最終更新日 2018/05/28

子宮頸がん

子宮頸がんとは・・・

子宮頸癌(しきゅうけいがん)とは、子宮口の入り口である子宮頸部(子宮下部の管状の部分)に発生する悪性腫瘍である。
本邦では、子宮頸癌は子宮体癌にくらべ圧倒的に多く、最近は性交渉をもつ年齢の若年化により、20~30代の若い女性にも多く、浸潤癌は40歳代、ついで30歳代に好発する。子宮頸癌による年間死亡数は2500人程度、16000~17000人が新たに診断されており、この10年間で増加傾向にある。

【原因】
子宮頸癌は、ヒトパピローマウイルス(HPV)と深い関連があるとされ、患者の90%以上からウイルスが検出されている。HPVは性交渉により感染し、多くの女性が一生に一度は感染する。HPVは子宮頸部に定着するが、感染しても90%の人は自分の免疫でウイルスを排除することができる。しかし10%の人は感染が持続し、癌の前段階である異形成が進行した結果、浸潤癌に至るとされている。
子宮頸癌は70%以上が扁平上皮癌であるが、最近は腺癌の比率が上昇している。発症の危険因子としては、低年齢での初交、妊娠・出産回数が多い、喫煙、免疫力低下していることなどが挙げられる。

【症状】
初期は無症状であるが、不正性器出血や性行為の際の出血が典型的な初発症状である。

【検査】
HPV感染から異形成、癌化するまでの時間経過は長く、異形成の段階で早期に発見すれば比較的治療しやすく、予後がいいことから定期検診が推奨されている。我が国では20歳から2年に1回の検診を推奨しているが、受診率は低いのが現状である。がん検診では細胞診のみを行い、検査で異常があれば組織診やエコー、CT等の検査を行う。

【予防接種】
HPV感染を予防することにより子宮頸がんの発症を防ぐワクチン接種が各国で広がっており、日本でも2009年12月から接種可能となった。性交渉を経験する前の10代前半を中心に接種は推奨されている。しかし副作用が社会的に問題となり、現在積極的な推奨を見合わせている市町村が多いのが現状である。

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