肝機能障害とは・・・
肝機能障害(かんきのうしょうがい、hepatic dysfunction)とは、さまざまな原因により肝臓の機能に異常が起きた状態である。
具体的な定義はないが、血液検査にて肝逸脱酵素(AST、ALT)の上昇により、肝機能障害と認知される。
【原因】
肝機能障害を引き起こす原因は多岐にわたるため、以下に代表例を一部挙げる。
・ウイルス感染〔各種肝炎ウイルス、EBウイルス、サイトメガロウイルス(CMV)など〕
・薬剤(アセトアミノフェン、フェニトイン、バルプロ酸ナトリウムなど)
・アルコール
・循環関連(ショック、うっ血など)
・胆道系疾患(急性胆管炎、原発性胆汁性肝硬変など)
・腫瘍関連(原発性、転移性、リンパ腫など)
・自己免疫性
・甲状腺機能障害
・HELLP症候群
・ウィルソン病
・浸潤性疾患(アミロイドーシス、サルコイドーシス、結核など)
頻度が高いのは、脂肪肝、ウイルス性肝炎、薬物性肝障害、胆石・胆管結石・胆道感染症、アルコール性肝炎である。
【症状】
肝機能障害の原因となる疾患によりさまざまである。
無症状のこともあれば、右季肋部痛(右肋骨の下あたりの痛み)といった局所症状や発熱、倦怠感などの全身症状を呈することもある。
【検査】
一般的に健康診断で行う肝機能の検査は以下が挙げられる。
・AST、ALT
・γ-GTP
・ALP
肝炎が疑われる場合の検査は以下が挙げられる。
・肝炎ウイルス、エプスタイン・バール・ウイルス(EBウイルス)、ヘルペスウイルス関連の抗原・抗体検査
・胆道系酵素・膵酵素
・抗核抗体 など
その他の原因精査のための検査は以下が挙げられる。
・腹部超音波検査
・造影CT検査 など
【治療法】
肝機能障害を引き起こしている原因による。
【引用・参考文献】
1)J.E. Tintinalli,Tintinalli's Emergency Medicine,9th ed.- A Comprehensive Study Guide.2020,MCGRAW-HILL EDUCATION,p2114.