ナースのお悩み処方箋【2】こんな雑用、私がやらなきゃいけないの?

「あなたが今『やらされている』と思っている『雑用』。それは未来のあなたの力になる」

 


おむつ交換に体位変換、尿測やら検体運びに車椅子への移動介助。
ただでさえ忙しい仕事中、わざわざ看護師がやらなくてもいいじゃないかと思う仕事に追われて、イライラすることはありませんか?

私はありました。
特に新人時代。
新人はできることが少ないので、必然的に看護師免許がなくてもできそうな仕事ばかり押し付けられて、仕事に行くのが嫌でした。

おむつ交換をしながら、「病院は介護要員を増やして、私たち看護師は看護の仕事に専念させるべきなんじゃないかな!」……とか思っていたんですよ。
振り返ってみれば、若気の至りだなぁと苦笑するしかないんですけど。

冒頭の言葉だって、私がつまらなさそうに仕事をしている時、当時の病棟師長から言われた言葉です。
その時は「それはそうかもしれませんけど……」と返事をしたと思います。
全く実感できなかったからです。

けれど、その言葉が正しかったのだと実感したのは、5年後、とある病院の救急外来勤務の時でした。

運ばれてきたのは交通事故の患者さん。
血まみれだけじゃなく、事故のショックで脱糞したのでしょう、異様な臭気が漂っています。
意識清明で、だからこそ、痛みに激しく呻吟しています。
もたもたしていたら、苦痛を長引かせてしまいます。
速やかに処置をして、検査なり治療なりに回す必要があります。

何の経験もない新人だったら、身体が動かないでしょう。
でも、新人時代から延々と繰り返してやったことは、身体が覚えているんです。

患者さんの衣服を開いておむつを取り、汚物を拭き清めて、おむつを戻して着衣を整える。
たかがおむつ交換と馬鹿にしていた技術。
苦痛をなるべく少なく身体を清めることは、おむつ交換の応用技術だったんです。

体位変換だって、同じこと。
ただの尿測の経験も同様です。たくさんの尿を眺めていた経験は、私に、尿の濃淡・臭いの強弱から、患者さんの状態をある程度、予測できるようにしてくれました。
検体運びだって、他の部署との連携がどう取れているのか、病院という組織を知る手段の一つ。
車椅子への移動介助だって、患者さんとのコミュニケーションの大事な機会。

新人時代、あんなに無駄でつまらないと思っていたことは、何一つ、無駄ではなかったのです。

単調な仕事はたしかに嫌だったし、つまらなかった。
けれど、あの日々が無駄じゃなかったんだ。

――きっと私のこの記事に、大きく頷いてくださる方は多いでしょう。
私は5年経たないと気づけなかったけれど、もっと早く気付いた方もいらっしゃるでしょうね。

逆に、ピンとこなくてもいいんです。
看護師という仕事を続けていれば、その内、必ず「ああ、そういうことなんだ!」とわかる日がきますから。

そして、そんな自分を褒めてあげたくなると思いますよ!
 

 


 【岡田久美】 兵庫県出身。看護書籍の編集とゲームシナリオライターを本業に、フリーの看護師として活躍中。いつでもどこでもどんなところでも勤務できるオールマイティな看護師を目指し、これまでの勤務職場は病院、クリニックなど30以上。

著書に「看護師の流した涙」(ぶんか社)がある。

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