最終更新日 2018/05/08

赤血球数

赤血球数とは・・・

赤血球数(せっけっきゅうすう、red blood cell count)とは、血球成分の一種である赤血球の数のことである、全血球の99%以上を占める。RBCと記載される場合が多い。

赤血球の主な機能は酸素の運搬である。大きさは直径7~8µm 、厚さ2µm。骨髄中の造血幹細胞より分化した赤芽球系前駆細胞が分裂を繰り返しながら成熟し、末梢血内へ移行するにあたってを失う(脱核)ため、成熟した赤血球は核を持たない。また、ミトコンドリアも持たないため、細胞質内の解糖系によりエネルギーを得る。中央部が変形した円盤状の形態をしているため高い変形能を持ち、直径が赤血球より小さい毛細血管内でも自由に変形して通過できる。

赤血球内にはヘムとグロビン鎖からなるサブユニットが4つ結合したヘモグロビン(Hb)を含み、ヘモグロビン1分子で4分子の酸素を結合することができる。平均寿命は約120日間で、老化した赤血球は脾臓肝臓などでマクロファージにより処理される。

赤血球数の基準範囲は、男性450~550万/µL、女性350~500万/µL。

男性600万/µL、女性550万/µL以上で、赤血球増加症と定義される。このうち、ヘマトクリット値で示される循環赤血球量の増加を伴えば絶対的赤血球増加症であり、3系統(赤血球、白血球血小板)の血球増加がみられる真性多血症と、赤血球系のみが増加する二次性赤血球増加症に分けられる。一方、循環赤血球量の増加を伴わない場合は、相対的赤血球増加症といい、ストレス喫煙脱水が原因となることがある。

赤血球数の減少は、ヘマトクリット値の低下、ヘモグロビン濃度の低下にも表れ、何らかの原因による貧血を考える。ただし、一般的に貧血はヘモグロビン濃度で定義される。WHOの貧血の基準は乳幼児・妊婦・高齢者がHb11g/dL以下、成人女性がHb12g/dL以下、成人男性がHb13g/dL以下である。貧血の鑑別を行うには、赤血球恒数であるMCV(平均赤血球容積)、MCH(平均赤血球ヘモグロビン量)、MCHC(平均赤血球ヘモグロビン濃度)を用いる。それぞれの計算式と基準範囲は以下のとおりである。

・MCV=[ヘマトクリット値(%)÷赤血球数(106/µL) ]×10、基準範囲84~98fL
・MCH=[ヘモグロビン濃度(g/dL)÷赤血球数(106/µL) ]×10、基準範囲28~33pg
・MCHC=[ヘモグロビン濃度(g/dL)÷ヘマトクリット値(%) ]×100、基準範囲32~35%

これらの結果から、小球性、正球性、大球性など貧血の鑑別を行う。

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