花粉症患者に朗報!「食べれば花粉症が治るお米」の開発が進む

食べると花粉症が治るお米が誕生?

 

推定3000万人以上ともいわれる花粉症患者。対症療法と抗アレルギー薬の服用で症状を抑えるのが一般的ですが、食べて続けることでアレルギー反応を根本から治療する「花粉症治療米」の登場など、花粉症治療は新たな局面を迎えています。

 

食べてなおす「スギ花粉症治療米」とは?

まさに国民病ともいえる花粉症ですが、さまざまな治療薬が開発される中、日本人ならではの食事で症状を改善させようとする画期的な研究も進んでいます。農業生物資源研究所(生物研)を中心に、花粉症を治療する「スギ花粉症治療米」の研究が始まっています。

 

花粉症は、花粉の抗原を異物として体が認識することで起こるアレルギー症状です。生物研は、遺伝子組み換え技術によって花粉の抗原となるたんぱく質の構造を変えた遺伝子をコメに組み入れた、治療米を開発しました。

 

治療米を食べ続けることで、徐々に体が花粉の抗原を異物と認識しないようになり、花粉を取り込んでもアレルギー症状を発症しないようになるというものです。すでに動物実験レベルでは一定の成功を収めていて、治療米を与えたマウスでアレルギーを引き起こすヒスタミンの量が半分になるなどの成果がでているとのことです。

 

高血圧や中性脂肪に効果のあるコメの開発も

動物実験での結果を受けて、慈恵医大病院などですでに人での臨床試験も着手されています。生物研では今後、スギ花粉だけでなく食物やダニなど他のアレルギーに効果のあるコメや、さらには中性脂肪高血圧などに対する健康効果が期待できるコメの開発にも力を入れていくとのことです。

 

日本の食卓が欧米化し、コメ離れが加速する昨今。コメの消費は1960年代をピークに減少が進み、2011年にはパンの購入額が精米の購入額を上回ったとの統計もあります。各種アレルギーや生活習慣病への効果が期待できる治療米が実用化されれば、もう一度日本人の食卓にコメが主役として復活するのも、夢じゃないかもしれません。

 

花粉症の患者数、10年で10ポイント増も

生物研による花粉症治療米の開発の例をご紹介したように、さまざまな分野の専門家が花粉症の治療法を開発しようと研究を続けています。その背景には、年々増加し続ける花粉症患者の実状があります。

 

日本での花粉症患者を対象とした正確な調査はありませんが、アレルギーに関する疫学調査などからおおよその患者数が把握することができます。それによると1998年にはスギ花粉症の有病率は16.2%だったのが、2008年には26.5%と10年で10ポイントも上昇しています。

 

花粉症が増えている理由は、戦後に植林したスギが成長して潜在的な花粉量が増えたこと、温暖化によって花粉生産量が増えたことなどといわれています。

 

3人に1人の子どもが花粉症?

特に、若年層の患者が多く、花粉症患者の4割が5才まで、8割が10才まで発症しているとのデータもあります。

 

ロート製薬の調査によれば、父母が我が子は花粉症と思う人は32.7%。

 

子どもの3人に1人が花粉症の症状を持っていることがわかりました。2年前の同様の調査では25.7%だったことから、子どもの花粉症が増加傾向にあることがうかがえます。

 

子どもの花粉症、アトピーの3倍も

父母が実感する子どものアレルギー症状では、「花粉症」(32.7%)が最多で、「通年性アレルギー性鼻炎」(24.7%)、「アトピー性皮膚炎」(10.6%)、「喘息」(8.3%)と続き、花粉症がアトピーなどを大きく上回っていることもわかります。

 

発症の低年齢化も進み、花粉症の子どもは5才までに43.8%、10才までに80.4%が発症していることもわかりました。

 

(参考)

0~16歳までの子ども2,452人の親に聞いた「子どもの花粉症」調査結果 (ロート製薬)

スギ花粉症緩和米の研究開発(生物研)

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