安月給な職業No.1！？日本でも欧米でも看護師の給料はやっぱり安かった！

2014/09/05

業務内容の割にお給料が安い職業というと、教師や消防士、シェフなどが思い浮かびますが、看護師も決して例外ではないでしょう。「きつい、汚い、危険」の「3K」にくわえて、「給料安い」の「4K」の代表が看護師だと、以前からよく言われていたのではないでしょうか。

今回は、諸外国の看護師のお給料も参考にしながら、いかに看護師という職業が、安く見積もられたものかを探ってみましょう。

安月給な職業No.1！？日本でも欧米でも看護師の給料はやっぱり高かった！｜看護師専用Webマガジン【ステキナース研究所】

ダントツに安い看護師のお給料

看護師の給料は、経験、地域、病院が公立か私立かなどによって変わってきます。また、勤務時間や勤務体制によっても差があるため、一概にこのくらいとはいえません。ここでは、あくまでも一般的な平均年間賃金として海外や日本の看護師の給料を紹介していきます。

Bureau of Labor Statisticsの2011年の統計によれば、アメリカの正看護師（Registered Nurse）の平均年間賃金は69,110ドル、日本円にすると約700万円です。日本の看護師の平均年間賃金が約472万円なので、日本に比べると物価と平均賃金の安いアメリカにしては、看護師は大分良いお給料をもらっているような印象を受けます。オーストラリアの場合は、看護師の年間平均賃金が約55,000ドル（日本円で約530万円）。日本と物価がそれほど変わらないオーストラリアでも、日本よりは高い賃金となっています。

ただし、欧米各国の多くでは、正看護師になるには、4年制の大学で学位の取得が条件づけられています。

また、勤務経験や勤続年数だけでは昇格・昇給することができない国もあり、多くの看護師が、フルタイムで働きながらパートタイムで大学や大学院に通い、学士号、修士号を取得します。中には医学博士号を持つ看護師も少なくありません。

そのため、看護師が取得する教育のレベルを考えると、同レベルに近い教育を受けた医師などの平均年間賃金の約200,00ドル（約2,030万円）に比べると、はるかに安い給料であることが分かるかと思います。

また、欧米諸国の看護師は、資格の種類によっては行うことのできる医療行為の幅が日本の看護師に比べて広く、かなり専門性の高い職業です。これらを考慮しても、欧米諸国の看護師のお給料ですら、決して高いとはいえません。

地域ごとに賃金格差の激しいアメリカのナース・プラクティショナー

高度な教育レベルを求められる欧米諸国の看護師のランクで、修士の学位を取得した上級看護師を指す「ナース・プラクティショナー」（NP）ですが、たとえばアメリカなどでは、同じナース・プラクティショナーでも、地域によって年間賃金に大きな格差が生じています。

デトロイト・フリー・プレスの記事によれば、2012年度のナース・プラクティショナーの平均年間賃金はアラスカ州で110,000ドル（日本円で約1,200万円）あるのに対し、バーモント州では90,000ドル（日本円で約980万円）未満。

参考までに正看護師（Registered Nurse）の平均年間賃金をみてみると、カリフォルニア州では97,000ドル（約1,060万円）であるのに対し、アメリカ中西部のサウスダコタ州ともなると、なんと50,000ドル(約540万円）くらいまで下がります。
同ランク、同業務内容にも関わらず、州によって年間賃金にここまでの開きがあるとは驚きです。

日本の看護師と欧米各国の看護師とでは、教育のレベルと業務内容の専門性に差があることも多いとはいえ、両者に共通していえるのは、「お給料が安い。仕事内容に見合っていない」ということです。特に、看護師不足がいつになっても解消されない日本では、看護師のお給料が見直され、4K職業などと呼ばれない日がくること、看護師の離職率が激減することを切に願います。

文：Mia C.

参考：

Underpaid? 5 jobs that deserve a higher salary (Detroit Free Press)

Bureau of Labor Statistics

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