医療ドラマあるある!間違い探し【2】~術後患者編~

毎クール必ず1本は放映される医療ドラマ。看護師の皆さんは「ありえない~!」とツッコミながら観るのも楽しいのではないでしょうか?

そこで、医療ドラマのあるあるシーンで間違い探しを作成しました!楽しんでみてください!

【ライター:白石弓夏(看護師)】

 

~初級編~2つの間違いを探せ!

頭部術後、気管挿管で人工呼吸器を使用しているシーンです。

間違いを2つ探してください。

 

★画像タップで正解がわかる★

※スクロール注意!解説あり※

 

 

 

~初級編~解説

【赤◯】

気管内チューブが垂直になっていることが、ひとつめの間違いです。

一般的な気管内チューブは、元々ゆるくカーブがかかっています。

そのため、口から垂直には出てこず、カーブを描いて首元に沿うようになるはず。

 

垂直にしてはいけないのにも理由があります。

気管内チューブと人工呼吸器の接続部が高い位置になると、人工呼吸器で加温・加湿している水蒸気がチューブ内に溜まり、水滴がそのまま口元に落ちてしまうのです。

 

それを避けるため、首元に沿い、自然にチューブを横たえて固定するのが一般的です。

 

【黄○】

2つめの間違いは「枕」です。

多くの全身麻酔手術後の患者さんでは、このような一般的な枕を使用することはまずありません。

枕を使用すると、麻酔後の舌根沈下のリスクが高まるためです。

※挿管されたままの場合では、頭部が後屈するように、肩枕や専用の枕を使用することはあります。

 

頭部に創がある場合には、汚染・感染を予防するためにも、枕ではなくパット(下図)で対応することも多いです。

 

 

 

他にも気になる点はある…?現場からのコメント

 

★Aさん(看護師10年目、脳外科経験3年)

【緑◯】

・挿管チューブの下にバイドブロックがあるように見えますが、で噛んでしまいそう…。本来は横にくるように固定すると思います。

 

【黄◯】

・いつも医療ドラマで「あれ?」と思うのは、頭の手術や怪我で顎まで包帯ぐるぐる巻きにしていたり、タオルのようなものを巻いていたりすること。

術直後は、「ガーゼにテープ固定」プラス「包帯保護またはネット」とシンプルなことが多いです。ドラマでは見た目で重症感を出したいからぐるぐるにするんでしょうけど…。

 

★Bさん(看護師10年目、手術室経験5年)

【緑◯】

・挿管チューブのテープ固定が短いような気がします。挿管チューブが子ども用じゃない?というくらい細いですね。

 

★Cさん(看護師5年目、ICU3年目)

【赤◯】

・一般的なタイプの挿管チューブの角度が垂直はまずありえないですね。VAP(人工呼吸器関連肺炎)の発症リスクが高まります。

 

・ただ、呼吸器の回路や挿管チューブの種類によって固定の仕方が違うものもあります。患者の気道に腫瘍などがある場合には、やむをえずチューブの角度を垂直にするケースもありました。

 

***

挿管チューブについては、固定具の種類が多様化しています。

種類や病院によってやり方が違うことも多いようです。

疾患による例外などもあるので、一概には言えませんが、まずは基本形を知っておくことも必要です。

 

看護roo!にも関連記事が掲載されているので、ぜひ参考にしてみてください!

 

参考記事

▷『全身麻酔後、覚醒状態でも枕は入れてはいけない?

▷『気管チューブの固定|気管挿管の介助(4)』(動画でわかる!看護技術)

▷『人工呼吸ケアのすべてがわかる』記事一覧

 

~番外編~

ここまで見てきて、そのほかにも間違いがあると気づいた方もいるのではないでしょうか。

「ここもおかしい!」と発見したら、ぜひコメント欄で盛り上がりましょう~!

 

次回の舞台は、オペ室!

“中級編”をお届けします。

(イラスト)明(みん)

SNSシェア

コメント

0/100

仕事トップへ

掲示板でいま話題

他の話題を見る

アンケート受付中

他の本音アンケートを見る

今日の看護クイズ

本日の問題

◆周術期看護の問題◆「手術部位感染」の略語はどれでしょうか?

  1. ICT
  2. CDC
  3. DOT
  4. SSI

9057人が挑戦!

解答してポイントをGET

ナースの給料明細

8898人の年収・手当公開中!

給料明細を検索