最終更新日 2018/02/06

造血幹細胞

造血幹細胞とは・・・

造血幹細胞(ぞうけつかんさいぼう、hematopoietic stem cell)とは、白血球赤血球血小板など全ての造血細胞に分化する能力と、自己複製能力を有する細胞である。

ヒトの造血は妊娠25日ごろより卵黄嚢で始まり、妊娠3~6カ月では造血幹細胞が肝臓へ移り、肝臓が主要な造血の場となる。妊娠後期に造血幹細胞は肝臓から骨髄へ移動し、出生以降の造血は骨髄で行われる。

造血幹細胞は細胞分裂の際に、自己複製して造血幹細胞を作るか、造血幹細胞より少し分化した多能性前駆細胞を作る。この多能性前駆細胞が分化し、赤血球や白血球、血小板を作り出す。つまり、我々の体を構成する血液細胞の原材料が造血幹細胞である。このような性質によって、骨髄は枯渇せずに血球を産生して白血球・赤血球・血小板の数を一定に保っている。

執筆: 河村俊邦

防衛医科大学校病院 血液内科

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