「脳の発達」「こころの幸福」「免疫力」は、子ども時代の外遊びとつながっている?

テレビゲームや携帯電話の普及とともに、現代の子どもは戸外で遊ばなくなったと思う人は少なくないのではないでしょうか? 実際、内閣府の「青少年の生活と意識に関する基本調査」でも、1995年から2000年の5年間で、小中学生の休日の過ごし方として外遊びが減少している結果が出ています。

 

ところが、子ども時代の外遊びの経験は、実はとても重要です。2016年の夏にオーストラリアで開催された「子どもと自然」に関するカンファレンスでは「外遊びの経験はその後の人生に大きく影響を与える」と自然療法と健康の研究者であるアラン・ローガン氏によって報告されました。

 

 

子ども時代の自然とのつながりがその後の人生に与える影響

ローガン氏よると、子どもが自然から切り離されることによって、腸内環境から免疫、メンタルヘルスにまで影響を及ぼす可能性が示されているそうです。

 

自然とのつながりが重要な理由「人生の早期に自然とのつながりをしっかり築くことは、一生の幸福に影響を及ぼします」とローガン氏は話します。

 

複数の研究結果から、自然はストレスレベルやうつに良い効果を与えることがわかっていますが、衝動、多動、注意欠陥障害と診断された子どもたちにも良い効果を与えることが示され、他者とのコミュニケーションにも影響を及ぼすとローガン氏。

 

また「子ども時代に自然とつながりを持つことによる最も重要な効果は、共感に関することです。共感とはもちろん、他者の観点を理解し受け入れる能力のことです」とのこと。

 

免疫システムへの影響

自然の中で過ごすことは、体に重要な生理的影響ももたらすと、北オーストラリア大学の小児科専門医であるスーザン・プレスコット教授は説明します。

 

「私たちが自然に接することで、ありとあらゆる微生物との接触、太陽光からはビタミンDが生成され、もちろん運動をすることになり、私たちの体の健康に良い効果をもたらします」

 

「そして、これらは体の免疫システムにも影響を与えます。免疫システムは、体および心の健康のほぼすべての面に影響を及ぼすのです」

 

さらに、自然がもたらす影響は心身のみならず、の発達にも欠かせないようです。

 

自然は子どもたちに「疑問」を持つよう促す

西オーストラリア大学の前チーフサイエンティスト、リン・ビーズリー教授は、脳の発育のために子どもたちは自然と触れ合う経験をできるだけ持つべきだと語ります。

 

「自然は子どもたちにさまざまな疑問を抱かせるのです」とビーズリー教授。「なぜ、空は青いのか? なぜ、昼間でも月が見えるのか? なぜ、草は緑色なのか?」

 

「子どもたちが問いかけ、自分で答えを探そうとするとき、そのときこそ脳が特別に刺激を受けるのです。そのときに、生き物との新しいつながりを作りながら大きく脳が発達するのですよ」

 

ビーズリー教授は、保護者は子どもたちが自然とつながりを持てるようにする責任があるが、学校もまた重要な役割を担っているといいます。次に、子ども自然との触れ合いに取り組む学校の例を見てみましょう。

 

鶏の放し飼いをしている小学校

オーストラリアの北フレマントル小学校では、放し飼いで鶏を飼い、野菜畑や草が生い茂る遊び場を備えています。副校長であるべリンダ・ボールディ先生は、先生も保護者も自然が豊かな環境である利点を認めていると言います。

 

「効果は教室内に表れていると思います。何かをするとき、子どもたちがいかに協調的に作業するか、いかにお互いのアイデアを上手に構築していくか、いかに上手に問題解決するかということを考えていることが見て取れるからです」

 

アスペルガー症候群の娘リリーの母トラバース夫人は、この学校の学びに対するアプローチは、自分の娘にとっては良かったと言います。

 

「リリーは、外に出ると自分のことを木であると言います」「頭がすっきりし、自由な気がすると。そして、そのことによって、学校で毎日やるべきことに集中できているのです」

 

リリーは学校にいくのが大好きになったとトラバース夫人は話します。

 

都会では、なかなか自然と触れ合う機会は少ないかもしれませんが、お子さんがいる方にはぜひ、近くの公園などで一緒に遊んでみてはいかがでしょうか。また、今回は、子どもと自然に関しての報告をご紹介しましたが、日頃のストレスを和らげるために自然と触れ合うことは、大人にとっても効果があるのではないでしょうか。

 

(文):a. sano

(参考):

Gut health, mental wellbeing and immunity linked to outdoor play(ABC news)

3 子どもの体力の低下の原因(文部科学省)

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