最終更新日 2018/04/20

骨髄異形成症候群

骨髄異形成症候群とは・・・

骨髄異形性症候群(こつずいいけいせいしょうこうぐん/MDS)とは、造血幹細胞に生じた遺伝子異常により、造血系が異常クローンに置換される疾患である。無効造血のため、骨髄は過形成であり、末梢血は血球減少を示し、血球の異形成も認められる。急性骨髄性白血症に移行しやすいので「前白血病状態」という捉え方もできる。

患者は50歳以上の高齢者に多い。原因は不明であるが、「RNAスプライシング」に関わる遺伝子群の異常が約半数に生じているといわれている。癌化学療法(特にアルキル化薬)や放射線照射に続発する場合には、治療関連MDS(二次性MDS)と呼ばれる。

一般に病初期は症状に乏しく、慢性に経過する。貧血症状や、健康診断で検査値の異常(貧血、白血球血小板の減少)を指摘され発見されることが多い。検査は、無効造血による血球減少と血球異形成像が重要である。

症状としては、貧血、好中球減少、血小板減少がさまざまな頻度に出現する。
治療は、造血細胞の形態的な特徴や染色体所見が予後と関連するので、国際予後スコアリングシステムによるリスク分類に従い決定される。低リスク群では血球減少に伴う症状がなければ経過観察、有症状の場合には免疫抑制薬が使用される。高リスク群では同種移植が可能な場合には同種造血幹細胞移植を行う。困難例ではDNAメチル化阻害薬が使用される。

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