接種後の症状がリスクの子宮頸がん予防ワクチン接種が勧奨再開?気をつけるべき点は

接種後の痛みやさまざまな症状が問題になり、積極的な勧奨が中止されていた子宮頸がんワクチン接種。日本産科婦人科学会は、8月に日本医師会などの呼びかけによって作成された「診療の手引き」を高く評価するとし、18日付けで勧奨再開を呼びかける声明を出しました。

 

子宮頸がんワクチン接種、勧奨再開を…産科婦人科学会が声明(yomiDr.)

 

日本産科婦人科学会が、診療の手引きで“もう準備は整った”

今年8月、日本医師会と日本医学会の呼びかけのもと、産婦人科医、小児科医、痛みや神経の専門家などにより、「HPVワクチン接種後に生じた症状に対する診療の手引き」が作成されました。

 

診療の手引きには、HPVワクチン接種後に症状が生じた患者への対応方法として、基本的な診療姿勢、面接・問診、及び診察のポイント、検査、診断、鑑別診断、治療のポイントが具体的に記載されています。

 

また、必要に応じて協力医療機関や専門医療機関との連携を取ることや、日常生活の支援、学校や職場への対応、家族のケアなどの記載もあります。

 

子宮頸がん予防ワクチンの定期接種は、2013年から厚生労働省によって積極的な勧奨は控えるよう呼びかけられていましたが、この手引きの公表を受け、日本産科婦人科学会は“もう準備は整った”と示唆するような、勧奨再開を促す声明を出しました。

 

積極的な勧奨が控えられていた、子宮頸がん予防ワクチン接種

国内で、子宮頸がんの原因の多くを占める「ヒトパピローマウイルス(HPV)」のワクチンは、2013年4月に定期接種化されました。しかし、接種後に広範囲の慢性的な痛みなどのさまざまな症状が起きることが問題となっていました。諸症状について医学的な原因は明らかになっていません。

 

実際にワクチンを接種した中高生の中には、不眠やめまい、激しい頭痛視力低下などの症状に見舞われ、通学が困難になり、退学せざるを得ない状況になった人までいました。2年が経過した今でも、症状に悩まされている人がいます。

 

この状況を受け、同年6月には、厚生労働省は適切な情報提供ができるまで、定期接種を積極的に勧めるのを一時的に控えるよう呼びかけました。

 

知っておくべき接種後の対応方法とポイント

医療従事者としては、子宮頸がん予防ワクチン接種によって起こる症状を想定し、その対応方法とポイントを踏まえておく必要があります。

 

診療の手引きでは、まずは、患者さんが落ち着いた診療を受けられ、行き場を失うことのないよう努めること。さらに、協力医療機関などとの連携を確実にとることを基本姿勢として持つよう記されています。

面接や問診では、基本的に受容、共感を示す傾聴の態度で対応し、家族を交えて、丁寧なヒアリングが必要であるとされています。

 


(参考)

HPVワクチン接種後に生じた症状に対する診療の手引き(日本医師会・日本医学会)

子宮頸がんワクチン副作用?健康被害に独自の救済制度要望(yomiDr.)

子宮頸がん予防ワクチン接種の「積極的な接種勧奨の差し控え」についてのQ&A(厚生労働省)

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