてみると、これまで見えていなかった病院や働き方に気づけることもあります。
実は、志望していた病院と自分の適性が少しずれていた…というケースも少なくありません。視野を広げてみることで、あなたに本当に合った職場が見つかるかもしれません。
次の面接に備える確認ポイント
気持ちを切り替えられたら、今後の面接に向けて次のようなポイントをゆっくり確認してみてください。すべて完璧にできている必要はありません。「ちょっと足りなかったかな」と思う部分があれば、そこから始めてみましょう。
志望動機・自己理解
- なぜこの病院で働きたいかを自分の言葉で説明できる
【準備の方法】病院のHP・パンフレットを読み、自分の価値観との共通点を見つける - 病院の特徴を3つ以上知っている
【準備の方法】 病院のHP・パンフレットを読んだり、病院見学に参加したりして見つけ、話せるようにしておく - 自分の強みを看護の場面と結びつけて話せる
【準備の方法】 実習やアルバイトでの具体的なエピソードを用意し、1分で話せるよう練習する - 実習での学びを具体的に語れる
【準備の方法】 印象深かった患者さんとのエピソードを振り返り、そこから得た学びを言語化しておく
面接の実践面
- 基本的なマナー(敬語・姿勢)を意識できる
【準備の方法】 面接の基本的なマナー(ノック、挨拶、着席など)を一通り練習する - 模擬面接を経験しておく
【準備の方法】学校の先生や友人、家族に面接官役をお願いして練習する - 逆質問を2〜3個用意している
【準備の方法】「新人研修について」「職場の雰囲気について」など、働く上で知りたいことをリストアップしておく
気持ちの準備
- 成績について聞かれても前向きに答える準備ができている
【準備の方法】もし成績に自信がない場合でも 「成績は振るわなかったが、実習では○○を学んだ」など、経験を学びに転換した回答を用意する - もし不採用になった場合の次のステップを考えている
【準備の方法】第2志望、第3志望の病院をリストアップしておき、応募スケジュールを確認する
できていない項目があっても大丈夫です。 一つずつ、あなたのペースで準備していけば確実に前進します。完璧を目指さず、「少しずつ良くなっている」と感じられることが大切です。
就活で落ちる?よくある質問Q&A
明確な正解はありませんが、「3~5つの病院を受けて内定をもらえた」という声も多くあります。中には、10病院以上受けてようやく内定を得たというケースも。
あなたに本当に合った職場を見つけるまでのプロセスだと捉えて、自分のペースで進んで大丈夫です。
成績だけで合否が決まることは少ないでしょう。ただし、応募が集中する人気病院や学力も重視される大学病院では、提出した成績証明書も重要な判断材料になることがあります。
とくに「実習評価」や「基礎看護の成績」が低いと、「この学生は現場対応に不安があるかも」と見られてしまう可能性もゼロではありません。
だからこそ、面接では「どう行動して改善してきたか」を自分の言葉で説明できることが大切です。
例: 確かに成績は振るわなかったのですが、そのぶん実習では先輩の声かけを丁寧に観察し、対応力を磨きました。
例のように、弱み→行動→成長の流れで伝えられると、前向きな印象につながります。
面接後に「これって落ちるフラグかも…?」と心配になってしまうこともあるでしょう。ただ、一見「フラグ」に見えることでも、実際にはさまざまな理由が考えられるため、面接中の出来事だけで合否を判断するのは不可能です。
- フラグ1)面接時間が短かった?
「興味を持ってもらえなかった」と感じがちですが、面接官が効率的に進める方針だったり、すでに十分な情報を得られていたりする場合もあります。短時間であなたの良さがしっかり伝わっているケースも。 - フラグ2)面接官の表情が硬かった・笑顔がなかった?
「きっと印象が悪かったんだ」と思ってしまいますが、面接官の個性や病院の面接文化による可能性が高いです。真剣に話を聞いているからこそ、真面目な表情をしている面接官もいます。 - フラグ3)質問が少なかった?
「もう合否が決まっているのでは」と不安になりますが、書類選考の段階で十分に情報を得られていたり、あなたの回答が的確で追加質問が不要だったりすることもあります。 - フラグ4)『何か質問はありますか?』の時間がなかった
「期待されていないサイン」と感じるかもしれませんが、時間の都合や、すでに十分な情報交換ができたと判断している場合もあります。 - フラグ5)合否の連絡時期について説明がなかった
「採用の連絡予定がないから?」と心配になりますが、病院によってはシステマチックに進めるため、個別の説明は省くところもあります。
面接官も人間ですし、病院それぞれに面接のスタイルがあります。ネット上の「このサインが出たら確実に落ちる」といった情報に振り回される必要はありません。
面接中に緊張するのは当然で、多くの学生が経験しています。頭が真っ白になってしまっても慌てないで大丈夫。以下の方法を試してみてください。
【事前の対策】
- よく聞かれる質問の回答を声に出して練習しておく
- 模擬面接で緊張状態に慣れる
- 面接会場に早めに到着して環境に慣れておく
【当日の対策】
- 深呼吸して「申し訳ございません、少し整理させてください」など素直に伝える
- 「恐れ入りますが、もう一度質問をお聞かせいただけますか?」などと聞き返す
- 知っていることから部分的に話し始める(「実習では〜」など)
面接官も、学生が緊張することは十分理解しています。完璧に答えようとせず、あなたの誠実さや人柄が伝わることの方が大切です。
まとめ|自分を責めすぎず、次に活かそう
就職活動は、うまくいかないことがあって当然です。落ち込んでしまう日もあると思います。
でも、「今回の経験から何を学べるか」を少しずつ考えていくことで、必ず前に進めます。
あなたのペースで、一歩ずつで大丈夫。この記事が、次のチャンスに向けて背中をそっと押すきっかけになれば嬉しいです。






