小さな命を救う!超低出生体重児の検査が可能な世界最小のMRI

新生児集中治療室(NICU)の赤ちゃんたちの適切な診断と治療のために、超低出生体重児の検査を可能にした世界最小のMRIがイギリスで大活躍しています。2017年1月の英BBCニュースの報道内容をご紹介します。

 

 

世界最小のMRIとは

超低出生体重児の検査が可能な世界最小のMRI機器は、家庭用の洗濯機とさほど変わらないような大きさであると、英BBCニュースでは紹介されています。

 

このMRIの設計と開発には、12年もの歳月がかけられました。イギリスに本拠地を持つ公益信託Wellcome Trustからの資金提供を受けてプロジェクトにあたったのは、イギリス、シェフィールド大学のGriffiths教授とPaley教授ら。設計されたMRIは、医療用機器メーカーのGE Healthcareによって製作されました。

 

作られたのは世界に2基のみで、1基はイギリスのRoyal Hallamshire Hospitalで活躍しており、もう1基はアメリカマサチューセッツ州のBoston Children's Hospitalにありますが、こちらは現在使われていません。

 

世界最小のMRIを用いるメリット

新生児の画像診断に多く用いられるのは、単純X線写真や超音波検査ですが、MRIを用いるとや周辺の断層撮影が行えるため、患者の家族への説明もより容易になります。しかし、新生児集中治療室(NICU)では新生児は保育器に入れられているケースがほとんどであり、保育器の脇で検査が行える超音波検査が好んで用いられてきました。

 

MRIの機器は巨大で重量があるため、ほとんどの施設で1階に設置されています。これに対して産科は、多くの場合、上階や検査室のある棟とは別棟に置かれています。このため、検査するには、遠く離れた検査室まで新生児を移動させなければなりませんでした。この点、世界最小のMRIであれば、新生児集中治療室からほんの数メートルのところに設置でき、専門のスタッフがそばにいるため、急な容態の変化があっても安心です。

 

Griffiths教授は、MRI検査を用いるメリットとして、酸素欠乏や血流不足といった脳の虚血状態による異常を、より広い範囲の画像によって把握できることを挙げています。

 

高齢出産の増加や体外受精に伴う多胎妊娠の増加などによって、日本では低出生体重児の出生割合が高まっています。小さな尊い命への適切な治療と健全な発達のためにも、世界最小のMRIは、日本でも導入を進めて欲しい検査機器のひとつです。

 

(文):A.Brunner
(参考):
World's smallest MRI helps tiny babies(BBC)
Babies benefit from pioneering 'miniature' MRI scanner in Sheffield(The Telegraph)

 

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