12時間勤務は事故のもと?

看護師の3交代から2交代勤務への移行が増えている中、1回のシフトの勤務時間が12時間を超える環境で働く看護師の人もいるでしょう。

 

連続して12時間を超えるシフト勤務を行う看護師は、自身がけがをしたり医療事故を起こしたりする危険性が高くなるという研究結果がニュージーランドにおける看護研究で発表されました。看護師の長時間勤務について考えてみましょう。

 

 

13時間以上の勤務では医療感染が増えるという研究も

ニュージーランドの看護研究者であるジル・クレンドン博士とヴェロニク・ギボン博士は昨年、「急性期ケア病棟において、12時間以上の勤務がミスを起こす確率を高くする」という研究結果を発表しました。この研究は、これまで行われた6つの研究を分析し、計60,780名の看護師を調査対象とした論文をシステマティックレビュー(統合的レビュー)として、「国際看護ジャーナル」に掲載されています。これ以外でも、勤務時間と医療事故に関する研究が行われており、13時間以上の勤務では医療感染が増えるという結論を出した研究や、12時間勤務ではそれ未満の勤務帯と比べて医療ミスを起こす可能性が2~3倍に増えているという指摘もありました。

 

さらに両博士は、長時間の勤務には疲労やそれに伴う医療ミスや看護の質の低下といったリスクをはらんでいるとしています。そして医療事故を防ぐため、12時間勤務の際に看護師は2時間の十分な休憩を確実に取る、体を休めることができるようなシフトの組み方をすることなどが対策として挙げられています。

 

一方、12時間勤務にはメリットも。その魅力とは

「勤務時間が長くなると医療事故が増える」という研究結果とは対照的に、「医療事故の増加と勤務時間は関連性がない」とする研究結果があることも事実です。また、看護師にとって12時間勤務は作業上、比較的フレキシブルに働けて、通勤回数も減るために、プライベートの時間をまとめて確保できるといった利点があるとの見方もあります。

 

前述の両博士は、交代勤務により自分や家族のために使える時間が少なくなりがちな看護師にとって、12時間勤務は連休が取りやすく、次の勤務までの休憩時間が長い点で、魅力的な勤務体制として人気があることがわかったとも指摘しています。

 

12時間勤務でも医療事故を防ぐための対策は?

両博士の研究では、長時間勤務と医療事故の関連性にはさまざまな因子が影響しており、さらに精査する必要があると結論づけています。日本でも、2交代や3交代、何時間勤務であるか、病院によってケースはさまざまで、これまでも賛否両論がありました。特に、急性期病棟や集中治療室など、日勤・夜勤にかかわらず、忙しい病棟では、どの勤務体制が一番効果的であるか、かつそこで働く看護師の体調なども考えて見直される必要があるでしょう。

 

(文):Ryo, S.

(参考):12 hour shifts linked to more nurse errors(HealthTimes)

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